業種別ETFは中途半端
以前新聞に載っていましたが、ETFの中で業種別ETFは出来高が伸びず不振だそうですね。
私もさもありなんと思います。投資対象を考える時に心理面で、業界別ETFは「個別」に投資するか「市場」に投資するかの明快な選択肢の狭間に存在する中途半端な商品だと私は思います。
有望な特定の業種に絞り込んで株式投資するなら、いっそ有望業種の中の個別株まで選び込んで投資したくなるのが通常の指向ではないでしょうか。今後の有望業種を探索する意欲と自分なりの手法があれば、自分の思い通りの企業株の構成にならない業種別ETFよりも、ETFを通り越して個別株を選び、それを組み合わせた方が、その後の管理も含めて明快で容易だからです。
たとえば、自分が自動車業界を投資対象に選んだ場合、トヨタ・ホンダは欲しいけど、○○自動車は結構という自分なりの組み合わせを、業界別ETFはかなえてくれません。
「そうは言ってもA業界は全体として将来有望だし、特定企業まで選び込む勇気はないけれど業界自体には投資したい。」つまり投資対象を絞りすぎてヘタを打ちたくない心理もあるかもしれませんが、これをつきつめていくとヘタ防止のために「A業界だけでなく、B業界もいけそうだから...おっとC業界も捨てがたい...しからばD業界は...」と、どんどん拡散し、結局、市場全体(TOPIXや225連動)を買うという結論に行き着きくのではないでしょうか?
「WATANKOの話は極端だ。俺は有望な業種TOP3の業種ETFしか選ばない。」という人もいるかもしれません。では、
*その3つのうち、廃れた業種がでてきたら入れ替えはどういう基準でするのでしょうか?
*3つの業種ETFの配分見直しはどうするのでしょうか?
*各業種別ETFの構成株に、自分の気にいらない企業が増えてきても信仰を保ち、保有し続けるのでしょうか?
業種別ETFをもち始めるとなると、こういった悩みが付随してできてきます。そもそもこの手の悩みから解放されるために「市場」全体に投資することにしたのに、中途半端に市場を絞り込んでいるから、付随して色々なルールを自分で決めねばならず、その決めたルールの中にヘタを打つリスクがいつも潜んでいることになります。
まあそれでも日本人にとってならば、海外企業の場合なら業界別ETFを買う意義はあるかもしれません。
何せ海外企業に関しては個別企業の認知と経営現況把握、将来性についての見通しをたてる難しさは日本企業の比ではありません。そのために、個別株を選びたいのですが、情報入手と判断が難しい場合には代替に業種別ETFをえらぶのもリーズナブルかもしれません。でもその場合でもTOKやEFAを選ぶ方が簡単・安心ですけどね。
インデックス投資ブロガーの中にも業種別ETFを購入していますという方はあまり見かけませんが、支持者はどれくらいいるのでしょうか?
« 決算発表シーズンを終えて | トップページ | 生活防衛資金ゼロです »
「ETF」カテゴリの記事
- BNDからの2019年9月分分配金(2019.09.12)
- 1306&1308からの収益分配金が入金 2019(2019.08.18)
- BNDからの2019年8月分分配金 (2019.08.12)
- BNDからの2019年7月分分配金(2019.07.14)
- VTIからの2019年2Q分配金(2019.07.06)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
業種別ETFは、私はセクターローテーション用として評価したいと思っています。
とはいえ、セクターローテーションはアクティブファンドの代表的手法ではあっても、素人でそのような手法を用いる人はほとんどいないので、個人投資家からの支持は少ないと思います。
そして、運用会社は日本にはそういうプロも少ないということを読み違えたのかもしれませんね。
投稿: 吊られた男 | 2010年5月18日 (火) 23時32分
吊られた男さん
レスありがとうございます。
それにしても業種別ETFをバイ&ホールドしています、というインデックス個人投資家を見かけませんね...。もしそのような人がいたら、アセットアロケーションもお尋ねしたいもんです。
投稿: WATANKO | 2010年5月21日 (金) 00時39分