気になるEXE-iシリーズ
WATANKOは先週海外出張に出向いており、予約投稿を1本設定した以外はブログ更新から離れておりました。その間、インデックス投資家の皆さんの間ではSBIアセットマネジメントが設定した「パッシブファンド」EXE-iシリーズが大変な話題となっております。
そりゃあそうでしょう。2010年11月に野村アセットマネジメントがFund-iシリーズを発売して以来、約2年半ぶりに新発売されるパッシブファンドシリーズですからね。
概要についてはもう二ケタにもおよぶたくさんの個人投資家ブログにて取り上げられているようです。この駄ブログではいつものごとく対外的にオープンになっている情報をわざわざ転載はしませんが、このファンドシリーズについて現時点での開示情報からWATNAKOなりの印象を述べたいと思います。
1.信託報酬を引き下げる裏技
やはりMSCI-KOKUSAIインデックスに連動するために外国株式を揃えるとなると信託報酬0.5%はどうしても必要なのですね。この信託報酬水準が一定のオーバーヘッドまでカバーした上での損益分岐点なのですねと思えてきます。
逆にこれ以上信託報酬を引き下げるためには、①ローコストな海外ETFと、②国内の先進国株式インデックス連動投信との間にあるコストの開きに着目し、①を束ねて売るために必要なマージンを乗せたとしても②よりもローコストな商品開発が可能であるという目算をたてたわけですね。
2.少しばかりマージン上乗せして支払いするだけで簡単に海外ETFを保有できる。
このシリーズ各商品を構成するETFの全てかどうか未確認ですが、いくつかは個別に買い揃えることができるETFです。このシリーズの中味(ETFのFOF)を聞いた途端、「自分でバラ買いして同様のポートフォリオを組めばよい。その方がローコストだ。」と発想する人がいてもおかしくないでしょう。
これが例えばSMTの資産設計オープン(すご6)などであれば、全くそのとおりでしょう。すご6を組成する6つの個別の投信を買い揃えれば、同等な内容でよりローコストな自己ファンドが出来上がります。
しかしながらこのEXE-iシリーズのミソは海外ETFで組成されていることです。購入が面倒臭いあの海外ETFを代わりに購入してくれるわけです。
またFOFであるがゆえにリバランスもやってくれます。
さらにもし無分配ならばETFの収益分配金を再投資する機能も持ち合わせることになります。
以上あげた特徴に対して幾ばくかの手間賃を払う価値はあります。
3.同じETFを保有するつもりならリレー投資が不要ではないか。
インデックス投資において、先ずなにがしかのインデックス投信を対象に積み立て投資を行い、やがてこのEXE-iシリーズを構成するETFへリレー投資を行うことをお考えの方については、最初からこのEXE-iシリーズを積み立て投資すればOKとなります。
でもなかには以下のように考える御仁もいるかもしれません。
▼コストがよけいにかかる
→このブログ記事の第2項をもう一度お読み願います。ここから少しくらい上に書いてあります。
▼ETFのポートフォリオが気に入らない
→貴殿の考えるところのポートフォリオがこのEXE-iシリーズのそれよりも決定的に優れているのでしょうか。このEXE-iシリーズは例えば先進国株式ファンドなら米国60%+欧州30%+アジア・太平洋(除く日本)10%の構成となっています。これは突拍子もない変なポートフォリオとは思えず、大抵の人には受け入れられやすい内容ではないでしょうか。
(つづく)
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