中小事業者の危うい経営につきあわされる日々
【6月13日終値ベース運用状況速報】
■投資元本(待機資金含む)
59,930千円
■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)
23,009千円
■損益率
38.4%
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(賃貸した土地で事業を成功・継続するには事業者次第。そんなリスクに振り回される。)
WATANKOはサラリーマンですが、一方で半ば家業ともいうべき不動産賃貸業も手掛けています。土地を持つことによるリスクは先々月、先月と記事にまとめましたが、この他に賃貸業を続けていく場合のリスクはまだまだいくつも挙げることができます。
中でも大きなリスクとしては商業用として不動産を賃貸する場合、賃貸先である事業者の経営状況につき合わされるリスクがあります。
賃貸先がある一定の規模の法人であれば、しっかりとした事業基盤や顧客・商権、人材を揃えており、長期安定的に賃貸契約を履行できる賃貸先として安心できます。
しかしながら中小事業者(イメージとして従業員数十人規模)の場合では、社長さらには特定の幹部クラスに経営能力が集中しており、属人的経営であるところが少なくありません。
★★★ここ重要、テストに出ます★★★
中小事業者といっても優れた経営者がコンプライアンスと信義則を守り、誠実にビジネスを続けているケースが沢山あります。以下はだめんず経営者の場合とご理解ください。
中小事業者におけるマネジメントはフットワークが軽く経営判断は早い、固定費負担が軽く、事業があたれば収益が伸びやすいといった機動性と身軽さが身上ですが、一方で以下の懸念点があるケースをこれまで多々見てきました。
▼契約・法規に疎い
契約にて取り決められたことを簡単に逸脱します。不動産賃貸なら契約当事者に無断での用途変更、契約外の構築物設置、転貸や業種転換などは決してレアケースではありません。これは貸し主側にも「決められた家賃さえ入ってくれば、あとのことは目をつぶる。」という意識がありがち(特に面倒なことを嫌がる高齢の貸し主)なことにも原因があるかもしれません。
また建築関連法規や商業取引関連法規に疎く、当人が意識しない軽い違法行為が起きていることはよくある話です。これは法令にかかわる取引はしっかりと専門家を絡めながらすすめるというマインドが欠けているパターンでしょう。
▼キャシュフロー経営の悪いところがでている
収益について減価償却や損失に対する引当、時価評価という概念が希薄であり、入金=売上、支払=費用というキャッシュフロー経営(と呼んでいいものか)で経営状態を把握します。日銭が入ってくるうちは経営が廻っている。今、口座にいくらあるから大丈夫。それだけで資金管理できれば良いのですが、気がつくと毎月、回転資金の金策に走っているということもあります。資金の日繰り表なんかとてもつくっているとは思えません。
▼人材が定着しない
中小企業の待遇のせいといってしまえばそれまでですが、特にオーナー経営者の場合は、待遇のみならず、経営者の意向に振り回されてしまう事例もみかけます。唯我独尊、朝令暮改、お店の皿一枚まで俺のものという露骨な態度。従業員に長時間労働を強いるなんてちっとも珍しくありません。
WATANKOが以前所有していたイタリアンレストランでも、料理長が賃貸相手の経営者に嫌気がさして居酒屋の鳥貴族に転職してしまいました。
▼身の程を知らない
経営者が自信と経営幹部の管理能力を超えて店舗数を拡大してしまい、結果、人員確保、資金繰り、そのほか各店のオペレーションが上手くまわらなくなるという展開です。とくに飲食店の場合、利益構造はほぼ決まっているのですから売上拡大のためには店舗数の拡大を志向するしかなく、そこで人やカネといった経営資源の手当てが不十分なままに拡大に走ってしまいます。そして損失発生。ここで店舗を絞って立て直しへと舵を切ることができれば良いのですが、後手にまわると各店の運営がなべて赤字となり、会社が立ち行かなくなるおそれがあります。
なおこうした拡大のうらには金融機関による甘いささやきがあるとも...(「社長、売上○○億円までいけば株式上場も視野に入りますよ...。」)
不動産オーナーとしては賃貸相手が中小事業者の場合、その資質と経営能力、人材についてよく見極める必要があります。賃貸相手の事業経営の稚拙によって土地の賃貸契約継続が脅かされる。これもまた現物不動産投資のひとつのリスクであります。
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