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2013年9月27日 (金)

所有地、更地にしたあと→③店舗・施設

(前回からの続きです)

遊休土地の活用事例を続けます。

2.店舗・施設

交通量が多いロードサイドに土地を持つ場合、商業用店舗・施設という選択肢も浮かんできます。

具体的な業種・業態をあげるとすればファストフード、テイクアウト店、カジュアル・ファッション店、各種雑貨店、薬局、書店、コンビニエンス・ストア、コインランドリー、中古車店、携帯電話ショップ、宅配業者、リサイクルショップ...等

ユニクロとかが借りてくれればもうサイコーです。

また敷地が大きければレストラン、ガソリンスタンド、スーパーマーケット、ディスカウントストア、パチンコ店、レンタルトランク...等

敷地の大きさゆえ、なかなか借り手がみつからないケースも聞きます。

また毛並みのかわったところでは介護施設なんかもあります。周辺の事例をみると、これから増えそうな予感がします。

いずれにしても賃貸にあたっての大きなポイントは建物の所有(建築)は土地所有者と借り主のどちらかという点です。

これについて以前はどちらでも大した差はないと考えていました。土地所有者の資金負担で建物を建てても、賃貸する際にはその資金も当然賃料にのせていくだけですから。単純な話ですがコストに対して上乗せできるマージン率が同じならコストが大きい方(土地所有者が建物を建てる方)がマージンの金額は大きくなります。

また土地所有者が建物を建てて貸す形態は、借り主にとって資金繰り負担が少ないので借り手が見つかりやすいでしょう。(例え最初の借主が撤退しても、次の借り手にとっても建屋は既にあるため自己負担は内装工事費用程度であり借りやすい。)

しかしながらWATANKOは不動産賃貸を13年間やってきてみて借り主が当初の賃貸契約を継続できず、賃料減免を余儀なくされた経験もあることから、借り主の契約未履行・解約リスクを強く意識するようになりました。

さらにはやはり土地所有者の資金負担は大きいことを考慮すると現在のWATANKOとしてはあまりおすすめできません。実は現実的に言えば契約継続できる可能性が高い与信の大きい借り主というのは一定の資本をもつ大手であり、そうであれば建屋もまた自らの資金で建築することが可能なわけです。

というわけで今においては土地所有者は土地のみを貸して地代を得るという、大きな資金拠出もなく(ローリスク)、そこそこの収益を得られる(ローリターン~ミドルリターン)形を目指した方がよいでしょう。

◆定期借地契約について

賃貸契約についての注記ですが従来からある借地借家法に基づく契約ではなくて、定期借地契約をお勧めします。土地所有者にとってのメリットは期限が来たら契約更新・満了を選べることだとよく言われていますが、ほかには公正証書をかわすことによって貸し主と借り主との間でのただの紙切れ契約に比べて、賃料支払い義務を借り主に強く意識させることもできるかなとも考えます。もっともどちらにしても借り主が事業に失敗するなどして賃料の支払能力がなくなれば同じことですが。

なお定期借地契約ですが、店舗・施設だけでなく住居用建物のケースでも可能ではありますが、WATANKOの場合は住居用建物でそのような事例にはこれまでほとんどみかけたことがありません。

住む側から見れば通常は借りるか、買うか(所有するか)の二者択一志向であり、住居を手当てするにあたり、「定期借地契約で土地は借りて建屋は自分で建てる」という選択をする人がどれだけいるのか見当がつきません。またいたとしてもそのようなニーズをもった人と、そのニーズに応じてくれる土地所有者を結びつけるチャネルもあまりないように思えます。

費用面からみても地代+住宅ローンが賃料のみ、住宅ローンのみのケースと比べてメリットがあるのか判然としません。

よほど特定の立地場所に自分の好きな家を建てて住みたいという欲求を持つ人でない限り、買うか借りるかというシンプルな選択になろうかと思います。したがい自己の遊休土地に住居用建物を建てるのであれば、資金負担は必要になるケースが現実的でしょう。

(余談)WATANKOは毎週末しつこく勧誘にくるアパート建築業者に対して、よく「そんなに収益が見込めるなら、土地は貸してあげるから貴社自身で建屋を建てて賃貸すればいいではないか。」と応酬していたりします。たいていの業者はこれでスゴスゴ帰っていきます。

(つづく)

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コメント

最近借地借家法が変わったんでしょうか?
(全く不勉強ですいません)

以前は、土地所有者が建てた建物の場合と、
借主が建てた建物の場合とでは、
賃貸借契約期間が終了後、
借家人に退去していただくのに、
全然困難さが違ったはずなんですが。

なので、
最近は土地所有者が建物を建てて貸すのが普通だと思ってました。

mushoku2006さん

コメントありがとうございます。

借地借家法の近年改正は平成19年に事業用定期借地権の設定期間が長くなったことです。住居用などに適用される一般定期借地権については変更ありません。

>以前は、土地所有者が建てた建物の場合と、借主が建てた建物の場合とでは、
賃貸借契約期間が終了後、借家人に退去していただくのに、全然困難さが違ったはずなんですが。

法的には定期借地権契約でも旧借地法が適用される契約でもどちらでも変わらないと理解しています。(ただ定借の場合、現行法規では返還は50年後の話になりますが。)

法規とは別に実態として円滑な退去となると賃借人が建物を所有している場合、面倒なことにはなるかもしれません。例えば賃借人が土地所有者に対して建物買取請求権を行使するなど、です。

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