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2012年6月22日 (金)

残り続けた者のプライド、出戻った者のプライド

伝統がある一定規模の日系企業の場合、一度そこを辞めたら同じ正社員として復帰できる道は皆無に等しいというのが一昔前までの不文律であったように記憶しています。よくて元いた会社の関係会社に入るというのがせいぜいのパターン。これはふた昔以上前の「女性は結婚、妊娠したら退職」などよりもはるかに強固な不文律であったように記憶しています。

この不文律、まだまだ根強いかもしれませんが、感覚的には1990年代末期ごろから少しずつ崩れてきたように思えます。WATANKOの周辺の事例からしてそれは特殊な職種・業界にある企業から始まってきたようです。そのような企業の従業員は転職市場において流動性が乏しい一方、当該企業の側にも中途採用で他業種・他業界から即戦力を確保することがなかなか思うようには進められないという双方の事情があります。

WATANKOの勤務先も一応なんですが「伝統がある一定規模の日系企業」であり、一方で「特殊な職種・業界にある企業」です。1997年のアジア危機のころから業績が大きく傾き、給与カットやリストラの嵐が吹き荒れました。リストラの中には自ら勤務先の将来に見切りをつけて進んで辞めていったものも少なからずいます。

しかししばらくたつと業績が持ち直し、忙しくなって今度は人手不足の大受難です。なりふりかまっていられない勤務先は冒頭にあった不文律をも破り、一度やめた正社員を再雇用して、同期で残り続けた正社員と同じ処遇を与えました。再雇用者の数は一桁レベルの話ではありません。数十人~100人超の規模です。

こうなると職場のそこかしこで新卒同期でずっと企業に残ってきたFさん、出戻りのPさんが机を並べて同じ仕事することなど珍しくなくなりました。さて二人は如何なる胸中でしょうか。

Fさん

「自分はこの企業でずっとキャリアを積んできた。ブランクがあるPに負けるわけにはいかない。しかし自分とPとが能力・成果において競っていてどちらが優秀か判別が難しい事態の時、業績が苦しい時にも残ってくれたことを理由に企業が自分を評価することはやめてほしい。自分は実力でもってPに対して明確な差をつけてみせる。それができない時点で私の負けだ。」

Pさん

「自分は出戻りだ。廻りからは好奇の目でみられ、どこか冷たく扱われるかもしれない。しかし自らの意志で一度やめたのでこれも自己責任だ。泣き言は言わない。ハンデは承知。出戻りを理由に残っていた同期とくらべて昇格やポストで劣後しても甘んじてうける。クサらない。再雇用してくれた会社に感謝しつつ、プロフェッショナルとして企業に再雇用した甲斐があったと思わせるくらいに頑張りたい。」

FさんはPさんを普段から出戻りを理由に冷たく扱ったりしないでしょう。Pさんは卑屈にならずに謙虚さをもちつつ振る舞うでしょう。そして二人ともそれでもお互いをどこか意識しながら今後とも仕事に真摯に取り組むでしょう。

Fさん、Pさんともにこのように考え、行動するのであれば企業は二人に対して残り続けた/出戻ったを理由に評価に差をつけることはやめてほしいです。堂々と実力で競わせる機会を与え続けてほしいです。

残り続けた者が持つプライド、出戻った者が持つプライド。企業はそれそれのプライドをくみ取るべきでしょう。これらプライドの総和が企業全体のモチベーションを醸成していくのですから。

そしてまた企業は気がつき感謝すべきです。Fさんのような人材は自社に残り続けていてくれたこと、Pさんのような人材がまた自社に戻ってきてくれたことに対して。

◆オマケ話

90年代末期のロスジェネ、あるいはそれ以降の21世紀就職組の若手・中堅ビジネスマンの中には就職氷河期であったせいか、どこか不本意な企業に勤めている方々もいることでしょう。そのせいからか中には自らのことを社畜、社畜と揶揄するケースを時折みかけます。

ジョークであることは承知していますが、そんな企業に勤めざるを得ない自分を卑下するくらいなら仕事帰りに立ち飲み屋で今日の反省と明日の挽回を反芻してはどうでしょうか。

「今日のアレ、上手くいったがアノのところはチトまずかったか。明日はこうしてみっか。」などと考えていると私なら社畜なんて言葉は自分の語彙として浮かんではきませんが。

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