キーンルックか絶壁ルックか
【9月4日終値ベース運用状況速報】
・投資元本総額 52,704千円
・評価損益 ▲1,500千円
(分配金込み)
・損益率 ▲2.8%
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トヨタはこの度FMCした新型オーリスでキーンルックと呼ばれるフロントデザインを導入し、今後このデザインをグローバル展開する車種に導入していくとのこと。
そういえば先日FMCしたカローラエクシオもおとなし目のキーンルックと言えなくもないフロントデザインでした。
ところで車のフロントデザインを語る際に、ここ20年続いたトレンドを作ったメルセデス・ベンツの話というのは案外語られていません。
メルセデス・ベンツの自動車メーカーとしての哲学だとか技術だとか高尚な方面でのうんちくはもうさんざんと言われていますが、ここではデザイン・リーダーとしての秀逸さについて指摘したいと思います。
メルセデス・ベンツが興す新しいデザインは多くのフォロワーを生んでいます。極めて代表的な例をあげるとすれば、1984年にデビューしたW124にて採用されたトランクリッドを左右に斜めにカットするデザインです。これによりボディ剛性の確保と荷物の出し入れ易さという二律背反についての優れた妥協点を世界に提示しました。
以降、もう他社が節操無く真似るのなんのって、あっと言う間にリアトランクデザインのデファクトスタンダートになってしまいました。
上記は自動車雑誌が時折語るエピソードでありますが、さらにWATANKOとして指摘したいデザインがもう一つあります。それはお顔、フロントマスクのデザインです。
1980年代末までの車のフロントデザインとは古今東西問わず、真ん中にメーカーのエンブレムをいただいたグリルのすぐ両脇にヘッドライトを水平に配置するデザインでした。グリルやヘッドライドのデザインの違いことあれ基本は皆同じです。
ところが1989年にメルセデス・ベンツが発表したR129ではグリルとヘッドライトの間にボンネットから延びてきたようなプレスラインが差し込まれ、グリルとヘッドライトを各々独立したデザインとしました。この結果グリルとヘッドライトのデザインの自由度を大いに高めました。
これまた他社が真似するところとなり、特に日本車においては90年代にFMCした車はまことに節操無く皆このデザインを採りました。当時WATANKOは「ああ、またベンツの真似っこデザインだ」と頻繁に感じた記憶があります。
メルセデス・ベンツというメーカーは決してデザインコンシャス志向ではなく、むしろ無骨で融通が聞かない唯我独尊な印象が強いですが、実際にはデザイン面で世界のトレンドプランナーであるという一面は見逃せない事実です。
それから20余年が過ぎ、今般日本デビューしたR231のフロントデザインもまた斬新でした。サイドからみてグリルが垂直に切り立っているというフロントデザインの絶壁ルック(サイドからみて切りたった大きなグリル)やヘッドライト上部のポジショニングライトの大型化(ほとんど瞼のようです)による押し出しの強調です。そこには2010年代中盤からはやりそうなトレンドがちりばめられていました。
日本車ではこの秋FMCするアテンザにてフロントに絶壁ルックが採られています。(さすが欧州マーケットに敏感なマツダ)
はたしてこれからキーンルック(トヨタ)と絶壁ルック(メルセデス・ベンツ)のどちらが流行っていくのか。いくら沢山の車を生産、販売しても憧れやリスペクトが伴っていないメーカーのデザインは支持されません。
この2社以外にも、一時期、デザイン出身の副社長が頻繁にメディアにとりあげられていてデザイン・コンシャスなイメージを打ち出していた日産あたりにも期待したいところです。
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