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2014年9月30日 (火)

確定拠出年金の商品売却、そしてアセットアロケーション変更

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(これも年金運用するか!)

WATANKOの勤務先では2007年4月より、従業員の年金資産についてその1/4を対象に確定拠出年金を導入しております。

WATANKOは手元の余裕資金によるインデックス投資を始めた一方で、確定拠出年金の運用においても当初以下のインデックス投信3本、バランスファンド1本を選んでいました。カッコ内は信託報酬(税別)です。

【日本株式】
三菱UFJDC国内株式インデックスファンド(0.2%)

【先進国株式】
野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(0.25%)

【先進国債券】
DCダイワ外国債券インデックス(0.23%)

【バランス型】
三菱UFJプライムバランス(成長型)(確定拠出年金)(0.24%)
(構成)
NOMURA-BPI総合指数               17%
シティグループ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)  5%
TOPIX                          50%
MSCIコクサイ インデックス(除く日本、円換算ベース)    25%
有担保コール(翌日物)                   3%

当初この4本の投信の等分積み立てで運用スタートさせたのですが、やがてもっとシンプルにして運用上の調整をしやすくするために、運用商品をひとつに絞ることにしました。
いくつかあるアセットクラスからたった一つを選ぶとすれば何にするか。

関連記事:
シンプルなポートフォリオ①オンリーワン

というわけで絞り先としては22カ国の先進国に分散投資する先進国株式アセットのインデックス、MSCI-KOKUSAIに連動する投信、野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(以下、野村外国株式)を選定しました。

そこで先ずStep-1として数年前から毎月の年金拠出金にて積み立て購入する投信を野村外国株式1本に絞りました。

次にStep-2として今回、野村外国株式以外の保有継続する3本を売却しました。
3本の売却結果は以下のとおりです。累計で30%あまりのリターンが出ました。

注)金額単位は千円です。

201409291

売却額はとりあえずメガバンクの専用3年定期預金に預け替えています。

この結果、売却後のポートフォリオは以下のとおりシンプルになりました。

201409293

201409292

あとは最後のStep-3として定期預金の残高でもって野村外国株式を追加購入するのですが、ただいま現在の高騰してきている相場下ではなかなか踏み切れません。もうすこし相場が下がってきてからボチボチ野村外国株式を購入する予定です。

え?インデックスファンドの積立投資ならタイミングを計る必要はない?

教科書的にはそのとおりですが、WATANKOの年金資産の運用期間の残りは60歳までのあと13年あまりです。これは見方によっては長期とは言い難い期間であり、ひょっとして相場の中期的(5~6年程度か)な影響を強く受ける可能性が大きいかも知れません。そろそろリスクコントロールへの気配りを従来よりも増やしてもしかるべきでしょう。

もちろん相場が下落した際には、待ってましたとばかりに定期預金を取り崩して野村外国株式をガンガン買い入れる予定です。

またいっそ定期預金分は先進国株式と相関関係が 小さい日本債券のインデックス投信を購入して、トータルリスクの低下と預金よりはマシなリターンを得たい気持ちも少なからずありますが、残念ながらWATANKOの勤務先が委託した確定拠出年金の運用コンサルティングが用意した投信ラインアップには日本債券インデックス投信がありません。

ともかくもこれで確定拠出年金のポートフォリオはかなりシンプルになりましたのでリスクコントロールは容易になりました。

2014年9月28日 (日)

日本郵便がセゾン投信と資本・業務提携-増資はセゾン投信の次の成長につながるか

【9月26日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

27,212千円

■損益率

45.4%

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(郵便局の窓口でこれが買える日がくるのだろうか。)

日本郵便とセゾン投資の資本・業務提携が発表されました。セゾン投信の第三者割当増資を日本郵便が引き受け、同社はセゾン投信の株式の40%を保有します。業務提携の内容として現時点で発表されているのは日本郵便が全国の郵便局の店頭等でセゾン投信の商品のPR活動を行うといったものです。一方でセゾン投信の商品に関する問い合わせ、購入申し込みなどは従来通り、インターネットや電話にて当人が直接行う形式のみとしています。

プレスリリースは以下のとおりです。

「日本郵便株式会社、株式会社クレディセゾン及びセゾン投信株式会社の資本・業務提携」

セゾン投信はひふみ投資や鎌倉投信とならんでインデックス投信を選好する個人投資家にはすこぶる好評なので、このニュースもあちらこちらのブログで取り上げられています。

さてこの資本・業務提携とはどうとらえるべきか。現在明らかになっていることはごくごく限られているため、類推の域を出ませんがいくつか考えてみました。

1.配当収益狙いとは考えにくい

セゾン投信の現在の資本金は8.6億円、資本準備金は4億円です。日本郵便の払込資本の額ははっきりしませんが、増資後のシェアが40%ということは5~6億円程度でしょうか。

一方でセゾン投信の収益は直近のPLをみても最終損益は純損失、最近ようやく黒字化する水準まで純資産が積み上がったようです。それでも仮に純利益10百万円としても配当性向30%×日本郵便のシェア40%=日本郵便が手にする配当はわずか1.2百万円です。この金額ではとても出資額に見合った水準とはいえません。これから考えるに日本郵便が収益狙いでセゾン投信に投資したとはにわかには思えません。

それにそもそも日本郵便の純利益は300億円規模です。たとえセゾン投信の収益がいくら優れていても収益欲しさで増資を引き受けたわけではないでしょう。

2.日本郵便は直販投信を理解したいのか

ガリバーの日本郵便が小粒のセゾン投信の増資を引き受けた動機としては、将来を見据えて投資信託のマーケティングを検討しており、その中で直販投信もひとつのビジネスモデルとしてその経営を理解したいと考えていることぐらいでしょうか。

日本郵便の出資比率が40%ならば、同社からはセゾン投信の取締役として最低1名は派遣してくるでしょう。その取締役を介してセゾン投信の経営にかかわる内部情報が日本郵便の目にとまることは必至です。セゾン投資が伸びてきた理由、セゾン投資の顧客層の実態など日本郵便にとって知りたいことは結構あるかもしれません。

それらを得て日本郵便は自社の投資信託の拡販にどうつなげていくのか。

3.今回の業務提携内容が不変とは限らない

今回発表された「日本郵便が全国の郵便局店頭等でセゾン投信の商品のPR活動を行う」という内容は業務提携と呼ぶにはやや寂しい内容です。今後、業務提携の詳細を検討していくことのことです。

しかし郵便局とセゾンの直販にてそれぞれ相手の商品を取り扱うといった展開はちょっと想像できません。セゾン側にとっては全国24,000局の郵便局のネットワークは大変魅力的ですが、日本郵便にとってセゾンの直販にどれだけのありがたみがあるのか。

それと資本・業務提携の契約にはおそらく一定期間経過後の契約見直し条項が含まれているでしょう。3年?あるいは5年?の期限を過ぎたとき、日本郵便が思惑通りの成果を得ることができなければ彼らの意向を反映した契約更改が行われるか、株式の売却が行われるやもしれません。

日本郵便が長期に渡って安定した株主、セゾン投信の経営陣に大きな裁量を与える株主となり続けるためには、セゾン投信は増資金を得て自社事業の成長のためにそれを今後、どのように活かしていくのかがカギとなるでしょう。セゾン投信が考えている増資金の使途が顧客と株主の双方にとって大いなる利益へとつながるのか。

セゾン投信は増資金の使途についてその方向性はすでに日本郵便やクレディセゾンに提示しており、業務提携にも盛り込まれているやもしれませんが我々、外部一般の個人投資家にとってそれが一番の関心事です。

セゾン投資の次の一手に要注目です。

2014年9月26日 (金)

2014年9月の積み立て購入商品

【9月24日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

27,522千円

■損益率

45.9%

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9月に入ってあっという間に涼しくなりました。こうなってくると年末の足音が聞こえてくる気がします。←あまりに気が早いでしょうか。そろそろ温泉旅行でも企画したくなってきます。

さて各月の積み立て商品のお値段(購入単価)は如何であったか?

Notes)表中の金額単位は円です。

201409302_3

さらに9月の仕入れの結果、8月末と現在とを比較して、平均購入単価はどれくらい変動したのか?以下のとおりです。

201409303

Notes)表中の金額単位は円です。

先進国株式アセットの積み立て投資は従来からの外国株式インデックスeを200千円積み立てしていたのですが、SBIポイントが付与されるキャンペーンに応募するために、8月からこのうち100千円分の購入先をSMTグローバル株式インデックス・オープンに振り替えました。

さらに9月からは追加キャンペーンにも応募するためSMTの積み立てを更に100千円増やして200千円としています。(そのかわり外国株式インデックスeはゼロ)

その他には8月に入金されたETFの1306と1308の収益分配金を再投資すべく、ニッセイ日経225インデックスファンドを50千円購入しました。

あとは日本株式(これもニッセイ日経225インデックスファンド)と新興国株式(野村インデックスファンド・新興国株式Funds-i)を毎月積み立てしていたのですが、このところの相場上昇で今月は思わず購入を踏みとどまってしまいました。

今やひと月分の購入単価の高低が保有資産全体に与える影響なぞは軽微なものであるにも拘わらず、ついつい高値掴みを意識してしました。

もっと無我の境地に至り、相場動向に左右されずコツコツ積み立てするよう精進せねばなりません。

うーん、今月積み立てし損ねた分は来月実行したいと思います。

2014年9月24日 (水)

BNDからの2014年9月分分配金+今月の債券雑感

【9月22日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

28,269千円

■損益率

47.2%

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(いけね、BNDの記事なのにユーロを載せちまった)

WATANKOは手元にある外貨をつかって資産運用のひとつの実験ともいうべき海外債券のETFであるBNDのバイ&ホールドを実行中です。

さてBNDから2014年9月分の分配金が入金されました。今月は税引き後で257.54ドルです。これまでの推移は以下のとおりです。なお購入元本は1株80.48ドル×2,000株=160,960ドルです。

