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2013年9月19日 (木)

キミ・ライコネンを再び迎え入れるスクーデリア・フェラーリ

WATANKOは1970年代、ニキ・ラウダとジェームス・ハントの時代からのF1ファンですが、先日発表されたキミ・ライコネンのフェラーリ復帰のニュースには驚きました。ライコネンはレッドブル移籍がなくなった時点でロータス残留しかないと思われていましたが、モンテゼーモロはタイトルをとるためにはあらゆる手段を講じるイタリアのナベツネみたいなおじさんであったということを忘れていました。


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2007年ワールドチャンピオンであるキミ・ライコネンの2014年フェラーリ入りが決定しました。来年から2005年&2006年のワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソとコンビを組むことになります。フェラーリは実に56年ぶりにワールドチャンピオンドライバーを2人走らせるチームとなります。F1の世界で56年前のことなんか記憶している人は皆無であろうと思えば、現代のF1ファンにとってこれは実質的に初めてみる光景です。

さてライコネンはタイトルをとれるでしょうか?現在34歳になるライコネンに対して、なかには年齢的な限界を唱える人もいるかもしれません。でも思い出してほしいです。アイルトン・セナは34歳で事故死しましたが、その時に彼の速さに陰りはあったでしょうか。ミハエル・シューマッハが2004年に7回目のワールドチャンピオンになった時、彼は35歳でしたが、速さにおいて限界説がささやかれたでしょうか。そしてナイジェル・マンセルは39歳でワールドチャンピオンを獲得しています。

ライコネンは昨年、3年ぶりにF1復帰しシーズンの序盤からブランクを感じさせない、すぐにでも勝てる速さを証明しました。来年35歳を迎えるフィンランド人ドライバーが1990年のフェラーリドライバーであるアラン・プロスト(当時やはり35歳)よりも断然速いと思えるのはWATANKOだけでしょうか。

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F1の面白いところは1チームで2人のドライバーがレースに出走することです。ドライバーにとってはチームメイトが先ずライバルになります。同じマシンをドライブするのですから他チームのドライバーとの比較よりも、勝ち負けはよりハッキリします。そしてやがてはチームの側からみても自然とNo.1ドライバーとNo.2ドライバーの区別がつけられます。またえてしてコンディションの良いシャシーが勝てる確率の高いNo.1ドライバーに優先的に割り当てられたりします。

昔に比べて最近はNo.1とNo.2の区別を露骨につけるチームはあまり見かけませんが、フェラーリはここ20年くらいは割とNo.1とNo.2を区別する傾向がみられるチームでした。
このF1チームは熱狂的なイタリアファンに支えられて必ず勝つことを要求されているチームのひとつです。勝つためには2人のドライバーに対してNo.1とNo.2の区別をつけ、No.1にチームの力を集中させ、時にはNo.2ドライバーにもNo.1のサポートをさせる。とくにミハエル・シューマッハがドライブして以降、それが強まっています。

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ミハエル・シューマッハが2年連続でワールドチャンピオンを逃して引退したあとをうけてライコネンがフェラーリ入りしました。その初年度2007年、ライコネンは見事期待に応えてアロンソとハミルトンをギリギリ1ポイント差でうっちゃり、フェラーリの3年ぶりのタイトル奪還、そして自身にとっても初のワールドチャンピオン獲得を実現させました。

しかしそのライコネンを放出してまで獲得したアロンソが3年連続でタイトルを逃し、今年も危ういとなった時点でモンテゼモーロは動きました。絶対的No.1のもとにチームが力を結集するスタイルを崩すことをためらわず「速くて実力で勝てるタフなドライバー」をもう一人チームに呼び戻したのです。しかもそのドライバーは今現在でチームに最後にタイトルをもたらしたドライバーです。彼以上の候補がいるでしょうか。

モンテゼモーロはアロンソを見限ったのでしょうか。いやそれは早計かもしれません。でもライコネンを呼び戻したことでアロンソに最大級のプレッシャーを与えることになるでしょう。あるいはひょっとしてライコネンはアロンソにとって噛ませ犬でしょうか。(噛ませ犬にしてはあまりに速くてタフなドライバーですが。)

でも結局モンテゼモーロはこう考えているにちがいありません。
「最後にはどちらが勝ってもかまわないのだ。フェラーリが勝ちさえすれば。」

しかしながら一方で最大のライバルであるレッドブルは来年はマーク・ウェーバーがチームを去り、例年以上にベッテル中心のチーム体制になるでしょう。モンテゼモーロは長いことフェラーリを率いていますから1985年のウィリアムズや2007年のマクラーレンを覚えているはずです。自チームの2人の勝てるドライバーがポイントを分けあってしまいライバルチームのNo.1ドライバーにタイトルをもっていかれた事例です。

さて来年、アロンソとライコネンが同等にポイント稼ぎ続けた場合、ベッテルにタイトルをもっていかれないようにするためにはモンテゼモーロはどうするべきでしょうか。あいにく今も、そして1年後にもその答えをだすことは至難であるに違いありません。

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