今回はひどくベーシックなことを書いてみたいと思います。
早期リタイアを目指す個人投資家はたくさんいて、ブロガーだとブログ上で資産目標○○円とカミングアウトされている場合も散見します。ところこの資産目標額って何歳時点を想定しているのでしょうか?ときおりこの辺のことが不明なカミングアウトを見かけるのですが、これには???と思ってしまいます。
たとえば資産目標額50百万円といっても、65歳時点の話なのか、45歳時点の話なのかによって、50百万円がもたらしてくれるシニア生活の安心感が変わってきます。早期リタイア=就業やめて、資産の運用と取り崩しで生活であるならば、早期リタイア時の年齢をもとにした平均余命によって資産目標額にすべき金額も変わってきます。
ひとくちに資産目標○○円といっても、そこにはそれに到達する年齢が何歳であるのかという要件無しには、目標額の妥当性、ハードルの高さがよくわかりません。
当たり前の話なのですが、できるだけ早期リタイアをしたいというならば、それはリタイア時点での平均余命が長くなることを意味しているわけですから、一方で資産目標額のハードルが高くなってしまいます。つまりは早くリタイアしたいと思うほど資産目標額を高めに設定しなければなりません。
でもそれはキツイ話ですので、結局やむなく就業を続けて、資産を貯める必要があります。また一方で、リタイア後の平均余命を縮める(!)ことで資産目標額のハードルを下げていくことをしなければなりません。
概念をグラフにしてみました。

就業を続けて資産貯蓄額を増やし、また同時に年をとることで必要資産額を減らすことになります。ハードルを飛び越える力をつける一方で、ハードルの高さ自体も下げていきます。そうして資産貯蓄額と資産目標額が交わるポイントを通過すればリタイアOKとなるわけです。
その時の資産貯蓄額と年齢(★)が、目標資産額であり、目標リタイア年齢となります。
そして言うまでもありませんが、目標年齢を引き下げるためには
①資産貯蓄額のラインの勾配を上にあげる
②必要資産額のラインの勾配を下にさげる
必要があります。

①の達成のためには運用の利回りを高めたり、そもそもの資産の貯蓄積み上げのペースをアップさせたりする必要があります。利回りを高めることは通常リスクを伴います。やはりここは①にも②にも有効な手段として、貯蓄積み上げのペースのアップ(=出費のコントロール)が重要になってきますね。
話をもとに戻しますと、目標資産額を設定するとき、同時にそこに到達する目標年齢を設定せねばなりません。ブロガーの方々の中には、カミングアウトしていなくとも、実は目標年齢を設定している方もいるでしょうが、せっかく目標資産額を開示しているのであれば、目標年齢も聞きたいと思うのは私だけなのでしょうか?
ちなみに自分のケースをあげておきます。
WATANKOの場合、当初理想形として設定したのは以下のとおりです。
*60歳まで就業し、元本を積立で200,000千円まで貯める。
*その元本を同時にインデックス運用20年で、1.5倍の300,000千円まで増やします。
*そして増やした分100,000千円をスーパーカー購入ほか自動車趣味に没頭する幸せリタイア生活資金に充てる。
ところが、最近投稿したとおり、48歳~55歳あたりでの早期リタイアを狙うとなれば話が変わってきてしまいます。
40代後半になれば、毎年1回、資産貯蓄額と資産目標額のそれぞれの見直しと、それに基づく2つのバランス(交わるポイント)を検証しながら早期リタイア時期設定を模索したいと思います。
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本文に掲げたWATANKOのインデックス運用期間20年のうち、現在5年8か月(28%)経過時点での資産目標額に対する途中経過は現在元本で28%、利益では20%の達成となっています。
元本は期間に比例してキッチリ積み上げてきました。親の介護と相続関連についてはもう出費はありませんので、元本積み上げに関して残る下振れ要因があるいとすれば、教育費と不動産賃貸業における想定以上の出費です。
一方で利益面では運用期間に対して8%のビハインドです。WATANKOのインデックス運用期間の大半はリーマンショック後の金融商品バーゲンセール期間でした。その間、安く仕込み続けてきたにもかかわらず28%(=28,000千円)に対して19,600千円と8,000千円以上も未達です。
今年2月に債券やREITのインデックス投信やFOFを売却しなければあと2,000~3,000千円は上乗せできたかもしれませんがそれでも28,000千円は難しいでしょう。
やはり相場の今後の更なる上昇を期待してすぐさま積み立て再開するか、もっと投資待機資金を貯め込んで余裕資金のトータルリスクを減らしてから積み立て再開するか、1週間に1回くらいは考えてしまいます。
さて今回のRefrainはここまでです。そうこうしているうちにインデックス投資を選好する個人投資家たちの間では話題になっているアレを次回記事でも取り上げます。
【次回予告】
MSCI-KOKUSAIインデックスに連動する投資信託。それは個人投資家誰しもにとってポートフォリオの中のコア・アセット。その商品の信託報酬0.525%の壁は4年もの間、これを破る公募のインデックス投信はなかなか現れない。
一方でバンガードの廉価なETFで組成して登場したEXE-iシリーズ、そして東証に上場した本家iシェアーズのETFがインデックス投信を積み立てる者を浸食していく。
0.525%の壁を正面から突破する義のある運用会社は果たしてもう現れないのか。彼らは個人投資家の支持拡大よりも、これ以上の出血を避けるだけなのか。
いや、キタ。それは住友三井でも三菱でもなく、ましてや野村でもない。その時まで確かに我々はインデックス投信の最安値商品をもつ保険業界のそのビッグネームを忘れていた。
次回「資産運用でスーパーカーを手に入れよう!」
第七百四拾四話「ニッセイ、信託報酬最安値の座」
さ~て、次回もサービス、サービスゥ~
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