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さて債券に関する今月の雑感です。ますいっちさんのブログ ますいと世界分散投資にコメントして改めて気がついたのですが、えてしてインデックス投信においては先進国株式と先進国債券の信託報酬が同率にて設定されているケースが多いです。

SMT、eMAXIS、インデックスe、Funds-i、i-mizuho、ダイワ・インデックスセレクト...。これらインデックス投信シリーズが全て先進国株式と先進国債券の信託報酬が同じです。

先進国株式のインデックス運用と先進国債券のインデックス運用はともにオペレーションコストが同じなのでしょうか。同じもしく僅差であれば信託報酬が同じなのはわかります。しかし両者の間にオペレーションコストについての無視できない違いがあったとしたらどうか。

もし債券インデックス運用のオペレーションコストが株式のそれよりも安かったとしたら、購入者は株式インデックスよりも多くのマージンを運用会社に支払っていることになります。

またインデックス運用商品トータルで目標マージンをあげようとすれば販売が多く望めそうな株式インデックス投信は薄利多売、債券は多めのマージンをとって少ない販売量でもOKとしているのでしょうか。はたまた株式と債券の信託報酬を変えると高い方に割高感がでてしまうため、あえて同じに設定しているのでしょうか。

もし株式投信よりも債券投信の方が信託報酬を引き下げることができるのであれば、もっと販売を増やす誘因となるのではないでしょうか。

それともそもそも金融商品とは上記のような考え方があまり馴染まない商品(商品個別の原価計算の徹底が難しい商品)なのでしょうかね。ある程度ドンブリ勘定な収益管理とか採用している?

WATANKOは勤務先で現在、自社サービスの値付けに関わる仕事を担当業務のひとつにしています。日本の高い人件費やインフラコストに四苦八苦していると、ふとこのような金融商品の値付けについても関心をもつことがあります。


(おまけ)

上記であげたインデックス投信シリーズとは異なり、ニッセイだけが先進国株式に対して先進国債券の信託報酬が0.01%安いです。 
...なんて律儀?

2014年9月22日 (月)

(続)借金と投資のはざまで

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(借金返したら、すっからかんです...。)

(前回からの続きです。)

当ブログに寄せられた質問『借金をしながら投資をするのは効率的ではない。インデックスファンドを売却して、借金をすべて返済して、余ったお金のみで投資をするのが合理的である』という問いかけ対するWATANKOからの返答つづきです。

借金を続けながら投資をする理由として前回、以下を掲げました。
(理由1)一定の金融資産を保有することで今後の様々な事態への対応力を維持する
(理由2)借入金を返済する収益と資産がある
(理由3)いまのところ借入金利<運用の平均リターンである

これら理由の他に、借金と投資を併用する現状を認容する一番大きな理由があります。

それは投資を継続するモチベーションを維持したいからです。

WATANKOは過去10年間の家計において以下のとおりの出費をしてきました。

A.自宅新築費用及び修繕維持費
B.父母の介護・葬儀・相続関連費用
C.不動産投資関連支出

上記A+B+C合計で120百万円となり、この出費がWATANKO家の家計を10年間、圧迫してきました。

勿論Aについては毎年減価償却して、キャッシュフローを生んでいます。またBはどのみちいずれかかる費用でした。(父母とも他界したため今後発生は無し)Cについては新たなリターンを生むための投資です。

上述の通り各出費は発生不可避や投資にかかわるものではありましたが、この影響でWATANKOはキャッシュフロー上、10年もの間なかなか余裕資金が貯まらない時期を過ごしてきました。

それがここにきて相場好調による評価益上乗せ分もあるものの、余裕資金による資産運用の残高がようやく86百万円まで伸びてきました。本年末には余裕資金をさらに追加して90百万円を超過する見通しです。これまでのA、B、Cの出費があった一方で資産形成の方もようやくここまできたかという感慨もちょっとあります。(でもまだ全然、道半ばです。)

金融資産の残高が積みあがっていくことは何より長期投資のモチベーションUPに繋がります。達成感を噛みしめ、明日も節約してお金も貯めよう、投資しようという気にさせてくれます。しかしここから66百万円を借入金の返済に充ててしまうと、差引後残高20百万円からの再スタートとなり、インデックス投資をスタートさせた初年度の水準にまで後退してしまいます。

東京-大阪間の新幹線区間に例えれば、東京を出発して新富士まで到達したのに、新横浜の先あたりまでまた戻るという感じです。たしかに借入金がなくなったため年間で捻出できる余裕資金は従前より相当UPしますが、6年半の資産運用のかなりの部分がチャラになることへの心理的な抵抗は少なくありません。これは正直いってかなりのガッカリです。

さて借金と投資を併用している理由について前回とあわせて4つ挙げました。どれもつきつめて考えてみれば合理的とは言い難い面があるのは承知です。ひょっとして今後さらに金融資産の残高が積み上がる一方で、借入金の残高が減少していけばどこかの時点で繰り上げ返済を実行するかもしれません。

しかしながら今はインデックス投資を継続するモチベーションを優先したいです。

(あとがきにかえて)

投資ブログというと、ブロガーの方々はひたすら合理的な判断を下敷きとした素晴らしい記事が書かれていることが多いです。しかしながら今回のWATANKOのこの駄ブログ記事はかなり心情面を重視した内容としています。借入と投資を併用すること自体はたしかに合理的とは言い難いですが、一方でそれでは致命的に問題であるかというとさにあらず、個人投資家それぞれがおかれた環境と経験と心情によって併用の有無と程度が決まるでしょう。

2014年9月21日 (日)

借金と投資のはざまで

【9月19日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

28,386千円

■損益率

47.4%

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(借入返済が優先とはわかっちゃあいるが...。)

先日の不動産投資のブログ記事をUPする中で、閲覧いただいたインデックス投資派さんから以下ご質問をいただきました。

『賃貸物件の建替えで、かなりの額の借り入れ金があると何かの記事で見た気がしたのですが、借金をしながら投資をするのは効率的ではないように思うので、インデックスファンドを売却して、借金をすべて返済して、余ったお金のみで投資をするのが合理的な気がするのですがいかがでしょうか?』

上記ご質問内容のとおり、WATANKOは不動産投資のひとつとしてアパートを運営しており、その建築費用の9割弱を借入金によってまかなっています。現在の借入金の残高は66百万円です。

このような状況下、WATANKOもご質問内容を課題として捉えておりました。ファンドの運用状況が評価損にまみれている状態の頃は売却損を嫌気し、とても現金化→借入金を繰り上げ返済とする気にはなれませんでした。しかし評価益がしっかりと出ている昨今では借入金を返済するチャンスではないかという機運が頭をもたげています。今、返済すればお得ではないかと。

この課題について現在のWATANKOの考えはネガティブ、つまり借入と投資は当面併用するとしています。その理由は次のとおりです。

(理由1)一定の金融資産を保有することで今後の様々な事態への対応力を維持する

現在の金融資産(資産運用の残高+その他の現預金及び同等物等)から借入金を返済することは可能ですが、その結果として返済後は金融資産の残高がおよそ半減してしまいます。

WATANKOは不動産投資を行っているため、たとえ新規投資をせずとも既存物件にかかわる更新や修繕等の事由により今後も何かとまとまった資金需要がでてきます。また予想外のなにがしか大規模な資金需要とて発生するやもしれません。

そういった不測の事態に対処するすためにはどれくらい金融資産を保有しておけばよいか正直なところ明確な答えはありませんが、一定の金融資産を保有することにより、今後の様々な事態への対応力を維持したいと考えています。


(理由2)借入金を返済する収益と資産がある

借入の目的が自ら住居取得用であればそれは単なる費用の塊といってもよく、一刻も早くの返済を完了して債務不履行のリスクから脱却すべきです。しかしながらWATANKOの場合、その借入金の返済原資としてアパート運営の収益を充てることができます。

さらに万が一債務不履行の事態に陥れば、そのアパートを手放す手段もあります。住居用の借入金の債務不履行で物件を明け渡すということになれば翌日からの生活に難儀するでしょうが、アパートのような事業用不動産の場合、その処分で借入金を弁済できる(あるいは借入金残高が残ってもかなり減少できる)という最終手段もあります。

以上のとおり事業用不動産にかかわる借入金である場合、収益を全く生まない資産に対する借入金に比べて、楽観視しています。

(理由3)いまのところ借入金利<運用の平均リターンである

これは危険な考え方であることは重々承知でありますが、現在のところ借入金利<運用の平均リターンです。勿論ながらリーマンショックからしばらくの間は借入金利>運用の平均リターンでありましたし、将来また同様の展開となる可能性もあります。

とはいえ現在直ちに金融資産と借入金とを相殺すべきという切迫感がないのも正直な心境です。

(つづく。あと一つの理由が長いので次の記事にします。)

2014年9月19日 (金)

Intermission 2014/9/19-「あの土地を埋め立てろ」あとがきにかえて

★WATANKOが過去に体験した最大・最悪の不動産投資について、11回にわたってブログ記事にて紹介しました。W田畑の賃貸話を最初に聞いてから10年の年月が過ぎ、いまだに苦々しく思うところもありますが、一方でどこか懐かしい思い出となっているのもまた事実です。

★なお本件に絡んでは、かつて北側隣地の造成工事を担当した工事業者の倒産とその社長の自殺など色々とサブエピソードもあるのですが、造成工事計画の遂行に直接関係のない話は割愛しています。また大林のクレーム後の排水ルートの見直しにあたっては二転三転と四苦八苦したのですが、図表を開示した詳細説明も難しいため詳しい説明も省いています。ブログ記事はテキストだけの内容でしたのでわかりにくかった面もあろうかと思います。不明点あればご質問ください。

