相場下落に備えた準備運動その2-相場の下落が積み立て投資の真のスタート
相場下落に接して、これを乗り越えてきた過去を振り返り、それを今後の投資を継続する自信へと換えていくことを前回申し上げました。ここではもうひとつ相場下落に備えた準備運動を述べたいと思います。
相場の下落が深いほど、そして期間が長いほどその期間中にブレずに積み立て投資してきた結果は、本人も思いもよらない早期に損益が回復することが期待できます。
以下は2010年3月の当ブログ開設以降の積み立てインデックス投資の運用状況の推移を表したものです。
Notes)
青い棒グラフは評価損益(含む確定分)、赤い折れ線グラフは同損益率をそれぞれ表します。
ブログ開設以前の資産記録は月次の運用状況記録がそろっておらず、わかる範囲でグラフ化すると以下のとおりです。
2つをあわせて見てみれば以下のとおりです。
◆2008年9月~2009年3月迄>リーマンショック発生で3割程度損失を抱えた。
◆~2009年9月>損益トントンまですでに回復。
◆~2010年3月>当ブログの開設。運用成績は黒字水準に達している。
◆~2012年11月>ギリシャショックや東日本大震災の影響で相場下落を体験したものの、概ね±10%前後の範囲を行ったり来たり。
つまりはリーマンショックでドン底、暗黒ロードであったのはせいぜい1年間であり、その後は3年余りの間は日本を含めた世界的規模の本格的なリスクオンが始まるのを虎視眈々と待っていたわけです。
(前回、2011年9月の運用成績が低迷していたころの記事を抜粋紹介しましたが、書いてあるほど深刻にはなっていなかった面もあり。)
ここで大暴落から割と早期に復帰している理由はリーマンショック後も積み立て投資を継続したからであります。
これは直観的にわかることでしょうが、相場の回復が始まれば下落前の単価で購入した分はその評価損が減少することに加えて、下落時に安価な単価で購入した分の評価益がひたすらあがってくることが効いてきます。2つ併せての損益向上でトータル収益は早期のうちに黒字化しました。
相場の下落は、それが長ければ長いほど安価な単価で購入できる分が増え、相対的に下落前の単価分の総額に占めるシェアが減ります。また下落が大きいほどより安価な単価で購入できることになります。相場の下落が長引いてもまた大変大きくても、余裕資金でもって積み立ての長期投資を行うのであれば、その下落は厄災どころか福音といえます。
相場の下落が起きたら「ただじっと我慢せよ」だけでなく、むしろ下落が積み立て投資の真のスタート、加速ステージであります。
さて最後に積み立て投資について一冊の推薦図書があります。既に他ブログで紹介済みではありますが、当ブログでも紹介しておきます。
本書では積み立て投資のケーススタディをこれでもかと言わんばかり沢山あげています。なかには本記事と同様に相場が下落しても積み立て投資を続けていれば、思いのほか早期に回復しやすいことにも触れています。
(あとがきにかえて)
今日の記事は自分でも書いてみて、また相場の下落とそこからの回復を経た時に積み立て投資がどこまで威力を発揮するか是非とも再体験したくなりました。
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コメント
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リーマンショック前は投資資金の100%投資していましたが、
今は暴落時に買い増すんだと思い25%は待機資金にしています。
一方、長期的には経済は拡大していく=株価も右肩上がり と考えると
待機資金は機会損失なのではとも考えていまします。
悩ましいものです
投稿: おひげ☆ぼーぼー | 2015年5月11日 (月) 23時32分
おひげ☆ぼーぼーさん
コメントありがとうございます。
皆、同じような悩みを抱えていると思いますよ。どちらか一方に偏りすぎることなく、中庸にいけばよいではないですか。暴落に備えすぎず、機会損失に過敏になりずぎず、ほどよい待機資金を積んでおけば如何でしょうか。
投稿: WATANKO | 2015年5月13日 (水) 01時04分