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2011年5月22日 (日)

店子の退去 最終章⑤

(前回からの続きです)

Sさんの引っ越し先を決めてから1週間後、契約手続きは進んでいるかな?引っ越し業者からの見積は揃ったかな?とほんの少し心配になってSさんを訪ねてみると、案の定、ここ1週間全く何もやっていなかった様子。

さらに4日後に訪ねると、娘が明日やってきて契約書の保証人記載事項に書き込みをしてくれるとのこと。でもそれ以外はやっぱり何もやっていない。

体調がすぐれなかったとか、遠くにあるスーパー銭湯に行っていたなどと言い訳をしてきたので、自分の引っ越しという一大事についてもっと真剣に自らが取り組んでほしいと軽く説教し、その場で私が電話帳のコピーを見ながら引っ越し業者3社とアポを取り翌日に見積もりに来てもらうよう段取りつけました。

その翌日のことです。

せっかく決めたSさんの引っ越し先が他の人にとられてしまった連絡を不動産業者E社から聞いて、私は卒倒しそうになりました。

業者いわく「その後、Sさんから1週間以上経っても入居申し込み書が送られず、連絡もないため、他の入居検討者に紹介したところ、その人との契約が先に決まりました」とのこと。

「せめて他の見学者が来て同時検討中となったら、その時点で一報くらいよこせよ」とクレームをつけて、半ば電話をたたき切り、Sさん宅に直行しました。

あとで冷静に考えれば、不動産業者としては別にSさんに優先付けをする義務はなく、先に決めてくれる、良い条件で決めてくれる申込者を優先するのは当たり前です。でもいきなりちゃぶ台をひっくり返されて、つい口走ってしまいました。ちょっと反省。

ともかくもSさんを訪問し、物件が他の人にとられてしまったことを知らせました。とりあえず来るはずであった引っ越し業者のアポをキャンセルし、ふたたび市役所の担当者に連絡。担当者もやや仰天した様子で、Sさんをつれて市役所に来れますか?とのことなので、またまたSさんを愛車に乗せて市役所の社会福祉課にアクセル全開で向かいました。

担当者、Sさん、私の3者で確認したところ、つまる話、Sさんが入居申込書の作成、提出をのそくさ遅らせていたばかりに今回の事態を招いたという理解で一致しました。

担当者も今度ばかりはかなりきつく説教を行いました。自分の今後の生活の基盤に関わる大事なことに、一生懸命取り組まなくてどうするんですか?と。

Sさんはさすがに今度ばかりは反省したものの、こうなった以上、もう私はホームレスになるからいいんです。すみません。TVなんかでもでているじゃないですか、女性のホームレスとか...と自虐的なことを言い出す始末。

これには私もカッとなり、「我々はあなたをホームレスななんかにするためにこうして労をかけているわけじゃあない。あなたはまわりに甘えてばかりいる。高齢だし、持病も抱えているのだから周囲に頼るのも仕方がないことではあるけれど、だからといってあなたが自分で最低限なすべきことをさぼってよいわけではない。」

「ホームレスの生活がどれだけ悲惨が知っているのか?一度ホームレスになれば二度と家は借りられない。いろいろな公的援助も途絶える。夏の暑さや冬の寒さをしのぐ軒下すらもなく、コンビ二の廃棄弁当をこっそり恵んでもらったり、野良猫・野良犬のようにゴミ袋をあさるような生活だ。それでもいいのか?」

私の強い口調うけて、Sさんもホームレス発言は行き過ぎたことを反省し、再度物件探しをすることを担当者と私に誓いました。

しかしながら、今回の大ポカをうけて、さすがに私はもうこれ以上協力する気にはなれません。そして担当者も私も、Sさんが自分一人で物件探しをするといっても、能力的に無理だろうと強く感じていました。

やはり誰かSさんのサポーターが必要です。そこで担当者と相談の結果、逃した物件で保証人になってくれる予定であったSさんの娘さんの協力を得られないかコンタクトしてみるということになりました。

Sさんいわく、「娘は最近子供を産んだばかりで世話が大変だし、頼るのはなんだか気の毒なんです。」

そこで私が思わず一言。

「Sさんよ、完璧にアナタずれているよ。我々他人にこれだけ世話をかけさせておいて、娘という肉親に迷惑をかけるのを遠慮するのは順番が違う話でしょうが!」

ちょっときついけど、言わずにはいられませんでした。担当者も目で同意。

Sさんの娘さんに電話しようとする担当者に対して、私はこれまでの経緯詳細と、ああは言ったものの6月末までに引っ越し先決定の有無にかかわらず、住居からは必ず退去してもらう。引っ越し先が無い場合、Sさんは本当にホームレスになりますよという緊迫度を娘さんにしっかりと伝えてほしいとお願いしました。

(つづく)

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コメント

一昨年か、母親が、相続したボロ物件を売りました。同じように維持費の増加と安全性への懸念が理由でした。そして、生活保護を受けている方が入居していたそうです。
結局、母親がとったのは居抜きという方法でした。色々と不利もあったようですが、こちらの記事を拝見すると、とてもではありませんが私の母親には処理できなかっただろうと思います。
ある意味で他人の生活を左右するわけで、大家さんというのは実に大変ですね。
私はREITで我慢することにします…。(苦笑)

ottoさん、レスありがとうございます。

>ある意味で他人の生活を左右するわけで、大家さんというのは実に大変ですね。

★いまどきは、こんな個人対個人の賃貸ビジネスを続けている人は減ってきているでしょうし、これからやろうという人もいないでしょう。リスクがたくさんあるにもかかわらず、のどかな時代だった昔だからことできた商売だと思います。

>私はREITで我慢することにします…。

★私もREITの有難味を痛感して、積み立てていました。(笑)

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