
(まだ高いわね。このファンド)
信託報酬0.16%という大変ローコストな三井住友・日本債券インデックスファンドSが発売されました。この投信はかつて確定拠出年金(以下DC)専用投信でしたが、6月末から一般販売も始めたものです。
参照記事
インデックス投資日記@川崎
三井住友・日本債券インデックス・ファンド(信託報酬0.16%)がDC専用をやめ一般購入可能に
WATANKOは2つの点で注目しています。
1.なかなか進まないDC専用投信の一般販売において、久々に登場した商品であること。それも前例があるニッセイアセットマネジメントではなく三井住友アセットマネジメントから発売されたことです。三井住友アセットマネジメントは今後もDC専用投信の一般販売化を拡大させるのでしょうか。
2.日本債券アセットクラスは期待リターンが他アセットに比べて低いため、相対的にローコストの恩恵が大きいこと。なお今後もしDC専用投信が一般販売も始めるとしたら、特定のアセットが選ばれやすいという傾向がでてくるものなのでしょうか。
ちなみにこれまでインデックス投資家の皆さんの日本債券アセットにおける主要な購入商品となると以下でした。
①野村BPI総合に連動するインデックス投信の中で信託報酬が最安値の商品
⇒期待リターンに比べて信託報酬はまだ高い。
②バランスファンドに含まれている日本債券アセット分
⇒積極的保有とは言い難い人もありや?
③DLIBJ公社債オープン(短期)(中期)
⇒最近は見かけなくなった?
④国債
⇒やっぱこれでしょ。無リスク資産と位置づけて、別枠管理される方もいるか。
三井住友・日本債券がSMBC日興証券だけでなくSBI証券と楽天証券で取り扱い開始されれば、上記に①における大注目商品となるでしょう。
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ところで確定拠出年金(以下DC)専用投信は、なぜ一般販売化が進まないのでしょうか。勝手に想像してみました。
1.一般販売よりも低採算なので販売量が伸びてもうれしくない
DC専用に加えて一般向けにも販売すれば、ともかくも資産残高が増えて良いのではと部外者としては発想してしまいます。DC専用と一般販売用とで同じマーケットを食い合ってしまう(一般への併売によってDC専売分の販売が伸び悩む)ということも考えにくいです。
2.販売が伸びてもコストが嵩むため採算は悪化する
DC専用なので事務コストが低く抑えられるが、一般販売となると事務コストが嵩みただでさえ薄利なのに、さらに拍車がかかって採算が悪くなる。最悪、一般販売の取り扱いが増えすぎるとかえってトータルでは赤字になるとかコスト面の事情があるのでしょうか。
3.自社の既存の高い信託報酬の同種商品が売れなくなってしまう
DC専用投信が広く一般にも併売されれば、自社の既存同種の一般公募投信と正面から競合してしまいます、その結果コスト面ではあきらかに不利なこれら身内の競合商品はダメージをうけることになるでしょう。
上記にあげた事由のうち1、2はコスト構造がわかりかねるので何ともいえませんが、3は理由としてあげてもよさげです。
皮肉なことにDC専用投信が一般販売化されれば、自社の既存同種の一般公募投信が食われていまい、薄利のDC専用投信⇒一般販売化の残高シェアが高まれば、売り手からみたトータルの収益が悪化してしまうかもしれません。
このような事態をさけるためには、やはり売り手としては自社の既存同種の一般公募投信の信託報酬を、DC専用から一般販売化した投信と同レベルまで引き下げることによって自社商品同士の食い合いを避けることでしょう。ねらうべきは信託報酬がより高い他社の同種商品であります。
しかしこうして考えてみると、そもそもこれはDC専用投信の一般販売化とは無関係に、既存同種の一般公募投信の信託報酬の引き下げが実現すれば同じことであります。
結局のところDC専用投信の一般販売化でも、既存の一般公募投信の信託報酬のさらなる低減でもどちらでもかまいませんので、さらなるローコストな投資環境の実現を運用会社・販売会社には期待したいところです。
信託報酬0.39%(税抜)を下回る先進国株式インデックス投信あるいは0.25%(税抜)を下回る日本株式インデックス投信がSBI証券と楽天証券で発売開始されれば、その年の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」の第1位は間違いないでしょう。
待っています。XXXXアセットマネジメント 商品企画担当者殿
(XXXXにはあなたのご贔屓の運用会社を入れてください。)
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