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2014年2月20日 (木)

落日のラテン・メーカー、プジョーは甦るか

かねてから取り沙汰されていましたが、業績不振にあえぐフランスの自動車メーカーのプジョーがフランス政府と中国の東風汽車の増資を受け入れて経営の立て直しを図ることになりました。このニュースを聞いてWATANKOは21年前の予感を思い出しました。

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1993年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを覚えているでしょうか。フォード・モンデオです。なんの変哲もないDセグのブレッド&バターなセダンです。この時のモンデオはドイツで設計・開発、労働力が比較的安価なベルギーで生産され、ヨーロッパの各地で売られるモデルです。個性に乏しい汎ヨーロッパ・モデルの登場がヨーロッパの自動車メーカーの行く末を示唆していました。

その前年にヨーロッパの主要国では経済統合が実現し、各国の間では単一市場が創設され域内での商品、サービス、資本、人の自由な移動という4つの自由の確保が追求され始めました。国境を越えてこれらの流動性が高まることをうけて自動車業界では各国メーカーが自国内の消費者に向けに嗜好されたモデルからヨーロッパ全域に受け入れられるような普遍化したモデルの開発・販売を志向します。

国ごとにそれぞれの民族メーカーが、個性豊かなモデルを販売していた時代が終わり、ヨーロッパのどこでも受け入れられそうな無個性なモデルばかりが今後開発・販売されるのか。フォード・モンデオはそんな予感が浮かび上がらせるモデルでした。(一部のエンスーの間ではこれを自動車の“モンデオ化”と呼ぶとか。)

フォード・モンデオの発売の後を追うかのように、早速WATANKOが好きなメーカーのひとつであるシトロエン(奇妙キテレツなモデルばかり出すフランスの理想主義とエスプリを具現化したかのようなメーカー)がこれまだ没個性なコイル・スプリングのハッチバックモデルのZXを発売し始めました。

この汎ヨーロッパ・モデルの傾向はノン・プレミアム市場はモンデオやZXに代表され拡大されていきますが、一方でプレミアム市場では性能に定評があったドイツ車を、非ドイツ車メーカーがこぞって追随するトレンドが生まれました。しかしイギリスで唯一残っていた民族系メーカーのローバーやスウェーデンのボルボは生き残りをかけてモデル開発しましたが、うまくゆかずそれぞれ90年代の終わりには非ヨーロッパ・メーカーの資本下におかれます。サーブにいたってはそのパトロンがどんどん変わり、そのあげくに消滅に瀕してしまいました。

一方ラテン系メーカーは本来B・Cセグを得意としてきましたが、総じて販売の主流は自国マーケットであり、他国に販売を拡大させようとしても自社モデルでは嗜好があわず、また定評あるドイツ車に似たモデルをつくっても本家のドイツ車との競合に打ち勝つには厳しかったです。

それでも1990年代半ばまではラテン・メーカーはデザインを売りにして、それなりのシェアを保ちましたが、メルセデス・ベンツがAクラス発売に象徴されるようにラテン・メーカーの得意とするB・Cセグメントに進出してきたり、VWが他社買収を重ねてシェアをのばしてきたりと攻勢を強めてくる中、ラテン・メーカーはジリジリと追いつめられてきます。

ルノーはまだ業績好調な頃のうちに日産というパートナーを掴みましたし、東欧・ロシアや韓国メーカーも取り込みました。フィアットは21世紀に入ってからバツ1&自己破産から立ち直りつつあるクライスラーを引き入れて生き残りを図っています。

しかし気位の高い伝統的メーカーであるプジョーは自動車メーカーの婚活にのることもなく、一方でBMWなどのように単独での生き残りに希望が湧いている状態でもありません。フランス国内のマーケット悪化に加えて他国(特に新興国)への進出も遅れており、ジリ貧に陥っていました。

当時のモデルを振り返ってみればDセグではピニンファリーナデザインの香りが残る406から、実用性よりもデザインに振りすぎた407となりますが下火。そしてその直接の後継モデルはつくられずフェードアウトです。その下のB・Cセグは206、307あたりまではよかったですが後継の207、308は誤解を恐れずに言えばVWゴルフやポロのフォロワーでしかありませんでした。一見華やかなCCモデル展開の陰で、主力モデルがこうしてジワジワと劣勢に追い込まれていきます。最近は208や2代目308でかつての小粋なモデルへの回帰を図ってきていますが、一方Dセグのセダンは相変わらずドイツ勢に押されているようです。

こうして特徴に乏しく、成長マーケットへの参入も今一つなこのラテン・メーカーはついにリーマンショック後のダメージからの回復も軌道に乗らず、この度中国の資本を受け入れることになったわけです。しかし新興国メーカーに下ったといっても復活の目はまだあります。日本同様、ヨーロッパも成熟した自動車社会です。汎ヨーロッパのようなモデルづくりを脱したザ・ラテン・モデルを開発してもらいたいものです。環境技術はよそから買ってくればよいとして、車の根源的な魅力を追求したモデルが待たれます。たとえばいっそ後輪駆動モデルをつくってみてはどうでしょうか。お得意のフィアットあたりとのシャシー共有でコストを抑えてコンパクト・セダンを開発するなんて魅力的に思えてきます。

かつての306や406が大好きであったプジョーを支持する車好きの一人として、プジョーの鮮やかなる復活を期待しています。

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