ちなみに各ブログ記事冒頭の写真は実際の現場を写したものです。場所の特定に繋がる情報が映っている部分はトリミングしていますが、擁壁との境界の状態や田畑が水浸しになった様子が少しでもリアルに伝わったかなと思います。

★W田畑を造成して自動車ディーラーの駐車場として賃貸開始してから7年以上が経過しました。これまで大林の妨害その他のトラブルは出ていません。斉藤氏は古くから地元の名士の一人といわれていたようですが、一方で自宅を新築する際に斜線制限を無視した建築を行い、隣人から訴えられて一時工事がストップするなどのトラブルなども過去に引き起こしています。(違法な建築工事を請け負った業者にもあきれますが...)唯我独尊のトンデモ名士です。

また北側にある齊藤氏の所有地は未だに売却の目途が立っていません。当の本人も近所から聞くところによると高齢のためか、数年前から隣町の病院に入院している模様です。

★亡父から実家の不動産賃貸業を引き継いだWATANKOは、いろいろとトラブルを経験してきましたが、なかでも今回の造成工事は貴重な経験となりました。

これを活かすべく今回の記事は実名+今後のアドバイス入り詳細バージョンをWATANKO家の引継書に残しています。WATANKOの息子たちがその記録を活かして目の前に現れた困難に立ち向かえるように。しかしできることならそのような困難が降りかかることがなく、健やかに過ごせる日々がくるように祈りつつ書き留めています。

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最後になりますが、この記事を読んでも、「自分の場合は中古マンションへの投資だからこれほどのトラブルはおきないだろう。」と判断して現物不動産への投資を続ける御仁におかれまして、どうかトラブルが降りかかることのないようお祈り申し上げます。

あの土地を埋め立てろ-(その11)御礼、そして次の資産運用へ

【9月18日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

27,814千円

■損益率

46.4%

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(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 完結です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人
・水川氏:WATANKOの代理人となった弁護士

W田畑の造成工事については隣地の所有者との協議、水浸しのトラブル、悪意あるクレーマーの出現とその対応と2年8カ月の間に様々な出来事がありましたが無事、計画完遂することができました。

大林とのトラブル対応にあたっては自動車ディーラー、工事業者、不動産業者川越氏、市役所の都市計画課の方々から協力をいただきました。(ブログ記事中では細かいエピソードは割愛しましたが、いろいろと御支援をいただきました。)

なかでも苦境に落ちいったWATANKOを何度も励ましてくれ、工事計画を粘り強く見直してくれた土地家屋調査士の山野氏とその奥様には感謝の気持ちで一杯です。

今回の不動産投資においては開発申請手続きと造成工事、それぞれには途中中断、変更・追加が発生して、結局トータルコストは23百万円かかりました。これに対して賃料の表面利回りは11.5%です。幹線道路から離れた事業用の価値に乏しい変形土地の活用としてはまずますです。自動車ディーラーを相手とする土地だけの賃貸なので他の事業用賃貸に比べてリスクは少ないと想定しています。

WATANKOはこうしてまたひとつ所有地を将来の収益に結びつけることができました。その成果は子供達にしっかりと残したいと考えています。

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不動産投資とりわけサラリーマンが兼業として行うそれを指すときには、新築ないし中古の居住用不動産物件をポンと買って(時には修繕やリフォームなど手をかけることもありますが)賃貸に供し、その物件の収益性と市場価値の推移をにらみながらどこかで売却するという一連の投資サイクルをイメージすることでしょう。

WATANKOが半ば家業としてやっている不動産投資(いや事業か)は、もともと所有する田畑や更地を(時には上物を自ら建てながら)賃貸して、収益を上げるという行動であり、そこには様々な制約が最初からありまして、上記のサラリーマン不動産投資とは趣が異なります。

しかしW田畑の造成工事に例示されるように、不動産投資に多くの苦労を重ねてきたWATANKOとしては別途新規に物件を購入し、賃貸し、うまく売却して手仕舞うといった不動産投資サイクルには気軽に乗り出す気持ちにはなれません。

現物不動産を持てば、そこに大なり小なりのトラブルが発生するリスクがあるでしょう。サラリーマンが現物不動産を活用し始めたとき、そこに待っているのは出口が見えないトラブルの連続かもしれません。トラブルはいつおきるかわかりませんし、その解決のために自分自身ができることも限られます。かかる費用も千差万別です。

それにくらべれば株式、債券、投資信託など証券投資のなんとラクチンなことか!(REITだってあります。)このようなコマーシャルペーパーを買う行動は、現物不動産を扱うことに比べてはるかに手間いらずでストレスも少なく、流動性や価格の透明性も保たれています。現物不動産よりも高いリターンを狙うこともできます。

W田畑の造成工事が終わって、しばらくたってから貯まった余裕資金を投じる資産運用を考えたとき、WATANKOの頭に証券投資が浮かんだことは必然であったといえるでしょう。

こうしてW田畑の造成工事計画の完了からおよそ半年余り経て、WATANKOはインデックス投資による資産運用を始めることになります。


長編ブログ記事 『あの土地を埋め立てろ』  

おわり


関連記事:
あの土地を埋め立てろ-(その1)田畑の再活用
あの土地を埋め立てろ-(その2)隣地の所有者との協議の日々
あの土地を埋め立てろ-(その3)排水不良で田畑が水浸しに
あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工
あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場
あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動
あの土地を埋め立てろ-(その7)悪意をもつクレーマーへの対策
あの土地を埋め立てろ-(その8)悪意をもつクレーマーとは交渉せず
あの土地を埋め立てろ-(その9)工事再開に向けた日々
あの土地を埋め立てろ-(その10)帰国、そして

2014年9月18日 (木)

あの土地を埋め立てろ-(その10)帰国、そして

【9月17日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,928千円

■損益率

44.9%

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(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第10話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人
・水川氏:WATANKOの代理人となった弁護士

W田畑の工事は無事再開し、大林からのクレームがなりをひそめてからしばらくして、WATANKO家は海外転勤を終えて無事帰国しました。

やがて無事に工事は完了し、市役所の検査も滞りなく行われました。あとは市役所から最終的な検査完了・合格の通知を待つのみとなりました。

しかしながら普段であれば市役所からは検査が終わればただちに完了・合格の通知が出されるのですが、ここにきて市役所からなかなか結果が出されてきません。担当者に聞くと、どうやら大林の動向を気にして様子を見ている模様です。以前、開発行為を許可した後に大林に騒がれたことからここにきて慎重になっているのでしょうか。

この後におよんで出てきた市役所の小心さ加減に困ったWATANKOは、山野氏と協議して、水川弁護士に市役所に対してプッシュしてもらうことにしました。許可された開発行為を適切に行い、検査も完了しているにもかかわらず完了・合格の通知が速やかに出ないのはどういう理由なのか。水川弁護士からのこの真正面から問いかけに反論の余地もなく、ほどなく開発行為の検査完了・合格の通知を受領することができました。

こうして最初に不動産業者の川越から打診があってから2年8か月を経てようやくW田畑の造成工事は完了し、自動車ディーラーの隣接駐車場として賃貸利用に供されることになりました。

開発申請費用と工事費用の合計は当初から2割程度増えましたが、無事完了したので無駄にはなりませんでした。水川弁護士への報酬も数万円という小額にてすみました。

そしてWATANKOは帰国後、骨折した足に埋められてボルトを除去する手術を行い、無事もとどおりの生身だけの健康体に戻りました。

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さてW田畑の造成工事を完了して賃貸を開始した今、WATANKOが考えることは唯一つです。

斎藤氏と大林に対する容赦なきリベンジです。

こちらがうけた被害と苦痛、それはWATANKOのみならずWATANKOの父の分もあります。せめて父の分だけでも晴らさずにおくものか。こちらは今や心身は万全、相手より年齢も若くて時間だっていくらでもある。父が負担させられた排水ルートの工事費用の返還と恐喝にも似た恫喝行為に対する謝罪と慰謝料支払いを求める。裁判上等。たとえこちらの勝算が薄くとも相手を裁判沙汰に長期間引きずり込んで、最後の最後まで徹底的に戦う。高齢である斎藤氏と大林の晩年を係争まみれにして精神的に追い込む。

早速、工事費用の返還請求を内容証明書にて送りつけてやるか。

怒・怨・怒・怨・怒・怨・怒・怨・怒・怨・怒・怨・怒・怨・怒・怨

こうした怒りと怨嗟で頭の中が一杯、ダークサイドに陥っていたWATANKOに対して、山野氏と水川弁護士は冷静になるよう大分諭してくれました。またWATANKOの妻も工事が無事完了したので、これ以上の揉め事には反対でした。

WATANKOはしばらくは自分の気持ちにおさまりがつきませんでしたが、こうした周囲からの声もあって、徐々に落ち着きを取り戻すようになりました。確かに考慮すべきことは多々あります。

W田畑以外にもWATANKO家の所有地の中には、斎藤氏の所有地の隣地に位置するところがあり今回係争が拡大すれば、それら所有地の将来利用にも悪影響が出かねません。

また子供達の世代にまでこうした遺恨を引きずり、迷惑をかけるようなことは避けたいです。

何よりこれ以上諍いを続けても、心情面はさておき経済的に得るものは乏しそうです。

そしてWATANKOの父もかつて同様に、将来を見据えて余計な諍いを避けたのでしょうし、なによりWATANKOが大林と同様なダークサイドな行動にとること、すなわち大林と同種の愚劣な人間に陥ることはやめるべきと気がつきました。

父がWATANKOに授けてくれた知恵と実行力は、このような行動のために使うべきではありません。

工事計画の遂行という当初の目的は達成しました。これ以上、相手を追い込むことの無益さを理解したWATANKOは怒りと怨嗟の矛先を徐々に収めるようになっていきました。

ただし将来、斎藤氏ないし大林側から再び何かいわれなきクレームが来たときは、妥協なき戦いを挑むつもりです。専守防衛といったところでしょうか。そういった気持ちまでに留めておくことにしました。

