自動車の動力はまだまだガソリンエンジンで十分①VS.HV
今回は自動車選びにおける動力系の選択についてとりあげます。
結論からいいます。これからマイカーを買い換える方、あるいは新規購入される方、どんな動力系を選ぶべきかについてはまだまだガソリンエンジンで十分です。HVは将来、ガソリン車よりも選ぶべき選択肢として適切になる時期がやってきそうな予感はしますが、現時点ではまだまだです。またディーゼルエンジンは日本では普及の見通しは全くみえません。ましてEVとなると車両コストとインフラを考えるとお話になりません。
ではガソリンエンジン以外に現在市販されている色々な動力系について経済面を中心に簡単に触れてみたいと思います。
【HV】
HV(電気モーターとガソリンエンジンのハイブリッドカー)ですが、目先の燃費ばかり注目されますが、実態としてはガソリン車よりも割高なHVを購入して、その車両の価格差を、日々の燃料代の浮いた分の累計額で解消するのは容易ではありません。
ガソリン車とHVの両方をラインナップしているホンダ・フィットを例に試算してみました。
(Notes)
◆車両にかかわる数値はすべてカタログ記載値です。オプションは一切選んでおりません。
◆比較試算を簡易にするため諸費用・税金は除外しております。しかしHVの車両本体価格については取得税及び重量税の非課税分(エコカー減税)を控除してあります。
◆日本人の年間走行距離の平均は約5,000~6,000kmです。今回は平均ユーザーとして6,000kmのケースと、ヘビーユーザーとして20,000km(マイカーを仕事に使わない場合、このあたりが上限)にて試算しました。
◆ガソリン単価はレギュラー価格140円と設定しています。
◆金額単位は円です。
フィットは日本で登録者販売台数の1、2位を争うほどの量販車種です。ガソリン車、HVともに量産によるコストダウン効果は目一杯織り込まれていると想定します。
さて比較してみますと、HVはガソリン車との価格差337千円を回収するためには、平均的なユーザーの場合、335,700円÷8,469円=40年かかります。40年間フィット1台を乗り続けますが?非現実的ですよね。
ヘビーユーザーでは335,700円÷28,230円=12年となり、一見なんとか回収できそうですが、毎年20,000km乗るということは12年間で240,000kmです。フィット1台で240,000km乗りつぶせますか?非現実ですよね。
またユーザーのタイプにかかわらず、ガソリン車に比べてHVは乗っているうちにバッテリー廻りに関する修繕維持費が余計にかかる事態も予想されます。ガソリン車よりも修繕維持費がかかるようではもはや車両本体価格の差額回収は全く絶望的でしょう。
余談ですがHVはその構造からしてストップ&ゴーが多用される市街地走行にてその燃費効果をもっとも発揮します。一方で高速道路での巡航走行といったシーンでは電気モーターよりもガソリンエンジンの方が効率がよく、エンジンの方が多用されるため燃費はそれほど延びません。
ガソリンのコストメリットを沢山享受するためには年間走行距離をのばす乗り方が良いのですが、市街地走行だけでは距離が稼げず、高速道路の巡航走行にバンバン使うべきとなります。ところが今度はそうなると上述のとおり燃費は延びません。そしてどこを走るにしてもガソリンのコストメリットを沢山享受しようとして不必要に走行距離を重ねていてはガソリン代の絶対額が嵩んでしまいます。
(つづく)
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