EXE-iとは、とても低コストで分散投資できる投資信託のことである
EXE-iシリーズのうち、いくつかの商品について先日変更が発表されました。
EXE-i(エグゼアイ)シリーズの投資対象ファンド・参考指標の変更のお知らせ
詳しくは上記のとおりですが新興国株式ファンド(以下、新興国株式)およびグローバル中小型株式ファンド(以下、グローバル中小型株式)にて投資対象、先進国株式ファンド(以下、先進国株式)およびグローバル中小型株式にて参考指標がそれぞれ変更となりました。
これが保有者にとってプラスに働くのかどうかは発表内容からだけでは読み取れませんが、これら変更のほかに保有者にとって明らかなプラス材料として、新興国株式とグローバル中小型株式について信託報酬が引き下がりました。大事な情報なので以下に明示します。
●新興国株式
(変更前)0.4084%
(変更後)0.3924%(△0.160ポイント)
●グローバル中小型株式
(変更前)0.5164%
(変更後)0.3764%(△0.140ポイント)
新興国株式は同アセットでインデックス連動する投信の中で最安値水準のインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式(信託報酬0.594%)、eMAIXS新興国株式インデックス(同0.648%)に比べて6割あまりの信託報酬となっています。
しかしながら(今更わざわざここで指摘するまでもありませんが)EXE-iシリーズは純粋にインデックスに連動する商品ではありません。ETFを投資対象としているので当然ながらインデックス連動を目指していますが、さらにコストに重きをおいた商品です。
EXE-iのサイトにある紹介記事からもコストにこだわる趣旨がよく伝わってきます。
インデックスファンドによろしく
なるほど市場全体に幅広く分散投資した商品が欲しい。その次の優先事項は(インデックス連動よりも)、とにかく低コストであることを選ぶ個人投資家層をターゲットにしたのがEXE-iと読みとりました。
とくにEXE-iのラインナップの中では、先進国株式は純資産が30億円となり、ファンドとしては一定の規模に達したので、次は新興国株式やグローバル中小型株式の純資産を引き上げようとして今回見直しをかけてきたのではないでしょうか。
余談ですが「インデックスファンドによろしく」の元ネタ漫画である「ブラックジャックによろしく」は日本の医界についてアンチテーゼを唱え、これと異なる一つの進む道を語るストーリーです。
医界を投信業界と置き換えてみれば、この漫画のモチーフを利用したプロモーションに思わずニヤリとさせられます。
WATANKOはこのEXE-iをどう評価してよいかちょっと迷います。もしこのシリーズがなりふり構わず信託報酬のさらなる引き下げを実現させてきたとしたら、積み立て先を切り替えるか。
EXE-iがインデックスへ純粋なる連動はしないとはいえ、さらなる圧倒的な低コストを実現させた時、インデックスファンドを保有する個人投資家たちの反応が興味深いです。
このシリーズの今後の推移(含む競合するインデックス投信の信託報酬の動向)をしばらく見てから自分なりの答えを出してみたいと考えます。
(あとがきにかえて)
WATANKOをはじめインデックス投資を行う個人投資家が「もっと低コストの商品が欲しい」とブログでいつもわめいているためか、運用会社からそれならばとインデックスへの純粋な連動は横にちょっとおいておき、とにかく低コストな商品を作ったぞ、ほれ買ってみなはれ、とまるで問われているかのようです。
EXE-i、インデックス個人投資家にちょっとばかしプレッシャーを与える商品か。
でも面白い。
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