シルバー人材センターの「部長さん」
今日は雑誌記事などで日頃紹介されている話題について、実際に目の当たりにしたという話です。
WATANKOは所有する不動産(敷地)の草刈りや剪定を地元のシルバー人材センターに依頼しています。毎年、草木がのびる夏になると依頼を行い、多い時には1箇所につき1シーズンで2回依頼することもあります。1回あたり数万円の出費となります。もうかれこれ10年近く毎年依頼をしています。(当然ながら確定申告で損金算入処理)
ところがここ2、3年ある変化を感じ取っています。それは値段が上がっていることと連絡、段取りに不備が目立っていることです。
草刈りや剪定を依頼するのは毎年同じ敷地なので、サービス単価の改定(値上げ)がなければ、かかる費用は変わらないはずですが、なぜか年々少しづつ上昇しています。
具体的には以前は1カ所あたり25千円程度だった作業料がここ1、2年は35千円程度にあがっています。つぶさにみると単価は変わらず工数が増えています。つまりは作業量トータルが変わらないとすれば一人一日あたりの労働生産性が落ちているため、例えば従来4工数で済んだ作業が6工数かかっているということになります。
また作業対象や内容について作業者が迷わないように私から詳細を紙に書いてセンターに提出、説明しています。ところが最近はいざ作業当日になって作業者が「詳しい作業内容は何も聞いていない」と言い出したり、説明したはずの作業内容についてまたイチから問い合わせをかけてきたりします。(センターは作業に先立ち見積を作成するために現場を訪れて詳細確認しているはずです。)さらには事前に伝えておいた現場の周囲に対する注意事項も作業者の頭に入っていなかったりして迷惑がかかることもしばしばです。
なんだかシルバー人材センターも頼みにくくなったなあという印象を強めた昨今、同じくセンターに草刈り作業を依頼している近所の人やセンターで働く事務方や古くからいる作業員の方に話を伺う機会がありました。それらの話を総合すると以下傾向がわかりました。
1)近年、職をもとめてセンターに作業者登録する高齢者が増えている。彼らの中にはもとは立派なサラリーマンでそれなりの「部長」だとか肩書をもった人たちが少なくない。
2)彼らは作業にかかってもすぐに休みたがったり、作業を勝手に早く切りあげてしまったりする。(WATANKO注:それが作業にかかる工数を膨らませている原因か?)また依頼主からの指示をしっかりと守らなかったりするいい加減な面も時折みられる。
デスクワークからの仕事替えとしては、草刈りや剪定は見た目よりもしんどいですし(私自身も何度も作業経験あり)根性入れてやらないと生産性はあがらないでしょう。(特に夏場の作業は熱中症と隣り合わせの危険あります。)
3)センターの事務方としては、このようななにかと仕事を軽んじがる彼らに「今までの肩書を捨ててください、ここからがスタートですよ。」と何度も口酸っぱく説いているがなかなか改善しない。長年染み付いた性根はなかなか改善しない。
4)依頼主の中には上記の実態をみて、見積もられた工数を厳しく査定して事前にセンターにクレーム&ネゴする人もいる(ex.「この作業に○工数は多い。○マイナス△工数でやれるはずだ。」)
5)サラリーマンから転身した人たちがこうしてサービスの品質を落としているため、センター全体に対する評判が悪くなり、従来から登録して作業受託している(腰が低くく、真面目にきちんと仕事をこなす)ベテラン作業者までもが迷惑を被っている。
不況のあおりでサラリーマンがそれまで転身してこないような仕事場にも流れ込んでいる現実、サラリーマンが前職のプライドを捨てきれず、新しい仕事のプロになりきれていない様子を垣間見ました。(そういえばタクシーや介護の業界でも身近に同じような事例を聞いたことがあります。)
彼らは飯を食っていくために仕事を選んではいられないはずの人達ですが、どこか現実を甘くみているような気がしてなりません。シルバー人材センターに「部長さん」は要りません。求められるのは暑い中、困っている依頼主のために懸命に作業をやっていただく方だけなのです。
(自分の乏しい才覚を棚に上げて、かつ上から目線の話になってしまいました。不快に思われた方もいましたらお詫びいたします。)
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