MSCI-KOKUSAI連動のインデックス投信の信託報酬はもう下がらないのか
本日7月17日、ブラックロック・グループが運用する世界シェアNo.1の「iシェアーズ」のうち、先進国株・新興国株・フロンティア株の3つが東証に上場されます。これによって待望の海外ETFが特定口座に対応することが実質的に叶います。
めでたし、めでたし。東証に上場+特定口座に対応というだけでETFの購入・保有の手間はかなり楽になります。その他のETFの面倒くさいところが気にならないインデックス投資家の皆さんならば、これからはコレ買いましょう。
(えっ、株式アセットしかないって?あとは国債の変動10と預貯金に廻してリスクコントロールすればいいじゃあないですか。なになに、それでもリートも欲しい?それなら「ニッセイJリートインデックスファンド」というお安い品揃えもありますよ。)
ところでこれらETFの東証上場をうけて、はたしてインデックス投信の信託報酬低減の動向はこれにて一応の決着をみたのでしょうか。 従来からのインデックス投資信託の信託報酬の低減競争はもう下火になってしまうのでしょうか。
例えばMSCI-KOKUSAIインデックス連動の投資信託は、確定拠出年金向けやラップ専用を除く一般公募型としては2010年5月発売のインデックスeシリーズの発売以降、信託報酬の最安値水準は0.525%にて横這い推移してきました。
一方で同種のETF(信託報酬0.25%)が東証に今回上場します。円貨で直接購入が可能であり、特定口座にも対応している商品です。この動きをみて、インデックス投信の運用会社各社は「もはや先進国株式インデックス投信のメリットは大分失われた。いまさらまたコスト引き上げ競争を続けてもただ利益を失うばかりの消耗戦であり、シェアは伸びない」とインデックス投信の信託報酬の更なる低減には相当ネガティブになってしまうかもしれません。
手間要らずで長期積み立て投資を行うビークルとしてのインデックス投信がETFに対してほぼ唯一劣後するコスト面について、運用会社各社は低減をすすめてきましたが、iシェアーズの3銘柄の上場で白旗を掲げてしまうのでしょうか。
iシェアーズのETFはたとえ東証に上場しても依然として自動再投資ができないこと、かつ定額の再投資がかなり行いにくいこと、分配金がでてしまいこの再投資もまた行いにくいことなどがデメリットとしてあります。しかし個別株式投資の経験者であればこういったデメリットに対するアレルギーは少ないのかもしれません。
インデックス投資向けの商品においてiシェアーズのETFの東証上場は、従来のインデックス投信のプレゼンスを多少なりとも影響を与えるでしょう。こうした中、インデックス投信シリーズを抱える運用会社各社の次の一手は何でしょうか。それとも放置でしょうか。eMAXISシリーズあたりは追加商品の展開に熱心だったころが懐かしく思えます。各社の商品企画担当は既存のインデックス投信シリーズは商品として完結・完成していると考えているのでしょうか。
NISA開始にあわせて顧客を拡大する動きに乗じてインデックス投信の今後展開にももう少し期待したいところです。
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