土地を所有すると面倒なこと十選(その4:地中埋設物・土壌汚染)
【4月16日終値ベース運用状況速報】
■投資元本
54,030千円
■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)
21,354千円
■損益率
39.5%
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(地中を掘り返して出てくるものは何でしょうか。)
土地(更地)を所有している起きる面倒なこと、煩わしいことについてとりあげるシリーズ、第4回目です。
4.地中埋設物・土壌汚染
既設建物を解体すると、その下からいろいろな埋設物がでてくることがあります。また酷い場合ですと解体した廃材をその地下に埋め戻してしまうこともあります。これは解体後に整地を行う際に土壌が少なかったり、その土壌をもってくる費用を惜しんだり、はたまた工事期間を短縮したいとかいろいろと手抜き的な原因により発生します。
関連記事:地中に眠るもの
(続)地中に眠るもの
山林を取り崩して造成した土地ならまだしも、昔何か建物があり、それが撤去されたあとの更地を手に入れ、いざそこに新規の上物(建物)を建てようとしてちょっと掘り起こすと色々な埋設物が出てきた、という場合でしょう。それはまるで隠れ損失をもつ企業を買収したかのようです。
また埋設物でなくとも地面を掘っていくと地下水が沢山湧き出てきてしまい、基礎工事をすすめるためには排水を抽出するなどの作業が必要になる事態もありえます。
さらには土壌汚染も気にかかるところでしょう。昔工場や作業場があったという土地には有機物質が土中に残っており、それが雨水によって土地の内外に染み出して被害を発生させるものです。典型例では、昔の町工場では敷地の片隅に焼却炉があり、何でもガンガン焼却していた場合、ダイオキシンに汚染されているというケースです。他にもベンゼン等揮発性有機化合物、カドミウム、水銀等重金属、農薬などがあります。
こういった土壌汚染の対策費用は企業においても環境債務として認識されており、個人においても将来債務の一つとして頭の片隅にいれておいてもよいでしょう。
ついては自分の所有地の過去のオーナーがだれであったのか法務局で調べておき、所有地が以前はどのように使われていたのか類推しておくことも必要かもしれません。
さてこうした地中埋設物や地下水、土壌汚染は地上で見える排水トラブル等と異なり、普段は目には見えず事前把握がやっかいです。それでも地中を掘ってみれば埋設物や地下水の有無は判明しますが、土壌汚染の原因となる化学物質の有無は更に専門的な調査が必要です。どこまでリスクをみておけばよいのやら。
この他にレアケースとしては、地中を掘ってみたら遺跡がでてきたという話もあります。近隣土地で古墳や貝塚が見つかっている場合、一応注意すべきです。もし万が一遺跡がでてくれば工事はストップしてしまいます。
続きは以下をご参照ください。
参照記事:貴重な遺跡発掘。ゼネコン屋さんがマンションなど建築するさいに土器のかけら等が...
なおこれまでにあげたトラブル、とくに土壌汚染を回避するためには土地の売買における瑕疵担保期間の設定にも注意すべきです。売り主であっても買い主であっても売買契約の中でどのように規定されているのか、特約(当該契約での独自の取り決め)の内容をつかんでおくべきでしょう。
(つづく)
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