「元本払い戻し8割」記事について触れておきたい
既にいくつかの個人投資家ブログで取り上げられているネタですが、遅まきながらWATANKOもやっぱりひとこと言っておきたいので今回取り上げます。
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毎週水曜日の日経には「M&I 資産運用と生活設計 クローズアップ」というマネー記事が掲載されており、「大機小機」と並んでWATANKOは欠かさず読んでいます。
先週はというと「またこれか」の感が強かったですが、「元本払い戻し8割」という毎月分配型投信の甚だしい現状を取り上げた記事がありました。
このブログにお越しになる方の多くは日経をお読みでしょうから詳しい内容は割愛しますが、この記事を読んでWATANKOとしては毎月分配型投信に対する従前からの主張を再掲せずにはおりません。
①お金を運用して増やしてもらうために預けたのに、預けた端から返してもらうとは、毎月分配型購入者は一体何がしたいのか。矛盾した投資行動に思える。
②リタイア組にとっては元本取り崩しも兼ねた運用として毎月分配型投信を購入する意義があるとの意見もあるが、そもそも資金が必要な時に必要な分だけ売却すればよい。
③かかるコストがインデックス投信などよりも高く、無分配型投信よりも運用益を向上させる面において最初から相対的に不利である。
④特別分配金には税金がかからないが、信託報酬はしっかりとられている。また元本を返してもらうだけなのに、基準価額下落のリスクに不必要に晒してしまう。
⑤リスク資産と安全資産とのバランスとりは毎月分配ではなく、そもそもリスク資産への投資額の調整にて行えばシンプルで確実である。
そういえば以前投資信託の見直しの記事が日経一面でとりあげられた時、欧米の投信は分配金の原資を運用益に限定している現状が紹介されていたことを思い出しました。
やっぱり日本の投資信託も分配金の原資は運用益に限定すべきではないでしょうか。そうすると、
投資信託の分配金は(毎月だろうが年1回だろうが)運用結果によって変動する。分配金がでない時もあります。
⇒運用益を出す商品(=売れる商品)にするためには投資対象の精査だけでなく運用コストを抑えたり、運用効率を追求する必要があります。
⇒一方で毎月分配型投信はコストがかかり非効率なため運用益があがりません。したがい分配金もより不安定になり顧客から嫌気され廃れてしまうかもしれません。
またコスト競争力の強化が求められる等の変化が起きる一方で運用会社、ファンドマネージャーの本来の運用力がこれまでよりもっと露骨に試されることになります。
そうなると運用会社/ファンドマネージャー達のガチンコ実力勝負となります。運用会社にとって戦国時代の幕開けかもしれません。
投資信託はいかにコストをおさえつつ、運用益を上げる商品を開発し、維持し続けるか。そのような商品が成立するのであればアクティブ運用商品であっても吟味してみるかなという気もおきるというものです。
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