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2014年11月18日 (火)

自動車メーカーには大人の趣味としての車をつくり続けていてほしいです

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(WATANKOがスーパーカーを手に入れる将来、自動車社会はどうなってしまうのか。)

一昨日、日曜日の日経新聞朝刊の特集記事で「クルマは夢から共有品になった」という主旨の記事がのっていました。

若者50年の足跡⑦ デートだって軽自動車でいい(若者50年の足跡)

内容をかいつまんで言うと「若者のクルマ離れが定着。就職氷河期とリストラ、賃金抑制時代が続きクルマは高根の花に戻った。一方でインターネットや携帯電話という楽しみもある。買うよりもレンタカーや共有がクールだと考える若者が増えた。」というわけです。

確かに車の維持費は少なくはありません。家計の節約と投資ネタが巷で取りあげられるとき、車の所有についてはネガティブに語られることが大半です。また若者は90年代中盤以降はPCや携帯、いろいろなネットサービスに消費をシフトしたことは当時の肌感覚だけでも察することができます。ガソリン代と自動車関連の税金は通信費とPCショップに流れたわけです。

一方で同記事では日産OBの伊藤修令氏の「自動車は消費者の変化にきちんと向き合ってこなかった」との指摘も鋭いです。確かに1990年代後半あたり以降は相変わらず80年代を引きずっていたスポーツ&スペシャリティ一辺倒な車づくりでした。

(ちなみにここで伊藤氏をのコメントを載せるとはなんともニクイです。伊藤氏は日産スカイライン史上、もっとも名車と言っても過言ではない8代目R32の開発主査です。)

太いタイヤとパワードリフトな走りを売りにしたモデルは、280馬力の自主規制がある中、性能向上面では90年代半ばに行き詰ります。バブル崩壊の影響が開発費を抑制させ、若者に対するメーカーからの新しい提案があまり見られなくなりました。

メーカー各社が90年初頭から前半にかけてデビューないしFMCさせた若者向け車はほとんどどれも次世代へのモデルチェンジはなされずフェードアウトばかりです。代わって出てくるのはいっときワゴン系やパジェロ等大型の四駆が流行りますが、それも廃れて大中小のミニバンがメインになり現在に至ります。

現在、新車で買えるスポーツカーないしはスポーティカーはトヨタの86/スバル BRZ、日産GT-R、フェアレディZ、ホンダCR-Z、マツダロードスター、それと強いて加えればレクサスRC Fぐらいしかありません。この中で若者がなんとか買えそうな価格帯のモデルはCR-Zとロードスターくらいです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

日本ではそのうち車のコモディティ商品化がますます進み、荷物がたくさん載るモデルがますます増えます。ついでにその名のごとく自動運転が主流になるでしょうか。また個人所有ではなくシェアリング、レンタルが主流となっていくのでしょう。

一方で自動車メーカーにとって日本市場の重要性はどんどん小さくなるでしょう。インドやブラジルなどの新興国に販売台数で追い抜かれるかもしれません。このため日本車メーカーはますます日本以外の世界各地で車を企画・製造・販売するようになります。

日本国内の変化としては車が売れなくなり台数が減れば、燃料の消費が減りガソリンスタンドは経営が立ち行かなくなってしまうかもしれません。街も自動車の騒音が減り静かになるでしょう。交通事故も減るかもしれません。販売台数の減少がすすめば駐車場はビジネスとしては厳しくなるかしれません。オートバックスとイエローハットは合併して自動車用品の需要減をのりきるのでしょうか。

ただそんな環境の変化の中にあっても、例えばバイクにように大人の趣味としての車は残り続けていてほしいです。

各メーカーのイメージリーダーをつとめるようなフラッグシップモデルでもよいし、多くの人が手に入りやすいライトウェイトスポーツでもいい。譲歩して上等なスポーツドライビングができるセダンやホットハッチ、SUVでもいい。そうしたメーカーが自社のアイコンとなるモデルを作り続けてほしいものです。

(おまけ)

日本で車が売れなくなり台数が減れば週末の高速道路渋滞の緩和も期待できます。また将来、ようやく全線開通した環状3線放射9線を快適に走ることができるでしょう。長距離ドライブ三昧です。

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自動車」カテゴリの記事

コメント

>家計の節約と投資ネタが巷で取りあげられるとき、車の所有についてはネガティブに語られることが大半です。

おそらく皆がクルマに乗らなくなったのは、どんどん高騰する車両本体価格も一因ではないでしょうか?
軽も(維持費以外は)安くはないと思います。
後は、都心に人が増えた←駐車場不足
女性の社会進出←実用主義
ガソリン価格の変動←税金を含め他国に比べ割高

これでも私はハイソカーへ乗り続けます。
なぜなら、心地よいからです(笑)
徳さん(故徳大寺氏)が、いい女とクルマ・・これがなくて生きている価値はあるのだろうか?・・と。
まあ、確かに自動車はなくても(都心では)問題ないけれども・・

預金王さん、コメントありがとうございます。

安全装置、ナビなどAV、エンジン周りをはじめとする電制化などが価格上昇の原因でしょうね。

でも工業製品としては世界トップクラスの日本車を世界で一番安く買えるのもまた日本人であることは幸せかもしれません。

自社ブランドの向上のために、
大手自動車メーカーがスペシャリティーカーの生産を続ける可能性は高いと思います。
採算は合わないでしょうけどねえ・・・・・・。
なので、本音で言えば、そんなものは作りたくないんですよ。
500万、600万でぽんぽん売れてくれるのであれば違うでしょうけど。
私がボディーメーカーにいた10年以上前でもそうでした。
今はもっとその傾向に拍車はかかっているでしょうけどね。

mushoku2006さん

コメントありがとうございます。

誤解を恐れず言えばスポーツカーなどに代表される理想主義的なモデルをつくらなくなったメーカーはお終いです。

安いエンジン、安いシート、安いサスペンションのクルマしか作らなくなったメーカーは技術の研鑽を忘れるでしょう。

地方に住んでると、車いらないとか言ってるFPに激しく憤りを感じます。と、同時に、車のコモディティ化を実感している身であります。色々なしがらみを無視すれば個人的にはsmartが欲しいんですけどねぇ。。。如何せん田舎じゃ2シーターはあかん。

ゴーヤーちゃんぶるさん

コメントありがとうございます。

>地方に住んでると、車いらないとか言ってるFPに激しく憤りを感じます。

車を必要としないほど交通インフラが充実している都市部はそれだけ地価が高く、例えば同じ間取りの住まいであっても家賃が高いなどというコストデメリットを背負っていますので、暖かく見守ってあげましょう。

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