(続)親の介護と終末にかけるお金
(前回からの続きです)
前回は主に親の介護に向けた備えについて触れました。今回は残酷な「終末」のテーゼに話を移しましょう。
親の介護について事前に親と対話をすべしと前回述べましたが、これは突き詰めていけば親の終末における扱いをどうしてほしいかということについての対話にもつながります。
ここで能書きばかりでなくWATANKO家の実例をあげたいと思います。
WATNAKOの父は介護老人保健施設とその隣接の病院にあわせて26か月入居・入院後に亡くなりました。その後、母が有料老人介護施設または病院に入居・入院して現在、既に68か月を過ぎています。
父の入居・入院の費用、換言すれば介護と終末にかかった費用は26カ月の合計で概算5,200千円です。母の方はというと施設の入居費用、骨折した時の病院の入院費・手術費、施設入居前の自宅のバリアフリー改装費やヘルパー費用など合わせて概算16,000千円です。
母の場合は通常の生活を送っていれば少なく見積もっても100千円/月の生活出費がかかったと想定できますので、68か月分である6,800千円を控除するとNETの介護費用は9,200千円となります。
つまり父母あわせてこれまでかかった介護費用合計は通算94か月で14,400千円となります。
そして母については、まだ出費が完結したわけではありません。
その母ですが、今般、自己免疫低下によって生じた重度の皮膚病のため介護施設を一時退出して隣市の病院に入院しました。入院前は食事や水分も思うようにとれず日に日に弱っていく様子でした。
しかしながら入院したとしても、これまでの経験から身体の状態が好転するとは思えません。おそらく母には自身の終末が近づいているのかもしれません。
ここで病院に一体どれほどの治療をお願いすべきでしょうか。
WATANKOのテーゼは決まっています。
しかしここに至るまではWATANKO自身の中では長いこと葛藤がありました。
親がまだ意思疎通ができる内に十分な対話ができていればそれもまた違ったかもしれません。
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この駄ブログをご覧になっている皆さんは、このような事態の時に自分の親の終末にどれだけのお金をかける気があるのでしょうか。
その答えは、その時点での親の資産残高や自身の資産状況に左右されるかもしれません。もしそのどちらも十分でなければ、さらには自身の蓄財方針によっては選択肢が自然と狭まることになるでしょう。
またはお金が十分な場合はどうでしょう。とにかく治療費を投入して延命措置を施すでしょうか。
昔であればモノが食べられなくなったら、呼吸ができなくなったら人間お終いでしたが、今では延命手段はいろいろと講じることができます。
あとはどこまで続けるか、どこで止めるか。お金と精神をギリギリすり減らすところまで突っ込むか。
これら手段は介護の時と同様に、場合によっては子供世帯の家計に対しても甚大な影響をあたえる事象です。
親の終末についてかけるお金に関して事前に明確な答えをだすことができた親子は、少しだけ幸せかもしれません。
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コメント
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これまた難しい問題ですな~・・・
自分と子供で精一杯な零細企業勤務のワタシにはセツなすぎる問題です><
こりゃ確かに先延ばししたくなります><
投稿: む~みん | 2012年11月21日 (水) 21時34分
む~みんさん
レスありがとうございます。
重いテーマであり、やっと書き上げた感があります。遠回しな表現が多くで読みづらいかと思いますが、真意が伝われば幸いです。
投稿: WATANKO | 2012年11月22日 (木) 01時04分