復活のハリヤー、ブランドを捨ててまた拾うトヨタ
トヨタ・ハリアーが3代目へとフルモデルチェンジ(FMC)しました。
「あれ、レクサスRXではなくてハリヤーがFMC?ハリヤーって、もうメーカー自身によって終わった(終わらされた)ブランドなのに何故に?」
SUVは高速での空気抵抗を微塵も考慮しないカクカクした無骨なデザインと相場が決まっているところに流麗なスタイルを伴って1997年にトヨタ・ハリヤーがデビューしました。
スポーツカーのユーザーの少なくない割合が峠を攻めたりしない人種であるのと同様に、SUVで丘陵帯や湿地帯やガンガン走破するユーザーもまたかなり少ないです。陸サーファーのようなこういったユーザーが本当に求めているのはスポーティに見える外観なのです。加えて「都会的で洗練されたフォルム」をまとい、手頃な価格と日本の道路事情を考慮したサイズのSUV。
こうしたマーケティングがピタリとあたり初代、2代目のハリヤーはヒットしました。メーカーはさらに上級志向をねらって「トヨタ」からハリヤーを取りあげ、「レクサス」につけ変えしました。
販売サイドからのせめてもの抵抗があったせいか、ハリヤーは一部の廉価グレードのみ販売が継続されました。今でいえばiPhone4Sを継続販売するかのようです。
しかしハリヤー改めレクサスRXはその大きくなったサイズと高くなった値段に日本の駐車事情とブランドイメージが追いつかず、販売は芳しくありません。今年の月間販売台数はわずか概ね600台程度です。
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車に詳しいと自称される方であればご存じかと思いますが、日本で2005年にレクサスブランドを立ち上げた当初あつらえたのは不人気のトヨタのアリスト、アルテッツアをFMCして肥大化・高級化させたモデルです。「トヨタで不人気なモデルを廃品回収・化粧直しして高級ブランドのショールームに並べている」と揶揄されてもおかしくありませんでした。
しかしハリヤーは当時のトヨタの中では人気のあるブランドであり、トヨタはもともと人気があるモデルならレクサスブランドにつけ変えても売れるだろうとふんでいたのかもしれません。
しかしながらトヨタの販売店は販売の基幹車種をひとつ失い影響甚大です。幸い他の国産メーカーもハリヤーと同じコンセプトのモデルを用意できなかったという敵失も一方でありましたが、このままではハリヤーのマーケット(需要)は明らかに霧散しそうでした。
2009年におきたこの所業から4年。トヨタはレクサスRXのテコ入れよりも、失った国内のハリヤーのマーケットを取り戻すべく、一度捨てたハリヤーというブランドをまた拾ってきました。しかし当初想定しなかったモデルの復活のためか開発資金は限られているようであり、シャシーはやや格下のRAV4のそれを流用しています。
しかしカタログでみる限りですが、3代目ハリヤーのデザインは相変わらず流麗にまとまっており、全幅は1.8mとギリOK。グレードはガソリン車で2百万円後半からラインアップされており、お約束のハイブリッドも3百万円後半から揃えられています。
果たして3代目ハリヤーはかつてレクサスに衣替えして失ったマーケットを取り戻せるでしょうか。4年前にこの内容のFMCをしていれば手堅かったかもしれませんが。
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SUVはボディが大きい、車重が重い、重心が高い分、ドライビングプレジャーを損なっており、WATANKOはあまり食指が動かないのですが、陸のクルーザーとしても魅力も完全否定しているわけでなく、その点からハリヤーは気になるモデルです。
というわけで先日、ディーラーにいきカタログをもらいました。ついでに話した営業マンいわく、もしこれで3代目ハリヤーがまた復活ヒットしたら、そのレクサス版をだすことをトヨタは検討しているそうです。
???現行のレクサスRXをグレードダウンFMCさせるのか、それともRXの下のセグメントに別のSUVモデルを追加発売するのか。いずれにしても、まさかこの3代目ハリヤーのバッチエンジモデルをレスサスブランドでまたぞろ再販売するプランを検討中とは。いやはやトヨタにとって国内のレクサスブランドがアキレス腱のように思えてきました。
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コメント
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先日、新型レクサスISをスーパーの駐車場で見ましたが、
あまりに後姿が現行BMW3シリーズに似ているのにびっくりしました。
トヨタはどこに向かっているのでしょうか。
まだ1990年代の日産インフィニティの方が志が高いと思います。
トヨタ首脳部はBBCトップギアを観て、感性を磨いてもらいたいです。
投稿: 工員 | 2013年12月 8日 (日) 05時20分
工員さん
コメントありがとうございます。
ISを見るとレクサスは本当にBMW3シリーズが羨まししく、あんなモデルが欲しがっていることがよくわかります。でも3シリーズにいくら似せた車を作っても、日本では本物のシリーズが買えます。(最近は400万円のお手頃グレードもでてきました。)はやく気が付いてほしいのですが。
レクサスの現状をみるとインフィニティもアキュラも国内展開はなさそうですね。ゴーンは未練がましく、いやもといテストマーケティングよろしく新型スカイラインにインフィニティのバッチをつけていますが。
それとトップギア、最高に面白いですね。カーグラフィックTVの1000倍。
投稿: WATANKO | 2013年12月 8日 (日) 07時41分