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2015年2月22日 (日)

(続)損益通算で繰越欠損を控除できるといっても所詮、限られた慰めでしかない

【2月20日終値ベース運用状況速報】

■投資元本(待機資金含む)

66,000千円

■評価損益(分配金・確定損益・税還付込み)

35,562千円

■損益率

53.9%

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

Piggybank621068_6401

(税金を払うために貯蓄や投資をしているわけではありません。)

(前回からのつづきです。)

「上場株式等の譲渡損失」と「上場株式等の配当等」の損益通算、さらに生じた損失を翌年以降の利益から控除できる通算損失の繰越控除について、国の囁きを傾聴する話の続きです。

3.コンペされるのは税金分のみであること

当年の通算損失を翌年以降に繰越控除することによってコンペ(補償)されるには、あくまで税金分のみであり、損失の全体額ではないことをよく理解する必要があります。

例えば1年目に300万円の損失が発生した一方で、以降2年目から3年連続で利益が100万円ずつ発生しました。そこで確定申告によって300万円の繰越控除を3年連続でキッチリ行い、2年目以降3年連続の利益累計300万円は非課税となりました。

さて結局この個人の収支はどうでしょうか。2年目以降の利益が非課税となったことで税率20%とすれば合計60万円の利益が手元に残ったのですが、1年目の損失300万円に対して戻ってきたのは税金分の60万円であり、差額の240万円はその個人が被った損失として依然として残っているわけであります。

もし税率が50%を大きく超えるような高率であれば、繰越控除もやりがいがあります。しかしながら投資で得た利益に対してそのような高い税率が課せられるようであれば、そもそもリスクをとって投資するインセンティブが働きませんので、よい投資環境とは言えません。

4.バイ&ホールド個人投資家にとってどれだけ役にたつものか

バイ&ホールドによる長期投資の投資スタイルをとる個人投資家の場合、損益通算をどれだけ利用する機会が実態としてあるでしょうか。

せいぜいETFを保有している場合、収益分配金に課せられる税額を回収したいがために評価損が出ている他の商品をいくばくか売却するくらいでしょうか。その商品はひょっとして売却後の翌年には値上がりして、たいそうな評価益が出るかもしれないというのに!

通算損失の繰越控除とは個人が全投資期間の中でわりと繁雑に売買を行う場合であって、しかも損失が先に発生するケースに限られ、そのあとに利益がでれば売却を行うという投資スタイルをとっていないと利用機会がかなり限られます。

損益通算できるようになりました。さあ損失を恐れずガンガン投資してくださいといわれても制度を実際に利用しようとしたときの現状はこんなものです。

(あとがきにかえて)

投資に関する税制では是非実現してほしいと考えているのはキャピタルゲイン(株式等の譲渡益)についての非課税措置です。過去に損失を発生させようがいまいが関係なく非課税です。香港やシンガポールなどでは導入されており、世界から投資マネーを呼び込むインセンティブのひとつとなっています。

国が個人に対して「貯蓄から投資へ」と個人資産を動かしたいのであれば、損失リスクを許容して元本保証のない金融商品を買わせたいのであれば、そのくらいのニンジンがあっても過剰ではないと考えますが如何でしょうか?




・・・さて、こうして今日もまたブログの更新を終えたところで、確定申告の準備にとりかかるとしましょう。

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資産運用」カテゴリの記事

コメント

損益通算は "株式&配当金" と" FX" の間で通算できないのが不便ですよね。

今年は株高で通算損益できそうもありません (^_^;;

おひげ☆ぼーぼーさん(さん)

コメントありがとうございました。

FXはやったことがないので知りませんでした。

>今年は株高で通算損益できそうもありません

それはそれでよいことかと。

はじめまして。
譲渡益が非課税になったら、投資の世界は大きく変わりそうですよね。
市場もより活況になるだろうし、企業へ資金の流れが良くりそうだし、証券業界も潤いそうだし、利益を上げた人々の消費マインドは良くなるでしょうし・・・
5年、年間100万円という限定されて、その分ややこしく感じるNISAなんか始めず、思い切った規制緩和は思い付かなかったんでしょうかね・・・
まぁ、バブル化なんかのリスクも考えられますが。

Junさん

コメントありがとうございます。

NISAは来たるべき投資利益の非課税実現に向けたパイロット・スキーム...というわけではないですが、ともかくも早く恒久化が実現して欲しいです。

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