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あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場
あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動
あの土地を埋め立てろ-(その7)悪意をもつクレーマーへの対策
あの土地を埋め立てろ-(その8)悪意をもつクレーマーとは交渉せず
あの土地を埋め立てろ-(その9)工事再開に向けた日々

(つづく。次回で完結です。)

2014年9月17日 (水)

あの土地を埋め立てろ-(その9)工事再開に向けた日々

【9月16日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,860千円

■損益率

44.8%

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1030379_img

(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第9話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人
・水川氏:WATANKOの代理人となった弁護士

WATANAKOの海外転勤に伴い、水川弁護士を代理人として立てて大林への今後の対応を一任しました。

大林に対して代理人を立てた旨を伝える手紙を送ると早速、同人から水川弁護士のところへこれまでと同様にクレームの連絡が入ったそうです。もちろん交渉のプロである水川弁護士は一歩も引かず、大林の法的根拠のない主張をあしらうだけに終わり、大林のクレームは空回りに終わりました。

それどころかこちらが弁護士を立てたことで、大林はそれなりに警戒を始めた模様です。具立的な妨害行動に出れば、WATANKO側が法的な対策を講じてくると想像したのか、以降大林のクレームは止まり、小康状態が続くようになりました。

一方、WATANKOはというと海外の転勤先から月に何度かFAX、メールや電話で山野氏と打ち合わせを重ねて工事再開に向けた計画見直し内容を詰めていきました。数か月おきに業務出張で日本に行くときにはついでに山野氏や工事業者を訪ねて現況を聞いたりしていました。また山野氏のアドバイスに応じて、市役所の都市計画課に対しても今回の騒動にいたる経緯詳細(大林の言動ふくめて)や現況の説明資料を作成、提出し続けました。

時には海外の転勤先で夜に仕事を終えた後、事務所にひとり残って上述の資料を作ることもしばしばです。WATANKOは自身が現場を離れ、遥か遠くからこうしたアクションしかできない現状に歯がゆさを感じざるを得ませんでしたが、山野氏を信じて計画の見直しが進捗することを待つほかありません。

排水ルートの見直しは再三にわたって行いました。当初は隣接する自動車ディーラーの地下の排水管につなぎこむアイデアもありましたが、その先で国道下の集合排水管につながる途中で斉藤家の敷地の排水管を通るルートになっているため、このアイデアは断念しました。自動車ディーラーとの敷地の所有者までも巻き込みかねない事態を避けるためです。

結局のところW田畑に貯まった水は大半はそのまま地下に浸透する設計としましたが、それでも浸透量を超えて生じる排水の逃げ道として、ディーラー建物を外周沿いに迂回するルートを設けることにしました。

やがて年が明けて2007年、工事内容の追加・変更を反映した開発申請の許可がおります。WATANAKO、山野氏、水川弁護士、工事業者の四者はこれをうけて、工事の再開をひそかに準備します。

工事にあたってはまず北側隣地の擁壁まで一杯に盛った土の撤去が最優先です。工事再開初日から最短のスケジュールで盛り土の撤去を行うよう計画しました。

そしてついに2007年春に工事再開を強行します。

当初は盛土を撤去する際に大林から何らかの妨害があるかと予想されました。しかし大林も毎日現場の様子をチェックしに来ているわけではありません。その隙を狙って工事を強行再開したわけです。

やがて現場で工事が再開されたことを知ると大林は水川弁護士に再びクレームをつけたようですが、水川弁護士は大林のクレームをはねのけます。そして大林の言動もここまででした。現場の工事を妨害するような行動にでることはなく、引き下がった模様です。やはりこちらに弁護士がついたことによって迂闊な行動をとることは不味いと考えたかもしれません。

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あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動
あの土地を埋め立てろ-(その7)悪意をもつクレーマーへの対策
あの土地を埋め立てろ-(その8)悪意をもつクレーマーとは交渉せず

(つづく)

2014年9月16日 (火)

あの土地を埋め立てろ-(その8)悪意をもつクレーマーとは交渉せず

110_1038no8

(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第8話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人
・水川氏:WATANKOの代理人となった弁護士

WATANKOは日本を離れるにあたって山野氏、水川弁護士と今後の大林への対応ならびに工事の再開についての方針打ち合わせを行いました。

1.大林への対応

大林については当方に無理難題な要求を突き付け、かつこれまでの関係者に対する行動を鑑みれば、当方との間に妥協や歩み寄りが期待できるような相手ではないことは明白です。また大林の要求は当方としても全く受け入れがたい内容です。

よって今後は大林との間に一切の交渉を持つことはやめました。法的に最低限の通知が必要な場合を除いて、一切無視することとします。テロリストならぬ悪意をもつクレーマーとは一切交渉しません。

大林に対してはWATANKOの代理人として水川弁護士を立てたことを書面にて伝え、以降の大林への対応を水川弁護士に一任しました。

2.工事内容の見直し

当初、W田畑の造成に伴って、当地にて溜まった雨水は北側隣地の中に通された排水ルートにつなぎこむ計画でした。この排水ルートはWATANOKの父が工事費用を負担したものでもありますし当然の処置でした。

しかしながら、その排水ルートを備える北側隣地の所有者斎藤氏(とその代理人の大林)との関係がこれほど悪化した今となっては、この排水ルートを使うことは引き続き斎藤氏らに当方へのクレームの根拠を与える可能性を残すことになります。

したがって別の迂回排水ルートを設けてそちらに流し込む計画へと変更することにしました。もちろんこれによって開発申請内容の一部やり直しや別の排水ルートを設けるための追加工事が必要であり、追加コストの発生は不可避です。しかしながら斎藤氏の所有する北側隣地に対して何らかの関係を保ち続けることが、将来にわたっての何より高い追加コストとなる可能性が高いと思われます。そこでここで完全に斎藤氏所有の北側隣地とW田畑との間の一切のつながりを断つことにしました。

それと北側擁壁まで盛ってしまった土について、大林が何といおうと撤去します。その上で北側隣地との間には側溝を設けて排水については縁を切るようにします。

さてこうして大林への対応と工事内容の見直しに関する方針を決めたところで、2006年の春にWATANKOは家族とともに海外転勤のため離日しました。

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あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工
あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場
あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動
あの土地を埋め立てろ-(その7)悪意をもつクレーマーへの対策

2014年9月15日 (月)

あの土地を埋め立てろ-(その7)悪意をもつクレーマーへの対策

1030374_imgno7

(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第7話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人

WATANKOは自身が海外転勤で日本を離れる間、本件の対応の代理人を弁護士に頼むことにしました。しかしながら早速WATANKOが住む街で唯一の弁護士事務所を訪ねて、本件の対応の代理人をお願いしたところ、その街の弁護士は申し訳なさそうに断ってきました。

理由は以前、大林が経営する駐車場で訴訟トラブルが発生した時にこの弁護士が大林の依頼をうけて調停した経緯があるため、今回の件で今度は大林を向こうにまわして係争することは遠慮したいというわけです。

過去の依頼主を今度は敵にまわして相手したくはないという本音について心情的にはわかりますが、それって弁護士としてどうなのよ。小さい街で商売するなら、今回のようなケースだってあるでしょうに。WATANKOはこの弁護士には何かまだ裏があるのかと勘ぐりたくなってしまいました。

とはいえ頼みの綱の地元の弁護士から断られ、当時のWATANKOはかなりふさぎ込みます。この時は前述のとおりWATANKOは既述したとおり海外転勤の直前準備や、手がかかり始めた幼い次男の世話、亡き父の相続手続きに一周忌法要の準備も加わり、さらには自分の交通事故からのリハビリと心身ともに疲れ切っていました。

そこへきて悪意をもった大林との出口の見えない消耗戦のような様相です。大林の要求など勿論呑むことはできませんが、一方でこの争いを続けることにWATANKOは嫌気がさし、一時は計画自体を中止することが今後のコストとリスクの増加を抑制する意味でも最良の方法かとも考えました。

余談ですが、もしタイムマシンがあれば今のWATANKOがこの2006年に乗り込んでいき、当時の疲れ切ったWATANKOに代わって全力で反撃開始、あらゆる法的手段をとり、裁判も辞さず、斉藤氏をも巻き込んだ大林との全面闘争に突入したことでしょう。

こうして大林の妨害に屈しかけたその時、山野氏とその奥さん(山野氏同様に土地家屋調査士であり事務所を共同経営している模様)から、

「WATANKOさんは違法行為をしているわけはありません。大林に対して恭順する必要はありません。大林がWATANKOさんに対して今後何か危害をくわえるようなことがあれば、それこそ堂々と法的な対抗手段に訴え出ればよいのです。」

とWATANKOをとても励ましてくれ、そればかりか知人のつてを頼って隣町の弁護士を紹介してもらうことになりました。

ちなみに後でわかったのですが、この山野氏は土地家屋調査士である一方で、地元で民生委員もされている方であり、これまでもWATANKOに大なり小なりのアドバイスをいただいていました。

こうして山野夫妻とともに隣町の弁護士 水川氏を訪問し、経緯を説明して大林側から要求、嫌がらせ、不法行為、訴訟などが行われた場合の対応もふくめてWATANKOの代理人を引き受けてもらうことになりました。

山野夫妻いわく水川弁護士は経験豊富なベテランとのこと。たしかにみるからに人権派弁護士のような気骨ある印象であり、かつ沈着冷静なタイプに見えます。

こちらの反撃のターン、開始です。

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あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工
あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場
あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動

(つづく)

2014年9月14日 (日)

あの土地を埋め立てろ-(その6)悪意をもつクレーマーが引き起こす騒動

【9月12日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

27,200千円

■損益率

45.4%

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1030377_imgno6

(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第6話です。展開は混沌としていきました。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり自称代理人

