TV番組にみる自動車文化の成熟度
【10月11日終値ベース運用状況速報】
・投資元本総額 53,054千円
・評価損益 ▲620千円
(分配金込み)
・損益率 ▲1.2%
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BSフジで今年4月から放送している英国BBCの自動車に関するTV番組「Top Gear」が抜群に面白いです。紹介サイトはこちらです。
この番組自体は1977年から続く長寿番組であり、現在は3人のMCによる新車の比較試乗、有名人によるサーキットタイムアタック、話題の車と自転車や電車、スキーヤー等との移動手段の異種間競争。耐久レースにプライベート出場、そのほか車を改造・破壊したりとハチャメチャで様々な企画が満載です。
また英国のカントリーロードを疾走する車の映像が素晴らしく、ちょっとしたプロモーション映像の域になっています。なんでも企画ロケのあとに、走行シーンや情景を再度撮影し、映像を再構成しているとのこと。
WATANKOは8月になってこの番組の日本での放送を知り、以降毎週欠かさず録画して見ています。自動車に特段の興味が無い普通の人が観てもそれなりに面白いですが、特に自動車マニアがみればその企画の絶妙さ、MCのトークや解説ナレーションがウィットニー、ユーモラスに富んでいるところがしっかりと伝わると思います。
たとえばBMW M3とプリウスが燃費競争をする企画。なんと勝つのはM3。理由は競争の条件が高速走行にあることでした。高速走行ではプリウスの燃費はガタ落ちです。
「燃費なんて車の運転次第でかわるものさ。今の時代、燃費重視を金科玉条として走りがつまらないプリウスを選ぶなんておろかな選択だ」という、自動車好きにむけた番組からのメッセージが伝わってくる企画です。
さて翻ってみると日本ではどうでしょう。WATANKOが記憶にある自動車番組としては、カーグラフィックTV(CGTV)があります。日本でおそらく一番メジャーな自動車雑誌カーグラフィックのTV版であり、国内外の話題の車の紹介をメインとしている番組です。
映像はTop Gear程迄とはいかないですがまずます綺麗ですし、そこはかとなく上品さが漂い、ジェントルマンな番組に仕上がっています。
しかしCGTVは自動車番組としては話題の車の紹介の域を超えた内容とまではいかず、番組全体があたりさわりのない仕立てになっているように思えます。
それにくらべてTop Gaerではメーカーに遠慮することなく自動車をこきおろしたり、有名人のドライブ技量をさらけ出したりしています。例えば日本でなら自動車番組でトヨタやホンダの車を正面からこきおろしたり、嵐のメンバーで誰が一番運転が上手いかなどという企画(一方で下手くそな奴がわかる)を特集するようなものです。
そんなことをすればTV局に対してメーカーは宣伝出稿を取りやめたり、ジャニーズは自社のタレントをすべて引き上げる等の圧力をかけてくるでしょう。
Top Gearでも同様の圧力があるのかもしれません。しかしながらそれをはねのけて?日本の番組ではなしえないような企画がバンバンでてきています。英国ではジャーナリズムというものが経済活動原理(カネをくれるところには逆らわない。)とは切り離れて、その独立した存在価値を認められたものであることが根底にあるのでしょうか。
自動車関連の娯楽番組ひとつみても、その根底に流れる日本と海外の文化・原理の違いを垣間見ることがあります。
たかが自動車を取り上げた娯楽番組の日英比較をしてそこまで論じるのは大げさかもしれませんが、Top Gearに象徴される英国の自動車文化の豊かさというかその成熟度に、日本人としてある種の羨ましさを感じずにはいられません。
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