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2011年11月30日 (水)

自動車の動力はまだまだガソリンエンジンで十分②VS.ディーゼルエンジン

(前回からのつづきです)

【ディーゼルエンジン】

それならディーゼルエンジンはどうか。

日本におけるディーゼルエンジンの普及は昔からなかなか進んでいません。私は次の理由によりディーゼルエンジンは今後も普及が進まないと思います。

1.ディーゼルは燃料制御や耐久性の面で同種のガソリン車と比べてコストがかかるエンジンです。とくに現在、日本の自動車市場の売れ筋はコンパクトカーや軽自動車となってきていますが、これらのクラスはシビアな価格競争を行っており、割高なディーゼルエンジンを搭載したら販売台数を伸ばすのは難しいでしょう。

またコストだけでなく騒音・振動の面からみてディーゼルエンジンは上記のような小型車に搭載する排気量の小さいエンジンには不向きです。大型車なら遮音材を沢山詰めたり、大型のモノコック・ボディで振動をおさえたりできますが、小型車ではコストやサイズ上難しいです。

2.軽油とガソリン、さらには燃費の差によって割高なエンジンのコスト差を回収するのは日本においては難しいです。

(1)ガソリンと軽油の値段差は以前よりもかなり縮まっています。20年くらい前は軽油の値段はガソリンの6割程度でした。しかしながら原油価格の高騰の影響で今や軽油はガソリンの9割程度まで値上がっています。もはや軽油はガソリンに比べて極端に割安な燃料とは言えません。

(2)前回HVの説明時にも触れましたが、日本のドライビング環境はストップ&ゴーが多く、ディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりも、さらにその効率性をいかんなく発揮できる一定速度以上での巡航状態を多用するという場面は限られています。したがい燃費の伸びも思ったより期待できません。

(3)これもHVのときにふれましたが日本の一般ドライバーの年間走行距離は平均5,000~6,000km程度です。10年乗っても50,000~60,000kmです。これだけの総走行距離では消費する燃料コスト差でガソリンエンジンとの車両価格差を埋められるか疑問です。

3.日本のメーカーではディーゼルエンジンの開発はなかなか進みません。ガソリンエンジンには世界中のメーカーが切磋琢磨しながら技術革新してきた成果が詰まっています。

日本のメーカーのガソリンエンジンも同様ですが、今のところ日本のメーカーの大半は今後ディーゼルエンジンの開発よりもHVやEVのモーター駆動関連部分の開発に研究開発費のかなりを割くでしょう。(日本一、自動車に研究開発費をかけられるトヨタですらディーゼルエンジンに関してはBMWと提携して外部調達する方針です。)

したがいHVはどんどん性能が良くなり、安くなっていくでしょうが、ディーゼルエンジンについてはEVやHVのようなペースで良くなったり安くなったりするとは思えません。

なおディーゼルエンジンは欧州ではガソリンエンジンと同じくらい普及しており、様々な車種があります。日本には正規輸入されていない車種でも、相当コアなクルマ・マニアなら平行輸入という手もあります。しかし費用的には圧倒的に高くつきます。

ちなみにディーゼルエンジンの魅力は私もよくわかっております。あの低速からガバッと立ち上がる豊かなトルクはドライバビリティ抜群です。

大抵のドライバーはエンジン回転数も4,000回転程度までしか回さないのでディーゼルエンジンの回転頭打ちは実質的に気にならないと思います。

しかし日本で乗る場合、経済合理性からみたらディーゼルエンジンを選ぶ意味はかなり低いと考えざるを得ないと思います。

また経済合理性だけでなく、日本のユーザーの間にはディーセルエンジンを振動・騒音が大きく、煤がでる車、仕事向き車であり、ガソリンエンジンの方が高級ではないかとイメージがいまだに根強いと思います。(実は現在のディーゼルエンジンについては、これらイメージの元になっているネガはかなり改善されてきているのですが。)

余談ですが、輸入車ではメルセデスベンツが一部車種でディーゼルエンジンを投入しています。BMWもSUVで導入すると報道されています。

しかしこれをみてこれからはディーゼルの時代だと思うのは早合点です。メルセデスがディーゼル車を販売している車種もBMWが導入を予定している車種も、いずれも同社の商品ラインナップの中でも高額なモデルばかりです。(車両本体価格に8,000~9,000千円もの大金を投じる顧客がどれだけいるでしょうか。)

つまりは割高なエンジンコストが目立たない高級モデルに限定されているわけです。そしてそれらの購買層は高い値段をはらってもディーゼルをあえて選ぶ、マーケティング用語でいうところのパイオニア層にすぎません。車に詳しい一部のスキ者が乗りはじめたからといって、幅広い一般フォロワー層に拡大するとはかぎりません。

もし万が一メルセデスやBMWが自社のC&Dセグメント(BクラスやCクラス、1シリーズや3シリーズ)で一定のディーゼル車のグレードを揃えてきたらかなり本気で普及をねらっているかもしれません。(それでもメルセデスやBMWですから車両本体価格は同クラスの日本車に比べて決して安くはありませんが。)

しかしこれらドイツの輸入車メーカーは日本市場におけるディーゼルの経済性、イメージをよくわかっていると思いますので、メリットは薄いと現在はみているでしょう。現時点でのディーゼルエンジンモデルの導入はあくまで念のための手探り状態か、環境イメージ向上と技術宣伝もかねたアドバルーンにすぎないと思います。

なおディーゼルエンジンによるHVはどうかというと、聡明なる読み手の方々であれば前回と今回の記事内容からおわかりのとおり、動力系としての純粋な評価はともかく、日本においてはマーケティング上、普及はもう全く難しいと思われます。

(つづく)

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