(続)GPIFはポートフォリオを見直しました。今後の成果に注目しましょう
(前回からの続きです。)
前回、GPIFのポートフォリオの見直しを紹介しました。後期高齢者ポートフォリオは平均年齢並みポートフォリオへと今後変わっていくことになります。
さて今回のGPIFのポートフォリオ見直しについて、いつものとおり市井の万年素人個人投資家目線で所感をかましてみます。
★1.見直しの時期は最悪か最善か
現在これだけ相場が上がり、円安が進行する中で株式や外国債券の比率を上げるというのは高値掴みにはなるのでやめてくれという見方もある一方、数年前の日経平均1万円未満、1ドル80円台をうろうろしていた頃では今回のような見直しをとても実行できる土壌にはなかったかという見方もあります。リスク資産をもつ機関・個人投資家がウハウハで、従来よりもリスクをとるポートフォリオの採用にも寛容になっている今だからこそ実現できるのかもしれません。実行する側から見れば最善の時期なのか。
もちろんながら数年前の株安・円高の時点で見直し断行(安価になった資産をじゃぶじゃぶ購入)すれば、年金資産のその後のリターンも相当よかったはずですし、相場を下支えすることにもつながったのですが。
せめて見直しに伴う株式などの今後購入は相場への影響を考慮しつつ徐々にてお願いしたいものです。
★2.外債不要論はどこまでメジャーなのか
今回見直しでは外国債券も比率上昇しています。一体、山崎元氏が提唱する外債不要論は、GPIFの運用担当者には馬耳東風なのでしょうか。それとも外債不要論は山崎元氏しか分かり得ない高等な理論なのでしょうか。それとも外債不要論には別の識者からみて何か反論の余地があるのでしょうか。
・・・それとも外債が不要だとわかっちゃあいるが、色々と大人の事情で保有・拡大を余儀なくされているのでしょうか。
★3.投資に目覚めた人からみれば抵抗は少ない?
普段ブログを拝見している個人投資家の皆さんが採択しているポートフォリオの中には、今回GPIFが見直ししたポートフォリオよりもリスクをとっているものも少なくありません。
こうしてリスクあるポートフォリオをTAKEしている個人投資家であれば、今回のGPIFのポートフォリオの見直し内容が意味するところは十分理解でき、そのため受入れられやすい内容ではないでしょうか。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドを支持する個人投資家が今回のGPIFの見直しにネガティブになるのでしょうか。
★4.関心の薄い人でもリスクをとらされる
一方でいまだにリスク商品の購入する投資行動に目覚めていない人達からみれば、不安視される見直しかもしれませんが、そういった人達は今回の見直しに対して、まずそもそも関心が薄いかもしれません。
「貯蓄から投資へ」が一向に進まず、みな現預金で老後資金を貯め込むなら、一方で年金運用はアグレッシブに運用しても構わないと思うのは極論でしょうか。
いやいやそんなことをされては困るというのなら、もっと資産運用そして政府の金融政策に関心を持ち、モノ言う国民になる必要があると思います。
(まとめ)
国内債券が多かった従来型ですとGPIFは日本の債券(国債)と命運を共にする覚悟でしたのでしょうか。また運用成果が伸び悩んでも国債のせいにすることで責任転換するつもりというわけではないですよね。いずれにしてもWATANKOはそのような特定アセットの影響が色濃く出るポートフォリオからの今回見直しを忌避はしませんし、今後の成果を注視してみたいです。
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