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2015年6月28日 (日)

個人投資家は株主総会に出ているヒマがあったら、銘柄選定に精をだそう

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(個人投資家は株主総会に出向いて何をするというのか。)

WATANKOはとある事情があって、いくつかの会社の株主総会に出席することがあります。対象とする会社は不特定であり、しかも毎年出席するというわけではありません。出席する会社はえてして事業が悪化して当期の利益目標を達成できず減配ないし無配となった会社であります。

6月下旬には例年同様多くの会社の株主総会が開催されましたが、今年もまたその中で、業績が悪化して最終損益が赤字、期末配当が無配となったとある企業の株主総会に出席してきました。以下はそういった企業の総会でみられる典型的な光景です。

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株主総会が始まってからおよそ30分前後がすぎたあたり・・・。

役員から報告事項についての話がおわると、その次に質疑応答の場では個人株主数名から赤字転落と無配に関する詰問がなされます。それは時には質問の趣旨がとんだ見当違いにもとづくものであったり、あるいはひたすらヒステリックであったりするものもあります。(リアリティを出すために具体例を書きたいところですが、特定されるおそれがありますので、これ以上は言及しませんが。)

一方の役員達は事前に十分リハーサルしたとおり、硬い表情を崩さず冷静に招集通知の記載内容ならびにすでに開示された情報から一定の回答をするだけです。それでも回答に窮する質問が出れば、「貴重なご意見、今後の経営に参考とさせていただきます。 」とかわします。もし質問者の挑発にのって、あらかじめ公表済みの情報を逸脱する内容を話せばそれだけで社内的にはちょっとした騒ぎになりかねません。

総会が終われば文句を言った個人株主も、黙っていた個人株主もお土産をもらって退場。役員達はその夜、総会を無事乗り切ったということでホテルか料亭で打ち上げを催します。その頃には自分たちを責め立てた個人株主のことなど忘れていることでしょう。彼らが怖いのはバランスシートの右側にあるお金のおおどころの出元であるメインバンクと大株主であり、それらに対しては株主総会の前にきちんと対策は済んでいるというわけです。


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株主総会当日という限られた時間の中で、いち個人株主がその会社がもっと良くなるためにできることというのは皆無でありましょう。たとえその会社の状態や取り巻く環境を精緻に把握し、即席コンサルタントがごとく経営改善の提案をしたところで役員達には念仏にしか聞こえません。

たいていの企業にとって株主総会とはつつがなく乗り切る儀式にすぎません。

個別株を保有して配当や値上がり益を狙う個人投資家の中には、こうした企業の株主総会にどれだけ真面目につきあっている方々というのは一体どれくらいいるのでしょうか。保有する株式が、ダメ企業のそれであった場合、株主総会に出席して物申すことで配当UP、株価上昇に少なからず寄与できるとでも考えているのでしょうか。

冷徹でクールな個人投資家であればダメ企業と判定した時点で、これをなんとかしようなどと考えることなくあっさりと株式を売却し、別の銘柄を物色するのではないでしょうか。個人投資家がとることができる行動は、保有銘柄の売買でしかありません。(それが柔軟にしがらみなくできることが一方で強みとも言えます。)

それに対して自分が自己責任で選んだ銘柄がヘナクソだからといって、企業の株主総会にわざわざ出向き、文句をたれるというのは、実際には何の成果も期待できない無駄な行動ではないでしょうか。WATANKOは何も企業側に与しているわけではありません。個人投資家であれば、株主総会に出るなどという実効が薄いことにエネルギーを費やすのではなく、自由なる売買行動でもって自らの意志を静かに表明すればよいでしょう。

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資産運用」カテゴリの記事

コメント

お土産狙いで行くことがある程度です。文句を言うなら売った方がいいですね。時間の無駄ですわz

たんたんさん

コメントありがとうございます。

お土産もひょっとすると交通費でチャラかもしれません。株主総会とはなんとも虚しいものです。

株主総会の件、おっしゃる通りかもしれませんね。
個人株主として、出席する理由はお土産も魅力の一つですが、
経営陣の生の声を聴けるのも魅力の一つと考えています。
○証券なんか議長が経営者ご本人ですし、今年は取締役の半分以上が
発言するなど結構な中身でした。

bigさん

コメントありがとうございます。

割り切りを持って出向くならば、それもまた良しですね。

どちらかと言えば、企業側で株主総会対応している者です。

仰る通り、企業は株主総会における株主の質問や発言を聞き流しています。

ただ経営者も人ですし、大企業であっても経営方針がガチガチに固まっている訳ではなく、大した分析もしないまま勘や感覚で決めている部分も多くあります。

なので、発言の内容によってはその後の経営方針を変えることがあっても不思議はないと思います。

CHIBIさん

コメントありがとうございます。

>ただ経営者も人ですし、大企業であっても経営方針がガチガチに固まっている訳ではなく、大した分析もしないまま勘や感覚で決めている部分も多くあります。

あまりにリアルすぎて何も反論ございません。おっしゃるとおりです。

>発言の内容によってはその後の経営方針を変えることがあっても不思議はないと思います。

その企業が一般消費者向けに商品・サービスを提供していれば傾聴すべき点もあるかもしれませんね。WATANKOが総会をのぞき見た企業は生産財がらみのところばかりでしたので記事に書いた印象を強く持ちました。これはちょっとバイアスありと反省です。

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