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2012年4月16日 (月)

金融庁の資料から投資信託の現状を深堀理解

いつも与太話の記事ばかりではブログの品位が下がる一方なので、今回はFP竹川美奈子氏のブログや著名個人投資家ブログの梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーで紹介された金融審議会「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」の資料について、投資信託の現状を深堀理解するためにとりあげてみたいと思います。

資料自体はこちらからどうぞ。

金融自由化以降の投信マーケットの状況と今後の課題
株式会社野村総合研究所 金融ITイノベーション研究部 金子 久

投資家目線で見た投資委託の現状と課題
LIFE MAP LLC 代表 竹川美奈子

上記の2件のレポートについて、WATANKOの注目点と所感をつづってみたいと思います。

先ずは「金融自由化以降の投信マーケットの状況と今後の課題」

以降の文章で頭についているのは資料の参照ページです。引用箇所についてはもっと文章をしっかり記述すればわかりやすいのですが、ブログ記事自体が長くなりすぎてしまうので引用記述は最小限にさせていただきました。リンク先のPDFをひととおりななめ読みしていただいてから拙記事を読んでいただけますと大変ありがたく。

◆P.4『「追加型株式投信」の残高を拡大させた要因』

資料説明の全体像がわかる一枚。これだけを見て内容が大凡わかる人は以降割愛してもよいですね。このようなエグゼクティブサマリーというか見取り図一枚が入っているだけで分析レポートってホントに理解度というか訴求力がUPします。

◆P.5からP.15にかけて「預貯金利子の低下」、「高齢者の増加」、「毎月分配型投信の拡大」、この3つを繋ぐキーワードは「分配金利回り」という名の幻想リターン(WATANKO注)という分析が続きます。

◆P.16『分配金の性格に関して正しく理解している投資家は少ない』

アンケート調査の結果、『「支払われた額だけ基準価額が下がる」と理解している人は少ない(17.4%)』とあります。この点については既出の各種レポートでも触れられていますので今更感あります。

むしろ、一方で『「成績によって変動する」が83.2%』と高い理解度を示していることを、どう解釈すべきかなとちょっと考えました。うーん、例えばおじいさん達は「分配金が変動しない⇒よって成績も変動(悪化)していない(はず)」とでも解釈しているのでしょうか。成績が変動(悪化)するのであれば、同じ金額の分配金がなぜ出せるのだろうか。その原資はどこにあるのだろうとかとちょっと考えてほしいと思います。

◆P.25『信託報酬が上昇している一方で、投信会社にとって公募投信の約8割は赤字』
『投信会社が投信1ファンドを運営するのに必要なコストは約4,240万円/年』
『年間4,240万円を上回る運用報酬を上げているファンドは2割に満たない。』

ここには非常に興味深い事実が数値とともに書かれています。

ここでは例えばコストの内訳はどうなのかについても興味が湧いてきます。仮にトータルコストの7割が人件費とすれば2,968万円/年です。1時間あたりのマンナワーコストを1万円/時と仮置きすれば年間2,968時間分です。一人2,000時間/年とすれば1.5人分の年間人件費でしょうか。

ひとつの投信の損益分岐となる1.5人年分の費用ですら賄えていない投信が8割とは。
もちろん上記試算の前提はWATANKOの勝手な設定ですが、これをもとにある仮説が思いうかびます。

これについては次々回あたりにでも記事に致したく、今回はちょっとスキップします。

◆P.29『確定拠出年金(DC)向け投信の残高は2兆円に過ぎない』
次のP.30の解説も含めて「まあそうだろうなあ」という印象。WATANKOの勤務先でも確定拠出型年金を導入していますが、元経理部長でも全額分について3年型定期預金を選択しているくらいですから。

ちなみにP.31には私が保有する以下の2つのパッシブ運用ファンドと1つのバランスファンドも含まれています。

*DCダイワ外国債券インデックス
*野村外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(確定拠出年金向け)
*三菱UFJプライムバランス(成長型)(確定拠出年金)

◆P.38『投資家は市場のトレンドに左右されやすく、そのために投資家リターンが低くなっている』『相場の上昇と共に購入額が増え、結果として投信の購入額は相場のピーク時に集中することがある。』

報告のデータによると国内株式一般においてファンドに対する個人投資家の負けっぷりは相当なものです。ベンチマークに対してプロですらいいとこ五分の戦果なのですからアマが負けるのは必定だとは思いますが、ここまで開きがあるのかと驚きました。つまるところタイミングの点でババ引いたわけですが、情報入手も行動のタイミングも遅れをとる個人投資家の限界を垣間見た気がします。(大げさ?)
米国でも同様の傾向なのがせめてもの慰めでしょうか。

◆P.40~42 政策的支援、販売業者の対応、運用会社の対応の3つの切り口から提言がまとめられていますが、ここに付け加えるべき切り口とすれば「投資家自身の心構え」でしょうか。

僭越ながら素人のWATANKOがひとつだけ言うとすれば、「図書やWebサイトでよいから投資信託の基本的特徴を十分理解する」につきると思います。
図書は図書館で借りても良いし、PCがあればWebサイトからいくらでも情報が入手できます。かかるのはPCの償却費と僅かばかりの電気代・通信費だけです。やはり自分のカネは自分で守らなければなりませんね。

(長くなったので竹川氏の報告については次回に取り上げます。)

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