境界線上の盛り土のトラブルに端を発して無理難題な要求と暴言をWATANKO側につきつける大林は、一方で市役所の都市計画課に対してもW田畑に対する開発申請を許可したことについてクレームをつけました。いやもっと正確にいえば市役所内にて大声で怒鳴り散らし、騒ぎ立てているというわけです。

都市計画課の担当者によると、大林は以前にも産業廃棄物関連の事案にて市役所に怒鳴りこんできた過去があるクレーマーとのこと。そのうちやくざ紛いの業者とつるでいるとかいう未確認情報も入ってくる始末です。

ここまで得た情報から大林がまともな話ができる相手とはいいがたいです。また斉藤氏と直接交渉する手もありますが、どうせ即座に大林がしゃしゃりでてくるとは明白でした。

そうこうしているうちに二度、三度と大林は市役所にやってきて、相変わらずW田畑の開発申請は違法だ、取り消せと根も葉もないことを言って騒いできます。

田舎町のお役所なぞはトラブルを避けたいでしょうから、やがて「隣接土地所有者との紛争があり、これを解決するまで開発許可を一時停止する」なんて言い出しかねません。そんなことにでもなればまさに大林にとってゴネ得ではありませんか。

そうでなくとも各種届け出や許認可には有効期限があり、あまり中断時期を引き延ばすわけにはいきません。

現時点では都市計画課としては開発行為の要件は満たしており、許可も出しているのだから決定は覆らないこと、また同課の担当者は大林のクレーマーぶりを知っており、同人の主張は筋が通らないため、心情的には圧倒的にWATANKO寄りになってくれています。しかしクレームが長引けば、市役所内の役人の間でどうなることやら。

一方でWATANKOに本件を仲介してきた不動産業者の川越氏も大林にコンタクトして穏便な解決の道を探ってくれたようですが、大林の態度は相変わらずでした。川越氏いわく「大林のWATANKOさんへの要求、ありゃあハッキリ言ってただのイチャモンですわ。」と匙を投げる始末です。

実は川越氏は造成済みの北側隣地の売却を斉藤氏から以来されており、その経緯もあってもともと大林と面識がもともとありました。川越氏いわく北側隣地の売却がなかなか進まない一方で、W田畑の活用が進行することに対するやっかみもあったのかとのこと。WATANKOにとっては斉藤氏/大林の懐事情などどうでもよいことでしたが。

そしてWATANKO側にとって最大のネックは、海外転勤まで残り2ヶ月を切った現在では今後の対応など諸々を検討、実行してトラブルを収束させるまでの時間はあまり残されていないということでした。

そこで山野氏と相談した結果、WATANKOが海外転勤のあとには弁護士を代理人として立てて事にあたってもらうことにしました。

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あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工
あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場


(つづく)

2014年9月13日 (土)

あの土地を埋め立てろ-(その5)悪意をもつクレーマーの登場

112_1241no5

(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第5話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者
・大林:斉藤氏の義弟であり代理人

W田畑の造成工事が半分程度すすんだ2006年1月の半ば、W田畑で工事作業をしている工事業者のところへ北側隣地の所有者である斉藤氏の代理人と名乗る大林という年配の男が訪ねてきてクレームをつけてきました。彼の主張は以下のとおりです。

『北側隣地との境界線から15cm後退したところに北側土地の擁壁があるが、WATANKO側は境界線から15cm後退した当方の土地部分に勝手に盛り土している。即刻、工事を中止しろ。』

この第一報をうけて、山野氏と一緒に大林と面談することになりました。

その面談の矢先、母から大林について過去のエピソードを聞くことができました。

*大林は北側隣地の所有者である斉藤氏の義理の弟であり、市内で駐車場業を営んでいる。

*1~2年前、北側隣地の土地が造成工事されることに伴い、W田畑の排水ルートの確保が心配になったWATANKOの父が市役所に問い合わせ、排水ルートについて改善要望を伝えた。

*すると大林が父のところに怒鳴り込んできて、「なぜ市役所に連絡した!」とその行動を非難した上に、排水ルートを確保してほしければ排水管を埋設するが、その工事代を負担するよう要求した。

*父はしぶしぶこれを受け入れ、工事代を支払し、排水工事は施工された。

ところがこの工事の結果、設置された排水ルートは過日の水浸し事件からもわかるとおり、満足に機能していません。どうやら排水口に不具合があり雨水が適切に流れ込まない形状になっています。しかもそんないいかげんな工事の代金を自らではなく、老齢な父に負担させた男が大林というわけです。

もしその場にWATANKOが居合わせたならば、絶対に阻止したであろうし、その後であっても支払った工事代金を取り戻すべく行動を起こしたでしょう。

さてこうしたいきがかりがある大林と、造成工事現場の仮設事務所内にて川越氏とともに面談しました。

山野氏と事前に確認した限りでは、北側隣地との境界線の確認時においては境界付近の取り扱いに関して斉藤氏と取り交わした内容が口頭ベースの曖昧なものでした。したがいこちらが境界線を越えて擁壁に接するところまで土を持ってしまったことについての事前合意の物的証拠を出すことが難しいため、一定の過失を認めて土を直ちに撤去する旨を大林に説明するつもりでした。

しかしながら面談の席上、大林が提示した要求内容と発言は以下のとおりです。
(以下は当時、市役所向けに作成した説明資料からの抜粋で仮称以外は原文のままです。特に発言は大林の肉声内容そのままです。なお斉藤家の土地とは北側の隣地を指します。)

<大林の要求内容>

1.境界を越えて斉藤家の土地側に盛り込まれた土は斉藤家の所有物である。土を斉藤氏の許可なく撤去することは禁じる。

2.斉藤家の土地の擁壁まで盛り土したければ、擁壁の施工にかかった費用の半分をWATANKO家が補填すること。

3.かつて斉藤家の土地の造成をした際に排水管を埋設した箇所は基礎杭を打てない(建物建てられない)土地になってしまっている。土地の価値が棄損している。斉藤家のこの土地部分(配管が埋まっている部分)とWATANKO家の土地部分(斉藤家の土地との隣接部分)を交換すること。交換比率は斉藤側1に対してWATANKO側5。

4.W田畑から現在ある斉藤家の土地の排水管への排水ルートつなぎこみにかかる追加工事費用はWATANKO家が全額負担すること。

<大林の発言>

「人の土地に勝手に砂をいれた。これは刑事事件である。

「砂を取り除けば済む話ではない。泥棒が盗んだものを返せばそれで許されるのか?。」

一度いれた砂の所有権はこちらにある。勝手に取り除かないように。」

「私はこのままほうっておいてもらってもかまわない。決着がつくまで何年かかっても結構だ。その間、工事はずっと中止しておくこと。

「(斉藤家の土地の造成の折)、WATANKO家と長谷部家からはいじめられた。同じように仕返しをしてやる。(WATANKO注:以前、父が市役所に要望した排水ルートの確保のことを指す。完全なる逆恨み。)」

境界処理は相手が喜ぶようにやるもんだ。

「(大地主でもある)斉藤家は家の格がWATANKO家と違う。その斉藤家に対してよくもこのようなこと(上述のクレーム)をしてくれたな。」     

土の所有権が移る?擁壁工事費用を補填しろ?排水管が通る細長い土地を交換比率1:5で取り替えろ?大林側のこの常道をあまりにも逸した勝手な要求にWATANAKOは山野氏ともども呆然としました。

また大林のこの半ば荒唐無稽、逆恨みな発言からわかるとおり、この大林なる人間がまともな交渉をするに値する相手とはいえないことが瞬時にわかりました。

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あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工

(つづく)

2014年9月12日 (金)

あの土地を埋め立てろ-(その4)いろいろと忙しい日々、そしてやっと着工

【9月11日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

27,115千円

■損益率

45.2%

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(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第4話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者

水浸しのトラブルから数ヶ月がたった2005年8月、ここにきてWATANKOに勤務先から翌年4月からの海外転勤を打診されるという事態が起きました。行先は東南アジア某国、家族帯同もOKという内容でした。

この件を妻に話すとびっくり仰天でしたが、家族帯同だということで一致団結して出発することにしました。問題は海外転勤の開始までにW田畑の造成工事が無事完了するかどうかです。

さてそのW田畑の造成工事ですが、山野氏とは何度か打ち合わせを重ね続けていますが、開発申請はなかなか進みません。

というのも正式の申請を行う前には事前協議という公式だか非公式だかよくわからない役所との事前折衝のステップが数多くあるとのこと。ここで申請内容をひとつひとつ事前に審査して問題点があれば再検討を行い、市役所と再度折衝を行います。こうして本申請で引っかかりそうな事項をあらかじめつぶしておくのが通常のステップとのこと。つまり開発申請は事実上スタートしているというわけです。

しかしこのままではうまくいって、来年4月の転勤直前にギリギリ工事完了です。または工事完了が海外転勤後になってしまった場合、賃貸先への引き渡し時にWATANKOが不在という展開は果たして問題ないか不安が募りました。

そのような不安がある一方で勤務先での海外転勤に関する業務準備、家族含めた海外生活の準備、春先に亡くなった父の遺産の相続手続きなど等に忙殺される日々が続きました。もともと長距離通勤で平日はあまりプライベートな時間がとれないことと当時1歳半の次男の育児にも手がかかっていたという事情もあり、WATANKO家は夫婦ともども心身が相当疲れていました。

そこへきてなんとある朝、WATANKOは通勤時に交通事故にあってしまい左足骨折の重傷を負ってしまう事態も発生しました。骨折箇所をボルト止めする手術を行い3週間の入院を経てリハビリ開始です。

今思い出しても、この頃はまさに満身創痍・疲労困憊な日々でした。

そんな中、2005年の晩秋になってようやく開発申請に対する許可が下りて無事着工の運びとなります。

手こずった許認可関連も一区切りつき、これでようやく着工です。このまま問題なく進捗してほしいと願いつつ2006年の新春を迎えました。ああ、この土地活用計画ももうすぐゴールを迎えられそうだと、ヤマを越した気持ちで一杯でした。あとは怪我を直して無事、海外転勤開始だと。

