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2015年10月 6日 (火)

(続)家計の節約を吹き飛ばさんばかりのお寺からの寄付のお願い

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(前回からの続きです。)

WATANKO家が檀家になっているお寺から、本堂立替にあたって寄付願いが送られてきました。さてどうしたものか。

WATANKOが妻と話し合った内容は以下のとおりでした。

1.総事業費の妥当性は判定が難しい。WebのQ&Aサイトなどいくつか調べてみたが、ばらつきが大きくなんともいえず。ただしたとえ建築面積あたりの工事単価が妥当だしても、檀家の数が少なければ、1件あたりの寄付額が多額であり、何にしても檀家の負担は大きい。

相見積もりをとったのか。金額ネゴは十分に行ったのか。いやそもそも檀家の数や一人あたり寄付が見込めそうな金額から総事業費を予算化するなどといった現実的なアプローチは検討されたのかといろいろと聞いてみたいところが本音です。

2.資金計画の全体がわからない。住職自身の拠出金や外部からの借入金、これまでのお寺としての修繕積立金の有無や程度はどれくらいなのか。

手紙1枚で1件あたり一口■■万円の寄付を引きだそうということならば、これら資金計画について、せめて総事業費に占める寄付見込みの割合だけでも知りたいところです。

寄付というのは反対給付(見返り)を求めない提供行為であります。立て替えする本堂のうち寄付した分だけ区分所有になるわけでもありません。(所有できても困りますが…。)せめて情報開示だけでも得たいというのが今時の考え方ではないでしょうか。

上記理由により、このお寺とはおつき合いが長いものの、寄付はその金額の妥当性や資金計画の情報開示がない以上、最低限の拠出で応じざるを得ないという結論になりました。

また寄付集めが難航して目標額に対して大幅未達となれば、2度目の寄付依頼が出される可能性もあります。それに備える意味からも1回目は控えめにして様子をみる。寄付の支払いは遅くなると妙な期待を持たされたりしかねないので、さっさと払い込みをすませてしまおう。

等にも留意しました。

このお寺とWATANKO家との付き合いですが、もともとWATANKOの祖父と父の実家である大本家の墓がそこにはありました。しかし一方でそこから分家した祖父と父には当初墓がありませんでした。祖父母が亡くなっても納める墓がありません。

そこで父はそのお寺の墓地内になんとか墓を確保しようと、お寺の造園の仕事を随分と手伝うなど奉仕したようです。(このあたりは白い眉毛が左右それぞれ5cmくらいはあろうかという立派?な大僧正でありましたお寺の先代住職からよく聞いた話です。)

その甲斐あってか先代住職から許可を得て、墓地内にある祖父と父の実家のお墓のすぐ後ろの土くれを切り崩してスペースを確保し、周囲を石垣で囲って新たに墓を設置することができました。そこは墓地内で一番の奥にあり、WATANKOは子どもの頃は往来が面倒だなと思っていましたが、大人になってから上述の話を聞き、父の苦労をまたひとつ知るところとなりました。

このような話をきくとお寺からの寄付願いについて、一口といわずもっと応えていかなければならないのかなとも刹那考えます。しかし檀家がお寺を経済的に支援していく以上は、檀家にとって支援しやすい形で、かつ透明性をもったやりとりが必要ではないでしょうか。

現在、このお寺は檀家からは定期的なお布施等はもらっていませんが、お墓の管理料名目で月1~2千円程度を集めてもよいのではないかと考えます。数百件の檀家から集めれば、年あたり数百万円程度の資金になるでしょう。その資金は修繕積立に充てることはいうまでもありません。

こうやってお寺の運営維持に必要な資金は、檀家の負担を和らげつつ安定的に集める仕組みでもって集めることが必要でありましょう。お寺の収入が不安定であればそれはやがて、葬儀時の戒名料や法要時のお布施において大幅な値上げに跳ね返りかねません。

お寺から檀家に対する多額の寄付依頼は、例えるなら普段から続けている家計の節約と貯蓄を突然吹き飛ばさんばかりの突風です。寄付とははっきりとした対価性もなく、お寺に対する信仰心のみに拠って立つ仕組みです。

信仰心の支えとなるお寺と檀家の関係は昔のように強固なものから、お互い代替わりを経て段々と緩やかに、そして薄れていくかもしれません。そのような変化の中にあってお寺と檀家との間で不信感が起きないように、お寺の運営経費の支援について、以心伝心やあやふやな慣習ではなく明朗会計が求められる時代であります。

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家計の管理と支出」カテゴリの記事

コメント

>現在、このお寺は檀家からは定期的なお布施等はもらっていませんが、お墓の管理料名>目で月1~2千円程度を集めてもよいのではないかと考えます。

これは、まんまマンションにおける修繕積立金不足問題みたいな話ですね。
きちんと管理するなら、計画的に積み立てておくことで計画的に支出できるのですが、いざ一時金でいくら、となると全員が全員用意できるのはなく、難儀するマンション修繕の話と似通っているなーと思いました。

ジャムおやじさん

コメントありがとうございます。

ご指摘の通りです。不意かつ多額の支出、そしてそれが対価性に乏しいとなると負担に抵抗感が強いです。

こんにちは、WATANKOさん。

僕の実家もあるお寺の檀家、それもかなり上位に
いるようで、毎回多額の寄付をしています。というか
強いられているといったほうがいいのかな?

前々から、寄付の額について明確な基準がなく
そして用途も書いてはあるが曖昧だったりして
すごく僕としては不満でした。

おそらく両親はそのお寺にはいるのでしょうが
永代供養代を支払って、後はお付き合いしないつもりです。

ふわわたさん

コメントありがとうございます。
お寺の総代や世話人ともなると負担は計り知れませんね。
家族の在り方や社会が移り変わっていく中で、自分のお墓についての価値観がどう変わっていくか。どんどん簡素になっていくように思えます。

この記事へのコメントは終了しました。

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