マイカー回顧録その1 トヨタ コロナクーペ(ST162)
これから自動車テーマとして月1ペースでWATANKO家のマイカーについての思い出を取り上げたいと思います。当時の世相やその車から学んだことなどにもふれたいと思います。
第1回目はWATANKOの初めての愛車です。
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■あの当時
1980年代後半。バブル経済でどこもイケイケだった時代。免許をとりたての大学生WATANKOは自宅のマイカー買い替えの機会をとらえて「月刊自家用車」を穴のあくほど眺めて当時の国産登録車 約90車種の概要を頭にたたきこみ、その中から1台の候補を選びました。
■プロファイル
トヨタのミドルクラス2ドアクーペ。コロナの2ドアハードトップが由来ですが1985年のFMC時に名称がコロナクーペに変わりました。セリカ、カリーナEDと兄弟車種になります。排気量は1.8L~2.0L。MCで燃費とパワーのバランスがとれた実用ツインカムエンジンである「ハイメカツインカム」を搭載しました。しかし残念ながら兄弟2車種と比べて販売は不振。(もともと2ドアは台数がでないところへきて当時はプレリュード、シルビアという人気モデルに圧倒的に押されていた。)カリーナEDのヒットを踏まえて1989年FMCではEDと同じく4ドアハードトップ化されました。
■インプレッション
WATANKO家に来たのはMC後の1988年式2Lのハイメカツインカムを搭載したVXグレードで5MT、ボディカラーはダークブルーマイカ(メタリック)でした。当時トヨタで流行っていたデジタルメーターやサンルーフ、普及し始めたCDドライブもオプションとして装備していました。
走りはいたって特徴のないFF車のそれです。良くいえば安定していて運転しやすい。悪く言えばフロントヘビーが目立ち、慣れてくると面白みに欠ける。エンジンは低速トルクはまああるけれど、6,000回転程度で頭打ちです。
高速道路で飛ばすとフロントが浮き気味になるのはわかりちょっと怖かったですが、当時のアコードやブルーバードなど他のメジャーなFF車はみんなそんな感じでした。飛ばすとなくなるフロントの設置感。カーブでもアンダーは強めでよっこらしょと曲がる感じです。雨がひどい時にはハイドロプレーニング現象もよく体験しました。
ではなぜこの車を選んだかというとボディスタイルがえらく気にいったからです。流麗で濃いボディカラーが良く似合う艶のあるスタイルでした。
参照サイトはこちらです。
■カーライフ
なにせ免許をとって乗り始めた車でしたので運転自体が楽しかったです。乗りはじめた初日から都心を抜けて80km先までドライブに行き親父に怒られました。その後も大学のサークル活動や高校時代の友達との外出、ガールフレンドとのデートなどでガンガン乗り回しました。免許をとって最初に乗った車がMTでしたので以降もMTに対する抵抗はありません。
当時はカーナビもなく、見知らぬ場所にいく場合は交差点で止まる度に地図をクイックチェックすることが頻発していましたがおかげで東京、神奈川、茨城、千葉の道路にはまあまあ詳しくなったりしたものです。
2年5ヵ月で走行距離45,000km。年換算およそ19,000kmです。ほとんど週末しか乗らなくてこの走行距離です。日本人の平均は5,000~6,000kmですからいかに週末にガンガン乗り廻していたか御察しできるかと思います。
また当時初心者だったので前後ともバンパーをよく擦りました。(いいわけさせてもらえればデザイン重視であり初心者にはボディの4隅の見切りが悪かった。←運転下手糞といわれればそれまでですが。)
■うんちく
車に興味はないけれど保有と運転が必要な人は豪雪地域に住んでいなければFFを選んでおけばまず間違いありません。FFは他の駆動方式にくらべてパワートレーンがコンパクトにおさまるために以下のメリットがあります。
①スペース効率が良い。(キャビンを広くとれる。)
②コストを抑えて作ることができる(車両価格が安い)
③車両重量を軽く作ることができる(燃費が良くなる)
④駆動輪に近いので駆動効率がよい(燃費が良くなる)
⑤エンジンの下に駆動輪があるので安定している(運転がしやすい)
⑥フロントヘビーなので安定している(リアカーと同じ。運転がしやすい。)
⑦運転には前輪に神経を9割方むけていれば良い(運転が楽である)
特に自動車のサイズが小さいほど上記のメリットが効いてきます。
ある種の合理性をもって自動車製造を考えたときFFは理想的です。その始祖となるメーカーの代表例はおそらくシトロエンであり、モデルでみれば60年代と70年代にそれぞれ横置きエンジンによるFFで小型車に革命をもたらしたミニとVWゴルフです。
一方、機械の設計・製造には、そこにコストも絡みながら大抵トレードオフな関係が処々存在しているため当然ながらFFにもデメリットがありますが、自動車に興味がない人にはどうでも良いことかもしれません。彼らにとっては自動車は安くて広くてアクセサリーが割安にたくさん付いていて燃費が良ければ十分でしょう。
WATANKOはというとただ安直に廉価に作られたFFであれば買う価値がないとバッサリ切り捨てますが、理想主義のもとにパッケージを突き詰めて作られたFFであれば今でもセカンドカーとして一台所有することに抵抗ありません。
■あとがきにかえて
コロナクーペは最初の車検を待たずに手放してしまいましたが、2年5カ月をあっというまに走り抜けた最初の愛車でした。
最後は次の愛車購入のために900千円で下取りに出しました。不人気車であり、かつ年式の割には走行距離も多かったためあまり高い下取り額とはいえませんでした。
WATANKOのカーライフの若葉マーク時代を過ごしたこのクルマ。今となってははじめて交際した女性のようなノスタルジーを感じます。
そしてこの時以来、自分のカーライフの終末にて傍らに置きたい愛車は2ドアクーペであることをはっきりと意識しました。最後に手元に置いておきたい車は家族のためではなく自分自身にとっての1台なのです。
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