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2013年10月 2日 (水)

所有地、更地にしたあと→⑤売却

さて遊休土地の活用事例ですが今回で最後、売却です。実はこれ、一番最初に考えるべき選択肢かもしれません。なぜなら他の活用方法はどれも長きにわたり手掛けるものであり、そこに色々な事象が潜んでいます。

*土地を造成・整地して建物を建てる初期投資の負担が大きい。また追加費用が嵩む。
*賃貸を始めたものの賃料減額・未納の事態に直面する。
*火災や地震など災害に見舞われる。

以上のような事象が当初の想定リターンを圧迫します。

これら賃貸活用と比べて売却は取引さえ完了すれば、あとは未来永劫、煩わしいことから解放されます。(瑕疵担保責任がちょっと怖いですが。)

なお売却に際しては当該土地について近隣との境界が明示されていることや、所有などにかかわるトラブルがないこと等、相続税の物納の要件と同様の条件もまた求められます。

それら問題をクリアしたあとは様々な賃貸活用と売却とのトータル・リターンとの比較になります。

賃貸の場合は年間の満室収入に空室率を反映し、そこから初期投資の償却額、業者手数料、固定資産税、損害保険料、その他維持経費、所得税等を差し引きます。さらにいくばくかのリスク引当金を積むのも手堅いでしょう。そうして算定した将来各年の利益を現在価値に換算して合計すれば一丁上がりです。

一方、売却には売却代金からその不動産の取得費用、業者手数料や諸経費(測量や既設解体工事などもあれば含む)、そして不動産譲渡所得に対する課税を差し引きます。

こうして両者を比較した時に売却の方が賃貸よりもたとえ安くなっても、上述した様々なリスクも考慮して判断すべきです。

と比較方法を書きましたが実際にはそう簡単にはいきません。賃貸の収益は様々な想定係数の積み重ねであり机上の鉛筆ナメナメの域をでません。

また売却の方もそもそも買い手が現れるのか不透明です。現れても賃貸よりも高い利益を見込めるほどの売却代金を実現できるのか。買い手が現れたチャンスをものにするために売却金額の妥協が必要かもしれません。買い手もこちらの足元をみて交渉してくるでしょう。

したがい賃貸と売却との比較は一応目安としてはやってみることは必要ですが、そこで出た数字に縛られ過ぎないことが大事です。

そして最後の判断は遊休土地の活用を自らが行う意欲がどれだけあるのかということです。

土地という資産を使って汗もかきながら収益獲得を目指すのか。それともさっさと換金してその資金を元手に別の方法で増やしていくのか、はたまた取り崩して使っていくのか。所有者にとっての今後の家計、生き方、子供達への配慮などを色々と考えて一人一人がひとつひとつの不動産に対して答えを出していかねばなりません。

(あとがきにかえて)

今回、遊休土地の活用について各ケースに分けてリアリティある紹介記事を書こうとしましたが、断片的な話の寄せ集めになってしまった感が否めません。(いつもそうだろう、とうツッコミもあるかもしれませんが)駄文を読んでいただきました皆様にお礼とお詫びいたします。いつかまたもっと骨太な内容にして再執筆したいと思います。

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