(続)NISA 2014年末運用状況
(NISAの樹を育てましょう)
さて前回、WATANKOの2014年のNISA投資の運用状況を記事にしましたが、いままでのNISA記事で述べなったひそかな所感がむくむくと頭をもたげてきましたので、補稿として示します。
▼NISA=利益を当てにいく投資?
現行のNISAは5年後ごとに投資元本の時価評価額=以降の元本額となる仕組みです。
この場合ですとなるべく長期間にわたって投資を行い、その分大きくリターンを得たいと考えつつも、一方で5年経過時点で元本を下回りたくはないので利益が出ている段階で売却して逃げ切りたいという気持ちがふつふつと湧いてきます。
そう考えますと5年以内で利益獲得の確度が高いと思われる投資先をピンポイントで狙う「利益を当てにいく投資」を志向しがちになるのではないしょうか。
*REITはまだまだ伸びる?(いやもう無理か)
*今なら原油ETFでしょう。(今まで見向きもしなかったけど)
*いやロシア株式がチャンスだ。(普段は「VT1本」だけど)
*いやいやいやスイスフラン建ての投資商品以外に何がある!
しかしこれは個人投資家が持つ強みである「投資期間を自由に決められる」という強みは封じ込まれ、自分の相場観に基づき特定の投資先を選定するというよくある平場の切った張ったの投資と同じことになりはしませんでしょうか。
これこそが投資であると信じて疑わないアクティブ投資家ならばともかく、相場の予測はできないと達観し、長期・分散・低コストで地道に資本主義経済の成長をエンジョイするインデックス投資家の行動でしょうか。
WATANKOもかつてのNISA記事で利益が出ているうちに手仕舞いするかという趣旨を述べましたが、今はNISAにおいてもこれまでのインデックス投資と同じスタンスを崩さずにいきたいと考え直しました。
◆NISAでの投資=常勝とは限らない
NISAで規定されている非課税投資枠は現在のところ年間1,000千円ですが、毎年の投資がそれぞれかならず利益をもたらすとは考えないほうが無難でしょう。1年目の投資分は5年経過時点でプラスであったけど、2年目の投資分はマイナスであったということもありえます。
長期分散投資を志向する個人投資家であれば、ある年で損失が確定する一方でべつの年で利益が確定し、最終的には5年分の合計でプラスになればよいというくらいにおおらかに考えた方がよいです。(もっと言えばNISAに限らず自身の全投資期間でもって目標リターンを達成できていればよいです。)
幸いというべきは年間の投資枠が1,000千円であるため、ある年において損失が発生したとしてもべらぼうな水準にはならないでしょう。
◆なぜNISAを使うのか
それでは一部では損に終わるかもしれないNISAによる投資をなぜ採用し、これを続けるのか。それは証券優遇税制による軽減税率が終わってしまった以上、その代替え的存在のNISAにはもっと制度拡充してほしいからです。そのためには多くの個人にNISAが利用されて広く定着することは制度拡充に寄与すると考え、WATANKOも利用者の一人となっています。
NISAは現状ではいろいろとまだ不満な点もありますが、だからといって使わずじまいでは絶対にそのメリットは享受することはありません。「宝くじ、買わなきゃ当たらない」の精神であります。
先日も年間の非課税投資枠の拡大が報じられましたが、更なる枠の拡大や制度恒久化の実現のためには今後もより多くの人が利用するという実績が必要ではないでしょうか。
もちろん見方を変えれば多くの人に利用してもらうのであれば制度の充実が先だという意見もあるでしょうが、そのようなことを言い合っていたら「にわとりが先か、卵が先か」という堂々巡りに終始するだけです。
お役人ではない我々にできる行動はNISAを利用することであります。
(あとがきにかえて)
WATANKOはサラリーマンですから各種税金や社会保険料をもれなく源泉徴収され、さらに家業ともいうべき不動産賃貸業では所得税や住民税の追加に加えて固定資産税なども支払っています。(将来、資産課税はもっと増えるかもしれません。)
そのような立場からすれば、収入を稼得した段階ですでに一定の納税は済ませているのですから、その手残り分を種銭にしてまたリスクをとって増やそうとする証券投資においては、少しでも節税できる方策を望む次第です。
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