RUSH ラッシュ/プライドと友情-70年代F1の完璧な再現
本日、1970年代F1のニキ・ラウダとジェームス・ハントのライバル物語を映画化した『RUSH ラッシュ/プライドと友情』を観ました。
レースを題材にした映画はただでさえ少ないところにくわえて、ガッカリな内容の作品が少なくありません。(あくまでWATANKOの感想ですが)そんな中でこの映画は当時の様相を十二分に再現しており、WATANKOのような70年代のころからのF1ファンにとっては拒絶反応がなく、映像面では完璧な出来栄えでした。
主役の二人は本人に似ています。ニキ・ラウダ役のダニエル・ブリュールはラウダのしぐさや立ち振る舞いについて当の本人から指導をうけたとのことです。また二人だけでなくビエルフランチェスコ・ファヴィーノが演じるクレイ・レガッツォー二もまた本人に良く似ていました。
またラウダとハントのキャラクターも見事です。ラウダは理論派の天才、ハントは天然系な天才でありレーサーとしての生き様は大きく異なります。マシンに詳しく開発能力に長けたラウダのスタイルはその後のF1で成功するほとんどのレーサーが踏襲するスタイルです。一方ハントのように天然というか、四の五の言わずナチュラルに速いタイプについてもその後のナイジェル・マンセルやジャン・アレジに引き継がれ、これまた魅力的なスタイルです。現在のF1におけるNo.1ドライバー、セバスチャン・ベッテルにラウダやハントのようなレーサーとして個性がどれだけ備わっているのでしょうか。
ネタバレになるので、映画の内容に関わる部分についてはふれませんが本作品は映像のリアリティもさることながらそのストーリーもまた魅力です。しかしWATANKOのような古くからのF1ファンにとってはラウダとハントの物語はよく知るところなので、正直言ってストーリー自体には新味は無いです。ですがこの映画でラウダとハントの物語を始めて知った方々は、映画のストーリーにどのような感想をもつでしょうか。
さて映画で取り上げられた1976年から以降について触れますと、ハントは1978年にF1を引退、テレビの解説者などを務め、1993年に45歳で病没します。なんと太くて短い人生でしょうか。一方ラウダは翌年1977年に2度目のチャンピオンになり、その後一度引退。航空会社(ラウダ航空)を経営し、それが傾くと資金稼ぎのためにF1に復帰して、84年に3度目のチャンピオンになります。現在もF1界の重鎮です。
どちらの人生が幸せなのか。普通に考えればWATANKOはラウダ派ですが、人生が45年で終わるのであれば、ハントのような生き方に対する理解もあります。毎日が人生最後の日であるかのような全力な生き方です。
(あとがきにかえて)
このくらい上出来にF1を再現できるとなると、欲もまた出てきます。今度はアラン・プロストとアイルトン・セナのライバル物語を観てみたくなりました。2部作にして1本目を84~88年シーズン、2本目を89~93年シーズンを取り上げて映画化してくれないかなあ。ロン・ハワード監督。
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コメント
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いいですね、観にいこう。
過去のレース映画で個人的にいいと思うのは
トムクルーズのデイズオブサンダーです。
タイヤの使い方とかレース戦略とかけっこう車好きのポイントを外してないです。
投稿: 工員 | 2014年2月12日 (水) 19時49分
工員さん
コメントありがとうございます。
私は詳しい史実を知っているだけに感動とカタルシスはある程度抑制された面がありましたが、とくに工員さんがもし史実を知らずにご覧になられた場合は、是非感想をお聞かせいただけると幸いです。
投稿: WATANKO | 2014年2月12日 (水) 23時43分