フォト
無料ブログはココログ

ブログランキング

にほんブログ村

  • 記事紹介

« たらちねの母、家に還る | トップページ | 2012年12月末運用状況 »

2013年1月 2日 (水)

祖父と父から受け継いだ土地

数か月前、WATANKOの所有地の一部について市役所から境界の確認依頼があり、同じく隣接の土地を所有する方々とともに市役所の職員と所有地の境界確認を行いました。当該所有地はWATANKO自宅付近の裏山の斜面の一部であり、現状ではその斜面を切り崩して平地に仕立てて駐車場にして賃貸しています。

市ではこの裏山の斜面一帯のうち、大地震の際に土砂崩れが発生するおそれがあるとみられる箇所について、土砂崩れ防止のための補強工事を計画しているとのこと。ついてはその計画準備として隣接土地所有者との間にて境界確認することになったわけです。市との確認作業は問題も無く無事すみました。

ところでWATANKOはこの裏山の土地について、あまり資産価値がなさそうな山の斜面の一部土地をなぜWATANKOの父は所有していたのかと以前から疑問に思っていました。その土地が接する道は狭く車の往来がやっとであり、土地の広さも車5台分程度で、近隣の路線価もタダ同然だからです。

かような土地を所有するに至る経緯について、WATANKOは父からはついぞ聞かずじまいでしたが、上述の境界確認の際に同じく立ち会った隣接の土地所有者であるWATANKO家の大本家(WATANKO家の祖父が出自した家)の方からその経緯を知ることができました。

かれこれ約70年前、商売に失敗したWATANKOの祖父は幼いWATANKOの父をつれて自分の実家(つまり大本家)に出戻ってきました。財産を失い失意の祖父を思いやった曾祖母(祖父の母)が大本家の家督を継いだ祖父の兄に頼みこみ、その結果、祖父は大本家の土地の一部を譲ってもらったというのがはじまりだといいます。

祖父がその譲ってもらった土地をどう活用したのかはわかりませんでしたが、祖父からそれを受け継いた父は自らせっせと日曜大工仕事で駐車場に仕立て上げて賃貸していました。その土地の周辺の民家はどれも狭く駐車場の確保に難儀していたようですので貸し手には困りません。WATANKOの記憶の限りでは少なくとも35年の間は固定資産税控除後、税引き前で年間数十万円の収益を生む土地活用でした。

その賃貸駐車場は父が家族を養うための収益の一部となりました。WATANKOの教育費にも充てられたでしょう。

件の土地をWATANKO家が所有する経緯を聞いて、この土地の背後にある曾祖母の祖父に対する愛情と、たいした資産価値がなさそうな土地でもそれを受け継いで活用してきた父の努力に対してWATANKOは敬意の念を払わずにはいられなくなりました。

また一方、かつて70年前に、WATANKOの祖父にこの土地を譲ってくれた大本家は今は廃れてしまい、生活も決して豊かとは言い難い状況です。大本家に対する感謝の念もいくばくかありますので、今後もしこの土地(駐車場賃貸業付き)の返還を求めてくるようなことがあれば、それに応じても良いとすら考えています。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

年の瀬も押し迫る中、なんとか母の葬儀を無事済ませることができました。今時は葬儀自体に関しては葬儀業者にお任せの面が大半ですが、葬儀をあげてもらう住職との打ち合わせ、近所の隣組や親類との連絡、調整そしてクレーム処理に忙殺され、葬儀後はクタクタになって、大晦日の夜を迎えました。(それでも7年前の父の死去の際の経験がありますから、その時と比べて省力化かつローコストを効かせることができました。)

WATANKOの父母が住んでいた実家は現在のWATANKO自宅の敷地内にありますが、その家の主はもうこの世にはいません。実家の仏壇がある座敷部屋に飾ってある祖父、祖母、父、そして新しく加えた母の写真に対して、ただ一人残されたWATANKOはそっと手をあわせ、生活の糧となる土地を守ってきた彼らへの感謝の念を強くもちつつ新たな年を迎えることとなりました。

« たらちねの母、家に還る | トップページ | 2012年12月末運用状況 »

不動産投資」カテゴリの記事

幕間」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 祖父と父から受け継いだ土地:

« たらちねの母、家に還る | トップページ | 2012年12月末運用状況 »

2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

応援クリックいただけるとありがたく

参考ブログ&サイト