野菜詐欺、いや詐欺ではないけれど
9月に入りすっかり秋の気配が漂うこの頃。来月から第2四半期決算でまた忙しくなりそうな予感の中、今はまだ残業も少ない日々です。今のうちに地元の気になるお店をチェックしておこう。そういえば裏通りにできた新しい立ち飲み屋が結構にぎわっているな、ちょっと寄って帰ろう...ウヒヒ、と脳内が週末モードに切り替わろうとしたところで、若いお兄さんに呼び止められました。
「すみません、野菜いかがですか。買ってくれませんか。」
(実際には「売れ残ってしまった。」とか「どこどこで栽培した。」などのセールストークが伴っていたのですが、関心なく聞き流していたので記憶に残っていません。)
見るとお兄さんが両手で抱えている小ぶりな段ボール箱にイモ類か根菜類の野菜がゴロゴロ入っています。
夜の駅前で帰宅帰りのサラリーマンを路上で捕まえて野菜を売り込むとは、結構無理目な営業スタイルだなあと刹那思いながら、「これから帰るところなので結構ですよ。」と軽くあしらいその場を離れました。
数日後の休日夜に駅に家族を迎えにいくため車で駅前傍につけたところ、またも段ボール箱をもったお兄さんがWATANKOの車に寄ってきました。
「すみません、野菜いかがですか。買ってくれませんか。」
先日出くわしたお兄さんと同一人物なのか。売りモノは同様なのか。以前の記憶がほとんど残っておらずわかりませんでしたが、その無理目な営業スタイルは記憶していたので「また来たか。今度は車に乗っているドライバーに直接売り込むのか。相変わらず場違いで無理目だなあ。」と思いつつ、またも丁重にお断りしました。
前回出くわした時には売り込みを断り、その場を離れたのでそのお兄さんのその後の様子をうかがい知ることはなかったのですが、今回は停車して家族を待つ間、そのお兄さんが野菜を売る様子をじっと観察していました。
よくみるとお兄さんは私から離れたあともあちこちの路上ドライバーや道行く人に野菜を売り込んでいます。しかしながらさっぱり売れません。そのお兄さんの身なりは古くからある地元の八百屋でバイトしていそうな垢ぬけない感じであり、見ているとどこか哀愁が漂ってきます。そのうちなんだかイモの一つでも買ってあげないと気の毒に思えてきました。
夜の駅前で送迎や帰宅で往来する人々を相手に、段ボール箱に入れた野菜を、それも暗闇の中では鮮度や品質がわかりにくい状態で買う人がいるとは思えません。もうちょっと売り方を考えればよいのにと思いました。しかしながらその体当たりで健気な売り込みに対して、なかには人のよいWATANKO(←ウソおっしゃい)のように、ここで野菜が売れないとさぞや生活に困るのだろうなあと同情心が多少なりとも湧いてくる人がいて、必要もないのに野菜を買ってしまう事態が生じるかもしれません。
WATANKOはこれを勝手に「同情セールス」と名付けてみました。
WATANKOは結局この同情セールスに負けて野菜を買うことはありませんでしたが、果たして買ってみたらどうだったでしょうか。明るいところで良く見るととても店先になど出せないクズ野菜かもしれません。値段もスーパーなどに比べれば割高かもしれません。でも明らかな瑕疵をもった商品ではなければ詐欺ともいえません。うーん、立件は難しい。
ともかくも夜の駅前まで段ボール箱に野菜を入れて売り歩くという無理目な営業スタイルをみせ、相手に同情心を抱かせ買わせてしまうその手法に何ともいえない商売の素人臭さを感じてしまいました。
(後日談あります)
さて後日夜、この野菜売りのお兄さんを三たび見かける機会はありました。今度は不意に声を掛けられたのではなく、少し遠目の位置でこちらから見つけたわけです。
そこでは路上駐車してあるミニバンの前で、2人の若者が野菜の入った段ボールを囲みながら打ち合わせをしている様子でした。彼らは路上にしゃがみこんで時おり笑ったり、熱い語りをしています。なんだかあまり「どうしても今夜はこの野菜をXX個売らなきゃなんねえ」というような切迫感はなさそうです。よくわからない野菜売りのお兄さん達だなあとおもいつつ家路を急ぐWATANKOでした。
(で、オチは?これか?これかよ!)
◆さあて今週末&来週末は3連休×2です。ちょっとはりきってブログ記事書きます!
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