解体撤去の日に思うこと
【11月28日終値ベース運用状況速報】
・投資元本総額 53,304千円
・評価損益 2,513千円
(分配金込み)
・損益率 4.7%
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以前から記事にあげているとおり、WATANKOは親から引き継いだ戸建て賃借屋5軒を利用してつつましやかな賃貸業を行っていました。
しかしながら物件は築40年を越え老朽化が酷くなってきたこと、入居者が高齢となるにつれ色々なリスクが増えてきたことなどを理由にこの5軒を使った賃貸業を廃業とすることにしました。5軒のうち2軒は数年前に入居者が退去し空き家になっていたので、2010年から2011年にかけて残り3軒の入居者にも退去いただきました。
その後、敷地内の測量を行い、解体撤去後の土地活用をプランニングしてきました。しかしながら土地活用については最終結論は出ず、暫定案として更地にしたあと、すぐ近くの大型商業施設のテナントの従業員向け駐車場として貸し出しだすことを目論んでいますが、未だ貸し手も決まらない状態です。
そんな状況ですが、このまま廃屋5軒を残したままですとだれかが不法占拠したり、いたずらにあったりと物騒なので、とりあえず廃屋を解体撤去することにしました。
見積もりをとり現場打ち合わせを何度か行い、敷地内に設けてあった共同ゴミ捨て場につき廃止届けを市役所に提出し、同じく敷地内にあった東京電力の電柱を撤去するよう依頼、打ち合わせたりとこまごまとしたことを行ってきました。また母名義の資産であったため工事契約のためにWATANKOが母の成年後見人となる手続きも行いました。
そうしてやっと解体撤去の工事着工にまでこぎ着けることができました。
晩秋の晴れた日、敷地内は養生され、重機が入り込みはじめます。
バリバリバリバリバリ・・・・人が住んでいた跡が壊されていきます。
2週間もしないうちに解体撤去工事はおわり、5軒の廃屋はあとかたもなくなりました。
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この賃借屋5軒の総収益はどうであったか。昭和45年頃新築したときは1軒10坪で建築費が1,000千円ほどと伝聞しています。
WATANKOが廃業を決めるまでのほぼ40年間、記憶の限りでは空室だった期間はありません。家賃は平均およそ月35千円。年間420千円です。これによる表面利回りは42%です。40年間にかかった税金費用、修繕費・設備更新費などはわかりませんがそれらを差し引き、さらにCPIの推移(インフレ)を加味したとしてもかなり高い利回りだったのではないでしょうか。
昔は建築基準も甘く、標準的な設備・品質も貧弱であったため新築の坪単価も安かったです。くわえて高度成長期と核家族化の進行により住宅需要が旺盛であったので収益も安定していたことがうかがい知れます。(WATANKOは親から「賃貸屋に空きがでても国道に手作りの募集看板を出すだけですぐに借り手が見つかった」とよく聞きました。)
翻って今はどうでしょう。
法規制の厳格化、入居者の贅沢志向により建築コストが上昇し、一方で高齢化と不況による収入減により賃貸業の収益リスクは増しています。(今やWATANKOが住む街でも高年式の物件ですら入居時に礼金はほとんど取れないのが実態です。)
かような中、今後は不動産投資の形態についてはアパート運営に集中してしまうと危ういと感じます。商業店舗、駐車場、さらには更地だけといった色々な賃貸の形態を織り交ぜることにより、特定の形態のデメリットの影響を抑制する方向にもっていくべきだと思います。
今回、廃屋を解体撤去した土地も、冒頭触れたとおり今後の利用は未定です。アパートを新築するにしても慎重な決断が必要と考えています。
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