ところが明けて2006年の1月の半ば、そんな安堵感を吹きとばすほどのトラブルに見舞われます。

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あの土地を埋め立てろ-(その3)排水不良で田畑が水浸しに

(つづく)

2014年9月11日 (木)

あの土地を埋め立てろ-(その3)排水不良で田畑が水浸しに

【9月10日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,947千円

■損益率

45.0%

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

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(前回からの続きです。)

WATANKOは所有する田畑土地(以降、W田畑)を造成、更地にして隣接する自動車ディーラーに賃貸する計画を実行することにしました。その体験談 第3話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者
・斉藤氏:北側の隣地の所有者

W田畑の隣地所有者である渡部氏や長谷部氏との協議を経た矢先、施設に入所していた父が亡くなりました。とても悲しい出来事でしたが造成工事の計画を止めるわけにはいきません。開発申請のための準備をWATANAKOは粛々と進めていきました。その矢先、2005年の春にとんでもないトラブルが起きます。

なんと春の長雨が続いたせいか、W田畑の土地の7~8割方がすっかり水浸しになってしまったのです。水浸しになったのはW田畑だけでなく東側の隣地も敷地のほぼ一面が水浸しです。
しかし不可解でした。いくら長雨があったとしても以前からこんなあたり一面が水浸しになることはありませんでした。

よく見てみると北側の地にある擁壁が雨水を堰き止めており、このため雨水が排水されずW田畑と東側の隣地が水浸しになってしまっていることがわかりました。

北側の隣地は以前は田圃でしたが、1年ほど前に造成工事を行い盛土をして周囲を擁壁で囲んでしまったのでした。その擁壁が雨水を堰き止めてしまったというわけです。

この事態への対処をお願いすべく、WATANKOは北側隣地の所有者である斉藤氏のところに出向きました。丁度その時、同じく水浸しにあった東側隣地の所有者の長谷部氏とも出くわしました。長谷部氏もまた水浸しの事態に怒り心頭です。特に長谷部氏はこの東側の所有地でこれから稲作をするため、今回の件で稲作に悪影響がでれば補償してもらうと息巻いています。

(このオヤジ、よく言うよ。境界線の見直し協議の一方的な打ち切りの件は忘れていないからな、と思いつつ)ここは長谷川氏と共同戦線を張り、斉藤氏に対して水浸しの状態からの復旧を要求しました。

W田畑と長谷部氏の土地の大半が水浸しになる異常事態をうけて、斉藤氏側には反論の余地もなく、復旧対応をする旨を確約してくれました。

さてここで排水の問題について、少し補足します。

整備された住宅地街であれば雨水の排水ルートはきちんと確保されているのが通常です。各住宅の側溝に流れ込んだ雨水は目前の道路下の排水配管に流れ込み、それがやがては幹線道路の大型の集合管へと集められて流れていきます。

しかし郊外の土地の場合かならずしもこのような排水配管が整っておらず、大抵が地面に直接浸透して地下雨水として吸収されたり、もとからあった地上の排水網を伝わって流れていきます。

このように郊外の土地の場合、排水ルートは場所によってまちまちであり、中には曖昧なケースもあるので、これらの土地を土木・建築工事する場合には既存の排水ルートを確認するとともに、工事によって雨水の排水ルートが制約を受けるようであれば新たな排水ルートを工事主の責任でもって設けなければなりません。

つまるところ土地をいじって排水ルートを変えてしまう者は、周辺に対して新しい排水ルートを確保する義務があります。こんなことはわざわざ土木・建築工事の専門知識を持ち出すまでもなく、半ば常識の範疇といってよいでしょう。

事実、WATANKOのW田畑の造成工事においても、南側に赤道(公道)を介して接している畑がありますが、W田畑を盛土で埋めてしまうことによってこの畑の雨水の流れを堰き止めてしまうことになるため、W田畑の地下に雨水配管を埋設して、この南側の畑から排水を下流に流すように工事設計しています。

さて一方でW田畑の北側隣地ではどうであったかというと、水浸しになったしまった事態を見ると、現状では造成工事において排水ルートの計画が不十分であったといわざると得ません。

結局その水浸しになったW田畑と東側隣地ですが、自然に地下に浸透したのか、排水をポンプでくみ上げたのか詳細は定かではありませんが、しばらくたってから雨水はすっかりひいて無くなりました。

そしてこの排水ルートの件が、やがてW田畑の造成工事における最大の問題へとつながっていきます。

関連記事:
あの土地を埋め立てろ-(その1)田畑の再活用
あの土地を埋め立てろ-(その2)隣地の所有者との協議の日々


(つづく)

2014年9月10日 (水)

あの土地を埋め立てろ-(その2)隣地の所有者との協議の日々

【9月9日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,967千円

■損益率

45.0%

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

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(前回からの続きです。)

WATANKO家に手つかずに残っていた田畑(以降、W田畑)について、隣接する自動車ディーラーから駐車場として借りたいという申し出を受けて、造成工事を行い賃貸に供することを決めたWATANKO。その体験談 第2話です。

<登場人物>
・川越氏:自動車ディーラーの意向をうけ、賃貸の提案をしてきた不動産業者
・山野氏:川越氏から紹介された許認可関連の手続きを代行する土地家屋調査士
・渡部氏:西側の角地の所有者
・長谷部氏:東側の隣地の所有者

WATANKOは不動産業者の川越氏が紹介してくれた土地家屋調査士の山野氏との間で2004年の冬から2005年にわたり、W田畑の造成工事に向けての許認可関連の打ち合わせを重ねていきました。

さてその途中でW田畑の隣地との関係において浮かび上がった検討課題が2件あり、隣地の所有者達と協議することになりました。

1件目はW田畑の西側の角地部分(ほんの10㎡程度)が別の方の保有土地となっていたことにより、W田畑の土地の一角が欠けている状態になっていたことです。その土地は近所に住む渡部氏の所有であり、なぜそんな半端な土地を所有していたのか昔の経緯は不明です。

ともかくも渡部氏にとっては10㎡程度といった小さな土地を所有し続けても収益をうむような活用方法は無さそうです。そこで同氏に対してこの所有地のWATANKOへの譲渡を提案しました。

高齢で畑仕事も特にやっていない渡部氏はこれを了承し、WATANKOがこの角地を手に入れてW田畑の西側の形状を整えることができました。

余談ですが渡部氏との交渉時、土地の譲渡について話がまとまった際にWATANKOは思わず渡部氏の目の前で、「いやー、あんな小さな土地なんか持っていても使い道も無いし、仕方ないですよね~。」と口を滑らしてしまい、渡部氏から軽い怒りと顰蹙をかってしまいました。昔から顔見知りであった母が、あとで謝りにいってくれて事なきを得ましたが、WATANKOもまた当時、田舎の年配者に対してどこか舐めてかかっていたところもあったかと反省しました。

2件目は東側の隣地との境界線の見直しです。W田畑の東側の隣地は当時まだ田圃として活用されていました。しかしながらW田畑との境界線は畦道を挟んでギザギザになっており、お互いの土地活用にとって死角地がある状態でした。この機会にこの境界線のギザギザをならして一直線にすれば、それぞれの土地活用の効率がアップします。将来の売却の可能性も視野に入れれば、今回は絶好のチャンスでした。

そこでやはり近所に住む東側隣地の所有者の長谷部氏に境界線の見直しの申し入れを行いました。具体的には境界線について、お互いの凸地部分を分筆して相手に差し出すことによって境界線がストレートになるように登記を更正するものです。

長谷部氏が受け入れやすくなるようにと、トータルではこちらからの譲渡面積がわずかですが大きくなるように調整しました。

しかしながら土地の測量、分筆案の調整、書類作成と結構手間がかかり、長谷部氏と何度か打ち合わせを持つ必要がありました。これに対して長谷部氏はその手間暇に次第に嫌気がさしてきたのか、ある日WATANKOが同氏に次回の打ち合わせの連絡をしたところ、「面倒だから、もう辞めることにする。」と突然怒り出し、電話を切られ、この境界の見直しはあえなく一方的に打ち切りとなりました。

あまりの展開にしばらく茫然でしたが、「合意しておいて、いきなり一方的に打ち切りとは何事か。」「田舎者はビジネス、交渉事の最低限の常識も無いのか。傍若無人もいいところだ。ふざけるな。」と憤懣やるかたない気持ちが湧いてきました。

しかし相手の迷惑顧みず、気分次第で決めたことを翻意するオヤジとこれ以上話をしても、得るものは無く、こちらがその非常識さますますにカッカするだけだと割り切り、川越氏にこの経緯と検討打ち切りを連絡しました。話を聞いた川越氏も電話口で絶句したことは言うまでもありません。

結局、W田畑の東側隣地との境界線は現状のギザギザな状態のままで、各種許認可の申請を行うこととなりました。

後年もし長谷部氏あるいはその子供がすっとぼけて何らかの事情により、再度境界線の身直しを提案してくることがあっても100%断ることを固く誓い、WATANKO家の引継書にも事の次第を書き残すことにしています。

関連記事:
あの土地を埋め立てろ-(その1)田畑の再活用


(つづく)


2014年9月 9日 (火)

あの土地を埋め立てろ-(その1)田畑の再活用

【9月8日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,715千円

■損益率

44.6%

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1ドル106円に突入する一方、株式相場も順調です。個人投資家の多くはその含み益ゆえに毎日健やかに過ごせることでしょう。しかしそのうちにまた暴落でも始まればどうなるか。長い忍耐の旅路が始まります。

