(続)楽天証券のGJとニッセイアセットマネジメントの応戦
(ニッセイ、ローコスト投信の王座を明け渡すのか。)
(前回からの続きです。)
三井住友AMをかついだ楽天証券の攻勢に対して、ローコスト投信のチャンピオンであるニッセイアセットマネジメント(以下、ニッセイ)はその存在意義をかけてローコスト競争に挑む模様です。(ちょっと大げさ?)
参照記事
日本経済新聞 投信コスト二極化
「超格安」の指数連動型、20~40代つかむ 高齢層、高くても積極運用型
記事によるとニッセイは11月にネット販売向け投信のコストを大きく引き下げると報道されています。具体的には既存展開する「購入・換金手数料なしシリーズ」の信託報酬を引き下げるとも言われています。
ここでは「ネット販売」というところがキモです。投信のコスト引き下げに感度が高いのは比較的若いネット世代なので、それ向きに限定してコスト引き下げをするというものです。
DC専用投信の一般販売化への対抗策として、この動きが予想されることをWATANKOもまた注目していました。
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(続)先駆者たちの次の一手は何か
はたしてニッセイは「購入・換金手数料なしシリーズ」の信託報酬をどこまで引き下げてくるのか。もし引き下げをした結果でも三井住友AMのDC専用投信のそれよりも劣後していれば、やはりニッセイをしてそこまでが限界かと思わせます。
ここはニッセイには三井住友AMのDC専用投信を明らかに下回る引き下げを期待したいところです。
それにしても前回参照記事による楽天証券&三井住友AMによるDC専用投信の一般販売化の拡大といい、本参照記事によるニッセイの信託報酬引き下げといいまだ正式発表前の憶測記事であります。
米国の利上げ動向ならともかく、個人投資家向けの金融商品の世界ではおそらくまだまだマイナーなインデッス投信に関して、そのローコスト動向の憶測記事がでること自体が珍しいです。同然ながら記事内容のリーク元はそれぞれの関係者なのでしょうが、お互い相手を相当に意識したつばぜり合いである様子が伝わってきます。
(あとがきにかえて)
もしもニッセイが三井住友AMのDC専用投信を明らかに下回る信託報酬を実現させた時、三井住友トラストアセットマネジメント(SMT)や三菱UFJ国際投信(eMAXIS)はそれぞれ自社のインデックス投信のマーケティングを見直す岐路にいよいよ立たされることでしょう。
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「eMAXIS、SMTの純資産が1,000億円達成」の裏で考えたこと
WATANKOがインデックス投信マーケットにおけるSMTとeMAXISの寡占状態を予想した頃から今や状況はあっという間に変わりました。
彼らは先駆者ゆえに未だインデックス投信の純資産合計は他社を引き離しているでしょう。しかし安穏としてはいられません。こうしているこの週末にも個人投資家はネット証券にログインして積み立て投資先の商品ラインナップからならSMTとeMAXISを外しているかもしれません。
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コメント
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コスト競争は大変、どうしても人件費が絡んだくる、頑張って貰うしかない、応援します。
ニッセイさん、楽しみです。
投稿: たんちん | 2015年10月26日 (月) 07時27分
たんちんさん
コメントありがとうございます。
金融商品の場合、労働集約型のサービスと異なり人件費の負担はスケールメリットによって加速度的に減ると思います。特にネット証券は効果大でしょう。
WATANKOは運用会社にはあまり感情移入しないタイプですが、それでもポッと出の三井住友AMよりも、ニッセイをちょっとだけ贔屓しています。
投稿: WATANKO | 2015年10月26日 (月) 23時56分