特別分配金から元本払戻金へ表記追加でどう変わる?
【6月8日終値ベース運用状況速報】
・投資元本総額 52,184千円
・評価損益 ▲3,549千円
(分配金込み)
・損益率 ▲6.8%
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既に個人投資家ブログのいくつかでとりあげられていますが、6月から投資信託の「特別分配金」について表記が変わったとのことです。いや正確に言えば表記に追記が入ったというべきでしょうか。
変更前)特別分配金
変更後)元本払戻金(特別分配金)
「特別分配金」というのは税法上規定された用語で削除できないらしいので残っています。用語ひとつ変更するのにわざわざ税改正するというのも費用対効果があわないでしょうから仕方ありませんね。せめて変更後の名称を「特別分配金(元本払戻金)」としなかったあたりに投信業界のささやかなる良識を感じとります。
今回の表記変更そのものについてはこれで「名は体をあらわす」ことになり、納得のいく話だと思います。
そこでWATANKOは今回の名称変更によるシナリオを以下のとおり考えてみました。
<シナリオA>
「ふ~ん、名称が変わったの。で、それはともかく今度の毎月分配型の新商品の分配金はいかほど?」と顧客は全く意にかえさない態度。
相変わらず分配金の詳細を理解していないまま、関心のほとんどは分配金の金額であり、したがって購入・保有の態度を変えない顧客。
あるいは詳細は理解しており納得の上で購入・保有を続けており、名称が変わったくらいで今更態度を変えるわけでもない顧客。これら顧客が大半であり、何も変わらない。
<シナリオB>
今回の変更により、顧客が「ナヌ、元本払い戻しなのか」と特別分配金の正体にようやく気が付き、正しい理解のもと「元本払戻金(特別分配金)」を出す投信について購入・保有のスタンスを見直すきっかけとなる。
シナリオBの場合でも、たかだか名称ひとつが変わっただけで商品に対する正しい理解が急速に高まるというのは、つまり裏返せば今まで分配金の仕組みについて詳細が記載された媒体をロクに読まず、理解不十分なままに投信買っていたということがバレバレということです。
たかが名称ひとつが変わってようやく気が付くなんて、それまで自分はお粗末でしたと公言しているようなものではないでしょうか。
資料に「特別分配金」と表記されていようが、「元本払戻金」と表記されていようが、関連する詳細事項についてきちんと読んで内容理解していれば今回の変更にかかわらず投信の購入・保有について正確な理解のもとに判断を下せてきたはずです。
だから今回の変更でシナリオBの事例が沢山発生しても、一方でちょっとため息をつきたくなるところもあります。
◆あとがきにかえて
どうせやるなら以前の記事でも述べましたが特別分配金を出さないように規制・指導する方をやってほしいですね。
分配金の原資は配当やクーポン、譲渡益等に限定される。運用会社は良い成績を出すためにコストにも気を配らなければならなくなる。そうして品質とコストのバランスのとれた商品へと(アクティブ)投資信託が洗練されていくことを望んでいます。
品質とコストのバランスのとれた商品開発をするなんて消費財メーカーからみれば当たり前の話ではないでしょうか。
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