GPIFはポートフォリオを見直しました。今後の成果に注目しましょう
【11月4日終値ベース運用状況速報】
■投資元本(待機資金含む)
59,930千円
■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)
30,509千円
■損益率
50.9%
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ちょっと(だいぶ?)遅ネタです。
年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund / The Pension Welfare Service Public Corporation、以下GPIF)のポートフォリオ(資産構成)の見直しが先月31日に発表されました。
これまでのポートフォリオは以下のとおりです。
WATANKOはこれを後期高齢者ポートフォリオと称します。
巷ではポートフォリオにおける適正な株式比率は「100-年齢」とよく言われております。GPIFの従来のポートフォリオでは株式は国内外あわせて24%であり、適正な株式比率の算式から逆算すれば従来は100-24=76歳におけるポートフォリオだとみなしたからです。
いかにリスクを抑えた無難なポートフォリオであるかが見てとれるでしょう。
また年金なる資金給付が一体誰のために存在しているのかを象徴しているかのようです。
さて今回のGPIFのポートフォリオの見直しについは以下のとおり開示されました。
資産構成比率は日本債券中心のスタイルから国内外の株式と債券の伝統4資産に等分する分散投資のオーソドックスな形に近づきました。国内:海外=6:4、株式:債券=5:5と教科書的なポートフォリオであります。
適正な株式比率の算式からまた逆算すれば、見直し後のポートフォリオは50歳向けということになります。一方で日本の平均年齢は2014年時点でおよそ46歳ということですから、見直し後のポートフォリオの対象年齢は日本の平均年齢に近い形になります。
参照記事:国立社会保障・人口問題研究所 人口の平均年齢,中位数年齢および年齢構造指数:中位推計
さて一方で海外の事例としてよく紹介されるのが、米最大の年金基金であるカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)です。
そのポートフォリオは以下です。参照元はこちら
カルパース 基本ポートフォリオ
(参照記事内ではGPIFの従来ポートフォリとの比較も掲載されています。)
株式は世界+その他(プライベート&エクイティ等)で66%。つまりは100-66=44歳のポートフォリオであります。実際にはその他資産15%の中には株式なみのハイリスク資産も入っていると思われるので実際にはもう数ポイントは若い年齢のポートフォリオと見なしても良いでしょう。
最新のポートフォリオは以下をご参照ください。
参照記事:CalPERS Asset Allocation
ただし本年8月カルパースはコモディティーやアクティブ運用型企業の株式、ヘッジファンドへの投資をやめるか、大幅に減らすことを考えている模様であることも添えておきます。
参照記事:カルパース、リスク投資を見直し
GPIFのポートフォリオは見直し後の結果、従来よりもカルパースのポートフォリオに近づきました。別にカルパースのポートフォリオが最良というわけではありませんが、国内債券偏重であった従来型からの変更検討において影響を及ぼしたかもしれません。(と市井の個人投資家の勝手な想像)
(つづく)
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