家計の節約を吹き飛ばさんばかりのお寺からの寄付のお願い
(お寺の一大事業に檀家はどう応えるか)
WATANKOの自宅から歩いて2分のところにお寺があり、WATANKO家はそのお寺の檀家であります。一見、田舎町によくある小ぶりなお寺であり、聞くところによると現在の檀家はおよそ300家程度とのこと。
今は父からWATANKOが墓を引き継ぎ、父母の命日と春秋の彼岸、それから8月の御盆の際の墓参りならびにその際の墓の清掃を行っています。お寺に対する支出は毎年お盆の際に仏壇に添える盆舟代わりの御札(1,000円~3,000円程度)を納めるくらいで、年間で目立った支出はありません。もちろん肉親に葬儀が発生すれば戒名料に始まり、後年の法要時のお布施含めていろいろとかかります。
さて先日、そのお寺から総代を通じて、各檀家あてに寄付のお願いがありました。
そのお寺の本堂は明治初期に大火事で焼失してしまったあと、当時の地元住民の苦労のもとに再建され現在に至ると伝えられています。もしそのとおりであれば現在の本堂は築100年以上?と古いです。その間に改築や修繕を続けてきていましたが老朽化が著しく、総代と世話人らが集まって協議した結果、この度本堂立替に着手することになったとのこと。
さて気になるお値段ですが、総代から各檀家に配られた本堂建替の趣意書によると次のとおりです。
◎総事業費 ●億円(タワーマンションの片手戸数分くらい。)
◎工期 3年6か月(建物の規模に割には長い。)
◎寄附金 一口■■万円から(家族4人で香港・台湾あたりへの旅行費用程度)
配布された趣意書には図面の縮小もついており、それをみると新しい本堂の建築面積から算出した総事業費の坪当り単価は5,400千円となります。本堂には二階がないため、建築面積ほぼイコール延床面積とみて良いでしょう。本堂の上屋は通常の家屋のそれよりも立派であり、また堂内には色々と荘厳な飾り付けが設置されそうであります。
神社仏閣の建築には社寺建築の専門建築業者ではなければ請け負えず、競争原理が働きにくいため工事費も割高になることは否めないでしょう。
また工場内でのプレハブ工法などできるはずもなく、実際に建築を担当する宮大工も数は限られています。彼らがコツコツと造り上げていくため工期も長くなります。(これもまた建設費を押し上げる一因です。)
これらの建築事情をベースとしてこの坪単価です。この坪単価は港区や渋谷区などのタワーマンションの水準であり、決して安いとは言えません。
一方で檀家制度における檀家は、所属するお寺(檀那寺という)に対して経済的な支援者でありました。(経済的な負担を強いられてきた)檀家とお寺の結びつきは、年代を経た今は、昔に比べて薄れてきております。はたして現在の檀家からの寄付がどこまで期待できるのか。総事業費のうちどこまで賄えるのでしょうか。
仮に総事業費を全て檀家による寄付で賄おうとすると、単純計算で1家あたり数口分、金額にして7ケタにとどいてしまいます。一方でおよそ300件といわれる檀家の家計状況は様々であります。しっかりと給与所得や不動産賃貸収入がある檀家もいれば、年金生活者やひょっとしたら生活保護を受けている檀家もいるやもしれません。特に後者にとっては一口どころか半口でも寄付は厳しいでしょう。
(つづく)
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コメント
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数年前わたくしも70万円取られました。これからも宜しくと寺の世話役に言われました。恐ろしい恐ろしい
投稿: 工員 | 2015年10月 5日 (月) 20時33分
工員さん
コメントありがとうございます。
せめて個人の確定申告で所得から控除できるといいのですがね。
その世話役とやらは工員さんの3倍くらいは払ってほしいものです。
投稿: WATANKO | 2015年10月 6日 (火) 01時24分