WATANKOであれば、そんな暴落の事態になれば買い出動で忙しくなり、そのあたりのこともブログ記事でどんどん取り上げていく展開が見えます。

そんな相場暴落でブログ更新が忙しくなる?前にWATANKOの過去の不動産投資の体験をひとつ記事にしておきます。

複数の土地所有者、不動産業者、土地家屋調査士、クレーマー、市役所の役人など様々な人たちが出てくる体験談です。(なお文中でてくる氏名はすべて仮名)

長編ブログ記事になる予定ですが、現物不動産投資に興味がある人に少しでも参考になれば幸いと思ってここに記します。

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時は今から10年前の2004年。

WATANKO家の所有地のひとつに、大きな幹線道路の裏手の田畑があります。(以降、W田畑)他に所有する田畑は区画整理と造成工事によって次々を更地に変えて賃貸の用に供していく中、この田畑は手つかずに残っていた土地のひとつでした。

2004年秋のある日、そのW田畑で母が畑作業をする傍らでWATANKO夫婦が幼い長男に畑の作物を教えたり、土いじりをさせていたりと田舎の家族らしくほのぼのと週末を過ごしていると、そこに一人の不動産業者がやってきました。

その不動産業者 川越氏はW田畑の周辺の隣地を対象に賃貸や売買の仲介をしているとのこと。川越氏いわくW田畑の隣地にある自動車ディーラーが隣接するW田畑を駐車場として賃貸させてほしいということです。

しかしながら一部擁壁で囲まれた自動車ディーラーの敷地とW田畑では土地の高低差が最大1m近くあります。したがいそのままでは使えないのでW田畑に盛土と整地をする造成工事が必要です。しかもW田畑は市街化調整区域にあり、ここをいじることは開発行為にあたるため市役所に対して開発申請を行い承認取得する必要があります。さらには農地を転用するため、同じく市役所内のある農業委員会にも諮って許可を取得する必要もあります。こういった手続きには時間と費用が余計にかかり、しかも素人が自ら単独で出来る範疇ではありません。

これに対して川越氏は要領よく造成の工事業者と開発申請などの許認可手続きを代行する土地家屋調査士を紹介してきました。

さてどうしたものか。父は認知症と体力低下が進み、現在市内にある介護老人保健施設に24時間入所しています。したがって兄弟がいないWATANKOはこの時すでに実質的に家督を継いでいました。状況を理解して、家族の将来も含めていろいろなことを考えながら決断を下さなければなりません。

W田畑のおかれた状況をみると、同土地は幹線道路に直接面しておらず商業用地としての活用は難しい土地でした。そのような状況でしたので、隣接するその自動車ディーラーが駐車場用地として拡張利用する今回の申し出はWATANKO家にとってもわたりに舟でした。なお父は施設へ入所、母は老齢であるためW田畑は田畑としての利用はもういつでもやめても構いませんでした。

また賃貸先ですが、自動車ディーラーという業種はあまり潰れたという話を聞きません。とくにこのディーラーは時折覗いた限りでは、幹線道路沿いにあるためか週末の店内はいつも来店客で賑わっているようです。川越氏の仲介で面談したディーラーの役員いわく、ここに店を構えて数年経ちお客さんが増えてきたので、来店客の車を整備・修理するための保管場所や納入前の新車などを停めるスペースが足りなくて困っているとのことでした。

こうしてディーラーと賃貸契約を結び、市役所に開発申請などの必要な手続きを行い、造成工事を着工、1年後あたりを目途に賃貸開始する青写真を描きました。

(つづく)


2014年9月 7日 (日)

【追記あり】1億円達成のブログ記事を読んでするのはボクシングではなくラーニング

【9月5日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,699千円

■損益率

44.6%

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(ふむふむ、9年足らずで1億円ね...。)


老舗インデックス投資ブロガーさんが、当人のブログにてインデックス投資で1億円に到達したことをカミングアウトする記事を拝見しました。

なおこのブロガーさんは本年7月号の日経マネーの特集記事で紹介されていた方と同一人物であることも公言されています。

WATANKOも当該記事、当該人物について過去の駄ブログ記事で言及していました。

関連記事:
日経マネー 7月号特集の感想-1億円さんになるには貯蓄、長期、そして運か

駄ブログ記事中でWATANKOは当該ブロガーさんの資産総額1.4億円のうち、かなりの部分(1億円?)は貯蓄で占められているのではないかと述べています。

当該ブロガーさんのカミングアウトを受けて、閲覧者がWATANKOと同様の推測をしています。そこまでは良いとして、そこからこの当該ブロガーさんの場合、1億円の達成は果たしてインデックス投資の成果と呼ぶのがふさわしいか否かについて論議が起きています。

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さてWATANKOはここで上述の論議に加わるつもりはありません。投資で成功したと定義づけられるリターン水準など人ぞれぞれですし、その定義についてコンセンサスを形成することなと土台無理な話です。そして何より当該ブロガーさんの成果の解釈を論議したところで、自分の資産運用のリターンが上がるわけでもありません。

関連記事:
投資家、喧嘩せず

ここでは当該ブロガーさんの1億円達成から何を学ぶかということの方がはるかに重要です。


1.やはり節約が大事だという基本原則

いわずもがなことであります。とくに一番バルブが緩いのは何と言っても教育費でしょう。WATANKO家の事情を申しあげるとすれば、長男の私立高校進学+塾通いのコンボ出費による教育費の増大が家計をかなり圧迫しています。長男の後には次男も控えていますのでこの先10年間程度は教育費が嵩む時期が続きます。

現在、お子さんをお持ちの30代の個人投資家の皆様方、一定の余裕資金の継続確保はどんどんしんどくなっていきますよ。

2.長期間のインデックス投資によるリターン実証に励まされる

少し前にブログ更新を休止された老舗ブロガーのfundstoryさん(相互リンクいただいております)さんといい、今回のブロガーさんといい、長期投資をあきらめずに続けた成果を披露してくれています。

お二人とも様々な相場変動の影響を受けながらもコツコツと積立投資を続けて、市場から退出しなかったわけです。利食いの誘惑にも負けず、損切りのプレッシャーにも耐え自分の投資元本を長期間、相場変動リスクにさらし続けることができる胆力はインデックス投資の価値を信じる人でなければ持ちえません。

WATANKOもこれまでインデックス投資を6年半続けていますが、時折この胆力がなくなる時もあります。(評価益が沢山出ている今、利確してしまおうかと思うことしばしば。)先人たちの胆力を見習いたいものです。

3.結果をあせり、自分が当初決めた投資方法を逸脱しないこと

1億円を達成したインデックス投資家をみて、自分も早く資産を増やしたいとの焦りにも似た気持ちが湧いてくる人がいても不思議ではないでしょう。そのように感じた人が、もしもっとリスクが大きい投資方法をサテライトであっても試そうとするときは注意が必要です。刹那的に湧いてきたチャンレンジ精神は、時には勝算についての冷静な判断を狂わせるかもしれません。

最後にですが、インデックス投信の平均的なリターンは悲観的で3%、楽観的で7%くらいでしょうか。つまりは5%±2%のレンジということであれば、それ以上の幻想は持つべきではありません。リターンの絶対額を増やしたければ、投資元本を増やすか、長期投資に賭けるしかありません。

WATANKOのインデックス投資は20年間の積立投資により、投資元本総額を税引き前にて1.5倍にまで増やすことを目標としています。今回の当該ブロガー、ybさんの事例をみればこの目標、当たらずも遠からずでまずます妥当な設定とみています。(チョット自画自賛してしまいました。草々)

【2014年9月8日追記】

ツイッターにてリツイートいただきましたブロガーの皆様方、ありがとうございます。

さて、そういえば以前当ブログでもこんな記事を書いていました。今回のWATANKOの言いたいことと同様の内容をとりあげています。ご参照いただければありたがく。こちらの方がわかりやすいかもしれません。

関連記事:
資産を増やすのではなく、蓄えることが大事【Refrain 2011】

2014年9月 5日 (金)

(続)ついに登場、マツダ新型ロードスター

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(さて今回はスペック編です。)

さて、ついに登場した新型ロードスターについて、昨日は写真からみてすぐにわかったデザインとパッケージについて記事にしてみました。今回はスペックについてです。

マツダの発表によると「歴代のロードスターの中で最もコンパクトなボディーサイズであるとともに、現行モデル比で100kg以上の軽量化を実現」とあります。

さらには新型ロードスターのスペック(日本仕様の開発目標値)が開示されていました。

*******************************

全長×全幅×全高=3915×1730×1235mm
ホイールベース=2315mm
エンジン=SKYACTIV-G 直噴ガソリンエンジン
トランスミッション=SKYACTIV-MT 6速MT/6速AT
フロントサスペンション=ダブルウィッシュボーン
リアサスペンション=マルチリンク
ステアリング=電動ラックアンドピニオン(EPS)
ブレーキ=前ベンチレーテッドディスク/後ソリッドディスク
タイヤ=195/50R16(展示車はヨコハマ・アドバン スポーツを装着)

********************************

上記情報をもとに歴代ロードスターのスペックについて、ボディサイズを中心に比較まとめしてみました。

201409051_2

*1 後期型は4,020mm
*2 RHTは除く
*3 3代目の数値を仮置き

1) 発表どおり全長はこれまで最も短かったNBの3,955mmを下回ります。現行比で80mmの短縮ですが、このうちホイールベースの短縮分が15mm。残り65mmをオーバーハングで短縮しています。よって全長に占めるHWの比率は歴代で最大になりました。

2) 全副拡大は側面衝突時の安全性確保のためのやむなき措置でしょう。1,730mmならば日常の取り回しに特別難儀したりはしないでしょう。また一方でこれはトレッドの拡大にも寄与しますのであながち悪くはありません。

3) さてそのトレッドですが未公開ですので、ここでは現行の寸法を仮置きしてTW比(トレッド/ホイールベース比)を試算してみます。現行比で全副が拡大しているため、トレッドは逆に短縮しているとは考えにくく、少なくとも現行と同サイズは期待できるでしょう。

ちなみにTW比が1.7未満であるとスポーツカーらしい走りが期待できるというのが自動車評論家の間での通説です。(ともかくもトレッドが狭い車は曲がらない。)

比較表を見ればわかりますがロードスターは代々この数値を減らしてきています。これは地味ながらすごいことです。

4) 車両重量は現行NCが1,090~1,100kgと仕様によって異なりますが、ここから100kgの軽量化となれば1tをきるかどうか微妙なところです。とはいえ車両重量1,500kgクラスのモデルと異なり、もともと軽量なロードスターがさらに1割近く軽量となればその出来栄えが楽しみです。

軽量化したボディに加えて、お約束のフロント=ダブルウィッシュボーン、リア=マルチリンクとクラス・価格に対してオーバースペックともいえる上等なサスでもって従来以上のヒラリ、ヒラリな走行感が体感できるか。

以上、新型ロードスターについて公開情報から類推した内容を前回、今回と記事にしました。マツダの技術者達が理想を求めて妥協を許さず、とことん突き詰めたエンジニアリングの成果がこの車には備わっていることでしょう。

さらなる情報公開と正式発表が楽しみです。

2014年9月 4日 (木)

ついに登場、マツダ新型ロードスター

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(超絶カッコいい!)

