Billableにならない時間を惜しんでも...
先日の投稿「高額な家賃を支払っていてカネが貯まるのか?」での吊られた男さんのレスにインスパイアされて、日頃から感じていることを急遽投稿してみたいと思います。
働くこと以外で時間を余計にかけること=給与を元にした時給換算でロスを発生させている。だから時間を時給におきかえて損得を考えよという考え方が最近よく見られます。
でもそれはいつでも働いただけ残業代(換言すれば売上)が必ず支給される労務者であることが前提な場合に限ります。
例えば日曜日の午後に、とある場所に自転車で30分かけていくか、それともタクシーで1,500円かけていくか迷うような時に「私は時給4,000円だから30分なら2,000円。ゆえに1,500円の方が安いからタクシーを使う」と判断します。
でも実態はキャッシュが1,500円支出されるだけであり、その分明らかに当人の家計は悪化します。(ちょっと大げさですが)
現実にはその人の日曜日のその時間はBillableな時間ではないのです。手に入らない架空の2,000円と1,500円の現実の出費を比較することはナンセンスだと思います。
時給換算の論理が完璧に通用する人は、自分の24時間全てが金を稼ぐ時間に当てられる人だけです。だからそのような人はNon-Billableなことはできるだけしたくない。Billableな時間の割合を極限まで高めていかなければなりません。
典型例は売れっ子タレントでしょう。所属事務所はタレントの時間を極力Billable化しようとします。だからBillableにならない時間は最低限ですませられるように都心に住ませたり、移動は近くのロケ場所でも早くいけるタクシーを選びます。睡眠時間も削らせます。
俺の時給はX千円。だからX千円以下の行動は無駄、またはX千円以下の出費ならOKとしたり顔で言う人は「その時間があなたにとってもともと稼ぐことに使える時間ですか。あなたはBillableな時間をどれだけ確保できるのですか」と聞きたいです。
その他の視点として以下2つの雑感をあげておきます。
①企業に新卒入社し、若いうちは残業代が出ますが、そのうち40歳前後になって幹部職になると労働時間は裁量の範囲内ということで残業代は支給されない(夜10時以降の深夜手当を除く)のが常であります。だから幹部職にとっては自分の時給を下げないためには定時就業時間内で求められる仕事を行い、成果を出さねばなりません。残業すればするほど時給が下がり、その人の労働価値は下落することになります。
また幹部職が残業代のつかない残業を一生懸命行い成果を大いにあげることで、昇進・昇格を獲得し、その結果、時給があがることで後からコンペするという見方もあります。
②さらに企業の側からみてば、ともすれば残業時間増は生産性の低下、電気・空調代などユーティリティ・コスト増、割増しな人件費支出を伴うものであり、褒められたものではありません。(皮肉なことに仕事を自宅に持ち帰ってのサービス残業は奨励するかもしれませんが)
そうそうユーティリティ・コストで思いつきましたが、今年、日本の企業は節電対策に力を入れていますが、経営者は浮いた電気代をみて、電力需給の行方如何にかかわらず、来年も今年同様の節電を続けたくなるかもしれません。
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コメント
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>>現実にはその人の日曜日のその時間はBillableな時間ではないのです。手に入らない架空の2,000円と1,500円の現実の出費を比較することはナンセンスだと思います。
完全に同意です。
私の場合無収入ですから、
1円でも10円でも、出費は完全なマイナスであり、
比較することすら出来ませんが。(^^)
投稿: mushoku2006 | 2011年6月21日 (火) 07時43分
mushoku2006さん
レスありがとうございます。
私もmushokuさんのように家計管理をもっと徹底させようと時折頑張りますが、はるかに及びません。
投稿: WATANKO | 2011年6月21日 (火) 23時04分