自動車の動力はまだまだガソリンエンジンで十分③VS.EV、そしてまとめ
(前回からのつづきです。今回で完結です。)
【EV】
EV(電気自動車)は現状ではまだまだ航続可能距離が短いため、今のガソリンスタンドと同等以上の数の充填スタンドができないかぎり安心して乗れません。
もしそこまでインフラが整備される時代になれば相当な台数が販売、保有される状況になりますので技術革新に加えて量産効果もでてきて、航続可能距離の拡大、コストダウンも同時並行でかなり期待できます。
しかし現在の車両の性能やインフラ整備状況では現実的には一日50km前後の走行しかできませんので、原付以上ガソリン車未満であり、EV一台ですべてを賄うというのはとても非現実的です。ご近所用のセカンドカーとして購入、利用というのならわかりますが、その目的に供するだけであれば、とてつもない高価格です。
ちなみにEVが流行り始めると既存の自動車メーカーだけでなく、新規参入する事業者が多数出てくるという記事を見かけることがありますが、自動車マニアのWATANKOがみてもう全くナンセンスだと思います。
何万点もの部品で構成され、動的資質が非常に重要な自動車という工業製品を製造するということは、非自動車製造系の事業会社ではあまりにノウハウがなさすぎます。
さてこうしてガソリンエンジンについて、経済面からHV、ディーゼル、EVと比較してきましたが、現状ではやはりガソリンエンジンが優位と言えます。
マツダあたりはその辺のことが十分わかっており、あえてガソリンエンジンの開発に注力しています。(欧州向け輸出比率が高ので、同時にディーゼルエンジンにも力を入れていますが。)
一例としてガソリン車でも最近は燃費がかなり向上したモデルがマツダからでてきました。フィットと同じBセグメントに属するデミオです。フィットHVと比較してみましょう。
(Notes)
◆車両にかかわる数値はすべてカタログ記載値です。オプションは一切選んでおりません。
◆比較試算を簡易にするため諸費用・税金は除外しております。しかしHVの車両本体価格については取得税及び重量税の非課税分(エコカー減税)を控除してあります。
◆日本人の年間走行距離の平均は約5,000~6,000kmです。今回は平均ユーザーとして6,000kmのケースと、ヘビーユーザーとして20,000km(マイカーを仕事に使わない場合、このあたりが上限)にて試算しました。
◆ガソリン単価はレギュラー価格140円と設定しています。
◆金額単位は円です。
デミオの燃費はフィットHVとほとんど変わりません。したがい計算するまでもなく平均ユーザーでもヘビーユーザーでもよって車両本体価格の差額は事実上永久に埋まらないとみてよいでしょう。
ガソリンエンジンはこれまでの長い研究開発を経て、その効率(燃費と換言してもよい)をUPさせることは限界にきていると思われていました。それを打ちやぶるためにヨーロッパでは自動車の利用環境を踏まえてディーゼルの改良、日本では同様にHVという動力系に活路を見出しました。一方でそのことがガソリンエンジンの更なる発展を促したといえます。
マツダに続いてダイハツ(ミラ・イース)やスズキ(アルト エコ)もガソリン車の燃費向上モデルを出してきました。まあこれらはムリムリ感いっぱいの燃費志向のスペシャルモデルですが、各社とも当面30年くらいはガソリンエンジンの未来を悲観はしていないと思います。
最後の余談です。90年代半ば、ヨーロッパの高級車メーカー達は日本のトヨタがHVを一生懸命研究開発しているのをみて、「HVは繋ぎの技術、過渡的な動力系だ。我々は当面はディーゼルの性能向上でしのぐが、21世紀には燃料電池を搭載した真のエコカーを世に送り出すよ。」と自信たっぷりに語っていました。しかし燃料電池の開発はなかなか進まない一方で、HVが日本と米国で売れ始めると、ヨーロッパの高級車メーカー達は渋々か、あわててかはわかりませんが、自らもHVを開発、販売してきました。
HVについてはまだまだ改良・発展とローコスト化、燃費向上はすすむと思います。しかしHVにはガソリンエンジンが必要であります。そして電気モーターと一緒であろうがなかろうが、ガソリンエンジンの技術発展はまだまだ続くとWATANKOは考えています。
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