WATANKO含めた世界中のオープンカー、いやスポーツカーファンが待ち望んだ(コレ大げさではありません。)マツダの新型ロードスターが、9月4日ついに公開されました。

マツダの新型「ロードスター」に関する公式サイトはこちらです。

正式発表は2015年であり、スペック詳細がすべて明らかになったわけではありませんが、ここでは先ず公開された写真からみてとれる印象を記します。

先ず第一印象はアテンザ、アクセラに通じる最近のマツダ流のデザインであることです。フロントグリルの形状もペンタゴン、丸目のリアランプと現在のマツダのデザインディテールを踏襲しています。しかし一方でフロントライトはアテンザやアクセアに似すぎず、独自のシャープなデザインです。フロントのライトやグリルには余計なメッキパーツはついておらず、シャープな印象を持たせています。やはりロードスターはサルーンとは違うことを見せつけています。

一方で現行NCと側面レイアウトを比較してみれば、基本は同じですがいくつか興味深い点があります。

現行NCがこちらです。

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対して新型(ND)です。

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まず座席位置がNCよりも後ろ寄りになっています。その結果フロントノーズがNCよりも長めになります。これはBMWのZ4などを典型例とする伝統的なスポーツカーのプロポーションです。(WebではZ4に似ているとの声もチラホラ)

いかにフロントノーズが長いか、幌を上げた状態を見ればよくわかります。

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また新型のフロントウィンドはNCよりもやや傾斜が強いです。これはロングノーズとのバランスを勘案したこと、ならびに幌のサイズを抑えるためのデザインかもしれません。

余談ながら公開された新型ロードスターのカラーはレッドですがホイールとウィンドスクリーン枠をブラックに仕立てており、モダンです。実はWATANKOはもしNAの中古を手に入れて愛車にする場合には同様にブラックホイールに替えて、ウインドスクリーン枠をやはりブラックに塗り替えるアイデアをもっていました。公開されたモデルのカラーコーディネートはまさにドン・ピシャリです。

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それとインテリアですが、これはセンターコンソール上部にはタブレット端末をポン付けしたような最近のデザイントレンドを取り入れています。(メルセデスのA、Cクラスも同様)

あとはこれまたZ4似かもしれませんが、空調コントロールが3連ダイヤル式のようであるほかは特に目立った特徴はありません。エクステリアと比較すると総じて大人しいです。コストとの兼ね合いもあったかもしれません。

WATANKOであればオープンエアによる汚れが気になるかもしれませんが、それでも明るいインテリア色を選ぶでしょう。

現行NCロードスターは2005年に発表されてもうすぐ10年になるところです。次期モデルの発表はもっと早いはずでしたが、リーマンショックによる不況のため遅延し、2015年までずれこむことになりました。今般やっと登場あいなったわけですが、歴代モデルにあったどこかファニーな面はなくなり、先鋭的で男性的なデザインに寄っていきました。写真を見る限りでは期待を裏切らないデザインであるようです。

はやく実車がみたいものです。

(つづく)

2014年9月 3日 (水)

ETFをラップしてインデックス投信として売り出すのはどうか

【9月2日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

59,930千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

26,101千円

■損益率

43.6%

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(このお金で買うのは投信?それともETF?)

ETFは信託報酬が低く、長期保有すればするほどそのメリットを享受できますが、一方で購入ならびに効率的投資を考えた際に手間と面倒な面があります。一方でETFよりも信託報酬は高いけれども、ETFにおける煩わしさがない商品としてインデックス投信があります。

それではETFを投資先としたインデックス投信ができたらどうでしょう。ETFのローコストとインデックス投信の利便性を備えた商品に仕立てることができるかもしれません。ただしここで最大のキモはそのインデックス投信の信託報酬です。これが投資先ETFと同等商品の既存インデックス投信との間、できればETF寄りに位置していないとこのETFをラップしたインデックス投信の妙味がありません。

・・・とここまで書いて、インデックス投資を実践されている聡明なる個人投資家の方々であれば、「そのような商品としてEXE-iシリーズが既にあるだろう」と指摘されることでしょう。ごもっともです。逆にEXE-iシリーズが発売されなければこのような発想も思いつかなかったでしょう。

もっとも単一のETFを投資先とするとさすがにその存在意義が疑われるとおもったのか、EXE-iシリーズは複数のETFを投資先としています。しかし一方で単一のETFを投資先にしたインデックス投信であっても、極力マージンを絞って販売するならば価値があるでしょう。投資信託の利便性のためにETFの信託報酬にプラスして多少のマージンを支払うというわけです。

・・・とここまで書いて気がついたのですが、このようなETFをラップしたインデックス投信は同種類のインデックス投信の信託報酬が更に引きさがるか、ETFの利便性が向上して投信に近づくかさえすれば、やはりその存在意義は限りなくなくなるでしょう。そう考えるとEXE-iシリーズもまたその将来はどうなるのか。

インデックス投信の信託報酬の更なる低廉化とETFの利便性の向上が同時に進んでいくと、インデックス投信とETFの違いはどんどんなくなってくることでしょう。そのような状況に達した時が、日本におけるインデックス投資環境のひとつのゴールではないでしょうか。(大げさ?)

(あとがきにかえて)

・・・とここまで書いて、本日の内容を改めて読み返してみて自分ながらみみっちい話だとも思いました。どれだけローコストで手抜き投資を叶えれば気がすむのか。豪気に高い販売手数料や信託報酬を支払っている人から見れば、さぞかしセコく思えたことでしょう。
もうちょっとインテリの効いた記事を書きたいと思います。    ・・・無理か。

【記事投稿後さっそくの追記】

ブログ記事更新をTwitterにて告知したところ、著名な個人投資家ブロガーの水瀬ケンイチさんから、ETFを投資対象とする投信の情報をいただきました。信託報酬が高くて上記記事の趣旨に合わないので紹介は省きますが、EXE-iだけでなく色々あるのですね。


2014年9月 1日 (月)

元本取崩しを禁止すれば投資信託は健全化するか

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(分配金が出ればリターンを計算したくなるのが人情というもの)

こんにちは。万年素人個人投資家のWATANKOがおくるこのブログも気がつくと九百話に達しました。来春の満5年を迎えるころには記事壱千本達成できそうなペースであります。

というわけで駄ブログ、九百壱話いってみたいと思います。

毎月分配型投資信託はタコ足分配などと揶揄されることがあります。分配金利回りなどと運用会社の胸三寸でいくらでも操作できるかりそめの利回りで投信信託を購入する人が絶えないと言われます。

そこで常々考えるのですが、やはり分配金というものは運用会社がその投資先から得られたインカムゲイン、キャピタルゲインを原資とする形に限定すべきだということです。

分配金の原資について元本取崩しを禁止し、その運用益に限定することで現状の投資信託のかなりの部分が変わるのではないでしょうか。

◆1.運用結果が良好でないと多額の分配金が出せないので運用会社、分配金の多寡でファンドマネージャーの実力がはっきりとわかります。

◆2.タコ足分配金では無いので、多くの顧客が安心して分配金を受け取れます。

◆3.分配金利回りはおそらく下がるであろうから、そこで顧客が販売手数料や信託報酬などコストに着目するケースが増えます。

分配金は設けた範囲の中から支払います、となれば多額の分配金を出せない運用会社、ファンドマネージャーにとってかなりプレッシャーとなるでしょう。

毎月分配金型投信、通貨選択型投信などはコストが高いため、多額の分配金を出すことができず資金流出が続いて淘汰されるかもしれません。

投資信託はすべからく無分配であってほしいですが、お上の指導もありそうはいかないのであれば、上述のとおり運用益を原資に限定した分配金をせめて年1回、平均5%程度の利回りでコンスタントに支払う投資信託が望ましいです。勿論ながら大暴落が発生した年は元本が棄損する一方、インカムゲインも減るので分配金も多額は望めません(分配金が無い年もあるかもしれません)が、その逆の場合もまたあり得ます。

市井の人間が定期預金を積むがごとく1,000千円でポンととある投資信託を買い、変動があるも毎年分配金をコツコツ受け取る。そんな光景について、タコ足分配をする投資信託であればおちおち見ていられないかもしれませんが、運用益限定の分配であれば元本保証はないもののまずまず合理的な選択かもしれません。

(あとがきにかえて)

以前、日経新聞で欧米の投信は分配金の原資を運用益に限定している現状が紹介されていました。欧米ができることであれば、日本とて可能ではないでしょうか。それをやらないのはなぜかとい...おっと誰か訪ねてきたようです。こんな夜分に誰だろう...。

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