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2015年3月22日 (日)

家計とライフスタイルからみたマイカー保有の是非にかかわるまとめ

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(WATANKOが若い頃、デートに車は欠かせないアイテム...今はどうでしょう。)


家計(節約)に関する記事で住宅、保険、教育そして介護とならぶ大きな出費テーマとして自動車があります。たいていはマイカーを保有する/しないによって家計に与える影響がどれくらい異なるのかという視点でとりあげられます。そしてマイカーは他の交通手段と比較された結果、保有は経済面では不利ですという筋書きです。

この類の記事を見かけるたびにWATANKOは「世の中のたいていの場合、便益の量・質とそれを叶えるためのコストは正比例する」と唱えているにすぎないと考えます。「牛丼の並盛よりも、(量が多い)特盛の方が値段は高い。」「1,000円の散髪屋よりも、6,000円払うヘアサロンの方が料金は高い。」と同様というわけです。

さて、そこで家計やライフスタイルの視点からマイカー保有の是非を語る際のポイントをいくつかあげてみます。

(1)比較の前提となる便益の需要をそろえるべき

牛丼の選択であれば、食欲を満たすためにはどれくらいの分量が必要か。美容を気にかけるのであればヘアケアにどれくらいの頻度とサービス水準を求めるのか。

自動車についても、当人にとって一体どれくらいの需要(利用頻度・用途とそれを叶える性能・機能)が必要なのか。まずそこを明確にしてから、それを満たすための必要十分な手段を複数比較するべきです。

質が良く、量が多い便益をもたらす商品・サービスは当然ながら費用がかかります。

上記(1)の関連記事
カーシェアリングとマイカー保有-へんてこな比較
(続)カーシェアリングとマイカー保有-へんてこな比較
マイカー保有と代替手段を比べる時には前提条件をすり替えないでほしい

(2)マイカー保有の代替としてかかる出費とあわせて総合的に比較する

交通の便が悪くマイカーが必要な地方都市に比べて、交通手段が充実している都心部に住んでいればマイカーは不要であり、その費用もかかりません。

しかし一方で地価の高い地域に住んでいるため住居コストがその分かかります。物価もたいていの地方都市よりは高いでしょう。生活全体にかかる固定費という視点からみれば、マイカー保有の有無による違いは、案外少ないかもしれません。

(3)マイカー費用のうち生活必需品に相当する分を控除して、その贅沢さを正しく捉える

マイカーを保有する場合、その全てが贅沢というわけではなく生活必需品としての側面を含めている場合が少なくありません。これは分けて考える必要があります。

例えばある程度の積載能力と走破性をもつミドルクラスのSUVの選択肢としてトヨタRAV4(車両価格2,211千円)があります。一方、同種商品でプレミアムモデルともいうべきレクサスNX(車両価格4,280千円)があります。このふたつを比べればNXは明らかに贅沢品でしょう。しかしここで贅沢な出費として捉えるべきは4,280千円ではなく、RAV4(生活必需品の分)の2,211千円を控除した残りの2,069千円であります。

レクサスNXとRAV4の場合では大分差がありましたが、普段、マイカーの贅沢分として2,000千円以上も上乗せする人がそれほどいるでしょうか。せいぜい500~1,000千円としたら10年償却なら年あたり負担は50~100千円です。これが目の飛び出るほどの贅沢でしょうか。

ちなみにマイカーをもう全くの生活必需品、日々の下駄車として扱い、徹底的に安く保有したいならば300千円程度の底値の中古車を2年の車検ごとに乗り換える方法を推奨します。

上記(2)、(3)の関連記事
自動車の保有コスト
(続)自動車の保有コスト

(4)マイカーを保有して使いこなすライフスタイルに価値を見出すか否か

上記にあげてきた視点を考慮した上であっても家計を抑えるためにマイカーを保有しないライフスタイルを選択することは、経済合理性の面から言えば真っ当な選択かもしれません。しかしマイカーを保有して、それとともに暮らすことはQOL(Quality of Life)を豊かにするひとつのスタイルです。

上記(4)の関連記事
自動車保有の有無はライフスライルを変えている
(続)自動車保有の有無はライフスライルを変えている

以上いくつかのポイントをあげてみましたが、正直に申し上げればWATANKOとて車好き、マイカー保有派なので、そのバイアスがゼロとは言い切れません。

しかしながら、だからこそ「所詮は車好きだからマイカー保有を支持するのだろう」という声に対して、理詰めでかつ一定の合理性をもって応えたいと考えました。これまで駄ブログにて客観的な見方、適切な捉え方を自分なりに唱えてきました。

僭越ではありますが、マイカー保有について悩んでいる個人投資家の皆さんに少しでも役立つメッセージが送れたとしたら幸甚であります。

(あとがきにかえて)

この記事を書いてみて、ふと考えました。

ちょっとお金をかけた、こだわりがあるマイカー保有というライフスタイルは確かに贅沢であり、節約と長期投資にとってはマイナスかもしれません。しかし長期投資を行う上で、その途上における経済的なインセンティブは果たしてオール悪なのでしょうか?

次回記事「長期投資はそのゴールまで、我慢一辺倒なのか」

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コメント

クルマは確かに贅沢品かもしれません。
しかしながら、贅沢をして十分な資産はあると思います(我々だけでなく投資家は・・)。
つまるところ、借金をせずにそれなりのレベルで運用できていれば、後は遣うだけです。

牛丼よりもステーキ、散髪に関しては6000円はちと高い(と個人的には)。
ステーキはワインをぶっ掛けて自分で作れますけど^^v

預金王さん

コメントありがとうございます。

今回記事の末尾にも書きましたが、貴意見にも通じる内容を次回記事で書いてみたいと思います。

この記事へのコメントは終了しました。

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