日経マネー 7月号特集の感想-1億円さんになるには貯蓄、長期、そして運か
【5月28日終値ベース運用状況速報】
■投資元本(待機資金含む)
59,930千円
■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)
22,247千円
■損益率
37.1%
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企業の3月決算がおわり個別株の配当が決まるこの時期、日経マネーにて恒例の個人投資家調査が特集されています。今年は4,600人を調査し、中でも「私はこうしてお金を殖やした」と称して金融資産1億円以上を保有する17名の紹介記事が載っています。この駄ブログにも時折コメントいただくmushoku2006さんも詳細に紹介されている一人です。
さて記事をよく読めば、例えば「1~2年で元本を5倍~10倍に増やしました。」などという比較的短期で華々しい戦果をあげたという人は稀であり、17名のプロファイルを見るとそこからわかる傾向は次のとおりです。
1.1億円に占める貯蓄分(投資元本)の割合が相当高い
17名の中にはインデックス投資を実践される方もいて「インデックス投資だけで1億円」とコピーがついていますが、掲載されているポートフォリオをみると預貯金・MRF・国債等で4割を占めています。
つまり残りの6割がインデックファンドですが、リーマンショック後の底値のときに一括購入してその後2倍になったと仮定したら、6割のうち半分は元本です。つまりは全体のうち4割+6割×1/2=7割は元本に近い部分であり、総額1.4億円のうちほぼ1億円は貯蓄によって出来上がった資産といえます。
預貯金・MRF・国債等の中にもかつてインデックスファンドで運用し、売却した分があり、運用益が含まれている可能性もありますが、総じて言っても貯蓄の割合が高そうです。ほかにも1億円の中に占める貯蓄分の割合が高そうな人が散見されます。
2. 長期間投資を続けている
17人の中には20年あるいは50年と投資を続けてきた強者も何人か見られます。これは上記1と同様、貯蓄額の大きさも寄与していますが、バブル崩壊後を起点としたそれなりの上昇相場、あるはバルブ期以前の高度~中成長期といった長期間にかけてそれなりに株の運用に成功したというケースです。
しかしながら、こうした成功者の陰には同様の資産運用にて失敗に終わった方々がいるということを忘れるわけにはいかないでしょう。
3. ここ1~2年の相場上昇にうまくレバレッジをかけてたらふく儲けた
ほかにみられる傾向としてはここ1~2年でガツンと伸ばしたケースです。2012年末からの日本株式の上昇の恩恵を得た方です。個別株式の選別(集中投資)や取引方法の選択によって日経平均やTOPIXを上回る利益成長させた方々です。
しかしながら、それが100%、自身の才覚だと言い切ることができるでしょうか。WATANKOは現時点のトータルリターンはおよそ40%弱ですが、ちっとも自分の実力とは考えていません。インデックス投資であるからだろうと言われればそれまでですが、一方で個別株で大きな利益をあげた方はそれが100%自分の実力なのでしょうか。相場の運に左右された部分は皆無でしょうか。
以上、17人のプロファイルからみえることは1億円への道は、華々しいシュートを決めた瞬間投資芸を知ることではなく、しっかりとした貯蓄をベースに、あきらめず投資を続け、アベノミクスのような市場全体が上昇するチャンスを掴むということに集約されます。
(あとがきにかえて)
上記のうち貯蓄が占める要素は大きいですが、その意味からすれば収入のUPと家計の節約のノウハウ、特に後者に関心が移ることでしょう。しかしながら特集記事では貯蓄上手につながる家計の節約ノウハウについてはあまり言及されていません。
荻原博子氏の本でも読むしかないか。
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