iシェアーズの逆襲-信託報酬が低いのはDC向け投信だけではありません
(ETFの逆襲はじまる?)
相互リンクいただいているcubさんのツイートで知りましたが、ブラックロックがiシェアーズのETF4本を東証に上場する旨を発表しました。
ブラックロック・ジャパン株式会社 プレスリリース
ETFのトップ・ブランド「iシェアーズ®」が国内初の最小分散ETFなど
日本株を投資対象とするETF4銘柄を東証に同時上場予定
ラインナップは次のとおりです。
●iシェアーズ TOPIX ETF 信託報酬0.06%
●iシェアーズ J リート ETF 信託報酬0.16%
●iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF 信託報酬0.19%
●iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF 信託報酬0.19%
ETFはその組成方法の違いから、非上場のインデックス投信よりも信託報酬を安くできるわけですが、それにしてもローコストです。iシェアーズ TOPIX ETFやiシェアーズ Jリート ETFは既存同種ETFと比べても信託報酬が安価であります。
例えばiシェアーズ TOPIX ETFやiシェアーズ Jリート ETFを10百万円保有したとしても年間の信託報酬はそれぞれ6,000円、16,000円、月額なら500円、1,330円しかかかりません。個別株・REITであればここはゼロですが、分散投資するコストとしてこの金額は個人投資家100人中99人が許容できる水準ではないでしょうか。
ちなみに信託報酬1.5%のアクティブ投信なら年額150,000円、月額12,500円であります。信託報酬だけで旅行に行けますわ。
また定番のインデックスではなく、従来からある高配当株を対象としたり、これまた最近流行のスマート・ベータ指数を採用したETFもラインナップしています。後者に関してはその評価が現時点ではよくわかりませんが、ここでも顧客のニーズに応えようという姿勢がありありです。
なおプレスリリースによるとiシェアーズ TOPIX ETFについては設定当初から平成28年8月9日(予定)までの期間に限り、さらに信託報酬を一時引き下げて0.025%とするそうです。どんだけ安くすれば気が済むのでしょうか。ブラックロック・ジャパン株式会社御中。
折しも三井住友アセットマネジメント(以下、三井住友AM)が確定拠出年金(DC)向け投信の一般販売化を開始したり、昨日の報道によると、自社で運用する投資信託について投資先や運用手法が同じタイプのものは運用にかかる手数料である信託報酬も原則同じにする方針を公表しました。(2016年度以降に具体的な見直しに入るとのこと。)
既存のローコスト投信シリーズを販売する他社がたじたじになりそうなこの展開に注目していたのですが、さらにその三井住友AMにカウンターをくらわさんばかりにブラックロックが既存よりも更にローコストのETFを東証に上場させてきました。
三井住友AMが一般販売化した確定拠出年金向け投信とはアセットクラスが異なり、その意味からガチンコ対決にはならないでしょうが、この4つのETFの今後出来高が要注目です。
(あとがきにかえて)
運用会社におかれましてはコスト競争力の向上も大事ですが、他の個人投資家ブロガーの方が唱えているように、一方でインデックスへの連動品質(おっと株式アセットの場合、配当込みの指数ですよ。為念。←除くETF)もおそろかにならないようにひとつ宜しくお願い致します。
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コメント
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>●iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF 信託報酬0.19%
これはいい水準です。
アクティブ・ファンド、バランス・ファンド←(かなり前)、は既に全解約し、ETFに注力したいとおもいます。
特に国内ETFは貸株にもできますので、マイナス信託報酬も可な場合があります。
米国株ETFは既に0.0レベル(VTI+VEAで可)もできますし、後は大暴落(日経・ダウ1万以下)を待つばかりかな・・
投稿: 預金王 | 2015年10月 2日 (金) 19時35分
預金王さん
コメントありがとうございます。
WATANKOは積み立てに不向きなETFは選好しませんが、国内ETFには関心は持ち続けたいと思います。
投稿: WATANKO | 2015年10月 3日 (土) 17時26分