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2014年6月24日 (火)

ダイハツ・コペン試乗記-またひとつ増えた国産オープンカーの佳作で良品

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ダイハツの軽オープンカーのコペンがFMCしました。先代モデルは10年間も販売が続けられた長寿モデルです。そのままフェードアウトかとおもいきや見事復活です。ダイハツにも小さなカーガイがいるのかもしれません。

オープン2シーター、しかも車両本体価格が2,000千円を切るモデルとあっては座視できません。早速、WATANKO家のセカンドカーであるムーブの購入先かつメンテナンスでお世話になっている近所のダイハツディーラーに電話すると、試乗車ありとのこと。ついては出向いて乗ってきました。

◆デザイン

軽自動車の限られた外寸の中でボリューム感をしっかりアピールしている外装です。ランプ類などディテールにも凝っています。内装はブラウンを基調にして明るくて、広くみえるように演出されています。

ただ先代モデルに比べてフロントエンド、リアエンドのエッジが立ちすぎているので、人によってはしつこく思えるかもしれませんし、視覚的に天地方向への厚みを意識させてしまうかもしれません。

◆スペース

インパネを絶壁にするなど、狭いながらも少しでもスペースを稼ぐ工夫がみてとれます。しかしながら成人男子であれば足元のスペースはかなり狭いことを覚悟しなければならないでしょう。ハードトップ収納スペースを確保する都合でただでさえ狭いキャビンが一層狭くなり、さらには足元スペースを前方に張り出さざるをえず、エンジンコンパートメントの干渉をうけざるを得ない設計となっていると思われます。

◆ドライバビリティ

これだけ小さいサイズであれば、駆動輪の違いもかなり忘れることができる小回り感は良好です。MTの出来は特に良くも悪くもなく。(ロードスターを基準に考えているためかなり厳し目な見方ですが。)排気音は低く重厚な印象で良かったです。手抜き無し感あり。

なお短時間の試乗ではエンジンを高回転まで廻す機会はありませんでしたので、エンジン特性を細かくチェックすることはできませんでしたが、総じてパワー不足に感じることはなかったです。

ダイハツがユーティリティ一辺倒のタントをバンバン売る一方で、コペンのような遊び心を忘れないモデルを開発、販売していること自体をうれしく思いました。

今度のコペンは前輪駆動という制約が大前提としてあるものの、かなり一生懸命につくられた良心的なモデルです。これを2,000千円未満で買える日本人はもう全く幸せな国民です。

・・・

さて今回のコペンのニューモデルとしての評価は以上ですが、エンジニアリングとマーケティングの観点からさらに一歩切りこんだ所感をあげると以下のとおりになります。

(ここからは、辛口コメントです。)

▼エンジニアリング面

1.絶対的なトレッドが足りない。

これは軽自動車の規格ゆえのため仕方がありませんがコペンのトレッドはフロント1,310mm、リア1,295mmと2人乗車の寸法の絶対値としてはやはり狭いサイズです。成人2名の肩幅が自然に収まるサイズは、いにしえの馬車の時代から1,400mm程度となっています。しかしコペンのトレッドはこれよりも100mmも短いため、横方向の踏ん張りにいつも不安を伴ってコーナリングすることになります。コペンのホイールベースは2,230mmと短く、これが回頭性を高めているはずなのですが、一方でトレッドの狭さによってそれが損なわれています。

参考基準値としてNAロードスターの数値を紹介しますとホイールベースは2,265mmとコペンより35mm長いのに対して、トレッドはフロント1,405mm、リア1,420mmと85mm~125mmも長くなっており、直進性と回頭性のバランスがとれた黄金律となっています。

2. 重心をもう少し下げられなかったか。

軽自動車の規格ゆえトレッドを広げられなかったのであれば、せめて重心をもっとさげることができれば、狭いトレッドのネガを補えていたかもしれません。しかしメタルトップありきではそれも難しかったでしょう。

3.軽量化はどこまで追求したのか。

トレッドは狭く、重心も低くできない。ならばせめて軽量化はどうかというと、今回その辺りにはアレコレ頑張りましたという記載はカタログには特に見られませんでした。これもまたメタルトップのために劇的な軽量化は叶わなかったということでしょう。

▼マーケティング面

コペンは限られたコンポーネンツと開発費をもとにつくられたことを考えれば佳作な良品です。しかしミッドシップモデルでよりスポーツ面でとんがったホンダS660が来年?発売されると、その人気をキープできるでしょうか。前輪駆動のコペンがどこまで健闘できるでしょうか。

ホンダは今やミニバンメーカーと呼んでもさしつかえないですが、一応それでも「腐ってもホンダ」と思われているところもあり(来年はF1にも復帰です。)周囲のスポーツドライビングを志向するクルマ好きからは常に注目されています。ビートの後継車と目されるS660が発売されると、おそらくその注目度は今回のコペンの比ではないでしょう。

コペンは後発のS660に対して、もしこれに伍していこうと考えているのではあればソフト面、ハード面でできるだけ今のうちに打ち手を講じるべきです。ダイハツは親会社のトヨタが86で展開しているようなオーナーによるコミュニティ作りをコペンにて展開しようとしているようなので、その成果にも注目です。


★今後への期待

最後に今後のモデル展開についての期待ですが、テコ入れとしてはおそらく内外装の仕立てを変えた限定バージョンの追加投入がまず予想されます。とくに外装をとり替えたバージョンを秋に発売するとのことです。ここまで大胆に外装を変えるバリエーション展開は珍しいです。

しかしWATANKOはいっそメタルトップ廃止、装備簡略化したスーパーライトウェイトバージョンの追加発売を期待します。2シーターバイクのノリです。メタルトップの装備に象徴されるようにコペンもまた日本車の多くが求められがちな万能感を捨て切れなかったモデルかもしれません。しかしながらコペンのようなモデルにメタルトップが本当に必要だったのでしょうか。

いやメタルトップがこそがコペンのアイデンティティなのだという人もいるかもしれません。ならばそれはそれで残して、一方でスーパーライトウェイトバージョンを切望する声もどうかひろってほしいです。

それとさらに理想を言えば、軽自動車の枠を超えてトレッドを広げた兄貴分モデルを出してはくれないでしょうか。そういえばライバルのスズキは昔、ワゴンRのトレッド拡幅モデルを開発、販売していました。

ダイハツのカーガイ殿、ひとつよろしくお願い致します。

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