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2014年5月 8日 (木)

日産スカイラインよ、どこへいく

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日産の経営資源と実力を冷徹に見定めているカルロス・ゴーンは、同社の今後の成長拡大のためにルノーとの協業のみならず、ダイムラーと日産とのパートナーシップも実現させました。その成果のひとつとして新型2リットル直列4気筒ターボエンジンを昨冬FMCしたスカイラインと、今般やはりFMCしたメルセデスベンツ・Cクラスにそれぞれ搭載することになりました。

この新型エンジンは214ps/5500rpm、最大トルクは32.6kgm/1,250~3,500rpmを発生するとのこと。2リットル+ターボにしては馬力が低いです。これは高回転で馬力を稼ぐタイプではなく、その代わりに最大トルクの発生が1,250rpm~3,500rpmという仕様からわかるとおり低中速域のトルクが厚い実用的なタイプのエンジンです。

スポーティ、いや現在はプレミアムセダンを標榜するスカイラインとしてはかなり心もとないエンジンバリエーションです。しかし現在の3.5リッターエンジン+ハイブリッドのグレードのみでは価格帯が高止まりであり、国内ディーラーからはもっと値頃感あるグレートを求める声がでてきてもおかしくありません。日産はそうした市場の声に応えたわけでしょう。

このエンジンはCクラスにとってはたくさんあるエンジンバリエーションのひとつにすぎませんが、スカイラインにとっては国内の販売台数を増やすための大事な追加グレードです。しかしかつてのスカイラインを買っていた顧客層に対して、このモデルはどう映るのでしょうか。

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15年前の熱心な日産党、そしてスカイラインのファンに対して、「15年後のスカイラインはV6+ハイブリッドか、ダイムラーと共同開発した直4の2リッターターボエンジンを積んで、インフィニティのバッチをフロントにつけて販売されている」といったら仰天するでしょう。

スカイラインといえばかつて直6を搭載したロングノーズ、カクカクした台形キャビン、リアフェンダーのサーフィンライン、丸目4灯のテールランプをデザイン記号としたEセグメントのスポーティセダンでした。

しかし今、目の前にある新型スカイラインはそれらの記号をほとんど捨て去っています。日産が北米で売る、かつてのスカイラインとは縁もゆかりもないインフィニティブランドのセダンを日本にまわして売っています。

でも仕方がないかもしれません。かつてスカイラインを求めたようなミドル層は今では同じ日産車でもセレナを選ぶか、あるいは背伸びしてアウディやBMWを買っています。極端に言えば日本でスカイラインを求めるドライバーなぞ霧散してしまったのかもしれません。

でもそれでも日産は北米の顧客好みにブクブクと太ったボディに、あきらかなパワー不足のユニットを載せた車をスカイラインと称して平然と売ることで良しとしているのでしょうか。

そしてもしこれをもって日産が「ダウンサイジングというトレンドに追随しました。」とでもいうのでしょうか。しかしダウンサイジングとはエンジンだけでなく効率のよいトランスミッションやボディ全体の軽量化とあわせて進めるべきものであり、エンジンだけチマくしました、ではちょっと安直です。

スカイライン車両重量は同じエンジンを搭載予定のCクラスよりも100~200kgも重いです。これでは重いボディを小さなエンジンを高回転させて一生懸命に走るため燃費も期待できません。

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最近業績が好調なスバルは北米市場への対応のために、基幹車種のレガシィの大型化をすすめてきました。その結果、レガシィがだんだんと日本の市場に合わなくなってきたとみるや、スバリストへのオルタナティブともいうべき日本市場の専用モデルであるレヴォーグを投入しようとしています。巧みなマーケティングです。

一方で日産はスカイラインというブランドを今後どうあつかっていくのでしょうか。日本市場のマーケティング上の穴埋めのためとはいえ、北米市場のおこぼれをまわすだけなのでしょうか。レヴォーグのように日本のマーケットにあったサイズ、パワートレーン、デザインでもって日本市場向けの入魂の専用車種として生まれ変わるようなことは期待してよいのでしょうか。日産のかつての主演俳優が、いまや昔の名声でもってかろうじて端役を与えられた俳優に成り下がっています。

最近のスカイラインを見るたびに、日産に対しては新興国向けの車づくりばかりではなく、少しは日本市場も考えてほしいと言いたいです。なにせ日本とてまだ世界で第3番目に大きな市場なのですから。

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コメント

>新型2リットル直列4気筒ターボエンジンを昨冬FMCしたスカイラインと、今般やはりFMCしたメルセデスベンツ・Cクラスにそれぞれ搭載

これは巧みなコスト・ダウンが1つ、もうひとつは税金対策ですかね・・。
世の流れは『直4ハイブリット=低燃費』、『ロースペック=環境対策』、
スカイラインはV6ハイブリットを投入したものの価格が高騰。
これじゃ買う人がいなくなるとばかりにCクラスと共用することでコストダウン、日本人のベンツ神話も相まって今回の商品化に至ったのでしょう。

私としては微妙な気分ですが、(自分の)V6・215psが貴重となっていくのは何とも誇らしい反面、資産運用に例えると2%(元本保証)定期預金のようなもう買えなくなる・・といった寂しさもありますね・・

預金王さん

貴コメントの通りでございます。

このエンジンを搭載したグレードの車両本体価格がいくらに設定されるのか、要チェックですね。

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