やっちゃったな、日産
(普及が進まないとEVはエコカーの徒花になる!?)
日産のTVCMやWeb限定ムービーを公開中
動画ギャラリー
上記サイトの最新動画として「リーフ技術」編が公開されています。日産リーフが同じく「SPORTS CAR」とスタートダッシュ(おそらく0-100km)競走するCMがUPされていいます。
ここで登場する「SPORTS CAR」は180SXです。同車は1989年~1998年にわたって製造・販売された日産のモデルであり、動画に出ているのはテールランプのデザインからみて1996年までに製造していた前期~中期モデルと思われます。詳しくはこちら。
WATANKOはこれを見て、今の日産をなんとも情けなく思いました。
リーフのEVとしての加速性能をアピールせんばかりのCMですが、比較する相手が自社の20年前のモデルとは情けなさすぎます。20年前のモデル(技術)と比較して技術の進歩をアピールするとはなんともしらけた話ではありませんか。
「20年も経てば進歩して当たりまえ!!」
ちなみに正しく言えば180SXは「SPORTS CAR」ではなく、乗用車シャシーにスポーティな外観とパワフルなエンジンを備えた2ドスペシャリティ・クーペです。(車好きとしてはスペシャリティカーとスポーツカーとは違う車種であると声高に訴えておきたいです。)
せめて最近の他社のモデル、たとえばトヨタ86あたりと競走させれば日産ファンの溜飲も下がったかもしれませんが、そうはせずに20年前の古い身内を当て馬にするとはなんともいえないチキンぶりです。日産自動車株式会社 御中。
2010年発表のリーフは昨今マイナーチェンジで新しいバッテリーを搭載し、航続距離を伸ばすなどして商品力を向上させました。そのPRとして今回のTVCMが公開されたのでしょう。
中国で見栄え優先の大型FFセダンを売ることに執心している現在の日産には、車好きが待望する180SXのような手頃なFRクーペモデルをラインナップする気配は微塵もありません。
それどころか日産が今回やらかしたことといえば、EVの性能をアピールせんとして仕立てたこのTVCMでもって日産の過去のヘリテージをただ貶めるだけのものでした。
現在のEVが内燃機関で動く自動車に対するほぼ唯一の長所というと、ゼロ発進からの加速において、MAXトルクを無段変速で一気に放出できることであります。あとせいぜい言えるとすれば内燃機関を用いないことによる静粛性くらいでしょうか。(これは場合によっては長所と言えないかもしれません。)
その唯一の長所をアピールせんばかりのTVCMですが、それはなんともスッキリとしない仕立てでありました。
さて当事者(車)のリーフですが、現行モデルは2010年12月発売ですので発売開始からもうすぐ丸5年が経ちます。日進月歩が激しい最先端の自動車技術の中枢に位置付けられているEVとしてはFMCで刷新を図りたいところですが、リーフのFMCははやくとも2017年と噂されております。現行モデルの開発費用の回収が進まないのか、あるいはFMCで期待されるようなEVとしての大幅な性能向上を実現させる技術が確立されていないのか。
プリウスが3回目のFMCを迎え、燃費性能の大幅な改善を進めてきますが、対するこのゼロ・エミッション・ビークルについてはその進化の歩みは遅々さとしています。
さらに一方で水素自動車の市販化は開始されました。電気スタンドと水素スタンドはどちらが先に普及が進むでしょうか。
イヤーモデル改良を積み重ねて、実質的な走行可能距離をどんどん伸していくくらいの改良を進めないとリーフは、いやEV全体は進化が遅れて廃れていく古代生物のように思えて仕方がありません。
日産は古い身内を当て馬にするTVCMを作って古くからの日産ファンの顰蹙をかうことを「やっちゃいました」が、そんなことよりもEVの普及を促進させるようなモデルの追加投入をさっさと「やっちゃって」下さい。
« 個人事務所から税理士法人へ確定申告代行業務を継承 | トップページ | 2015年10月の積み立て購入商品 »
「自動車」カテゴリの記事
- マツダ3の販売不振と今後(2019.09.15)
- マイカー、かく買い替えり―⑤これまでのまとめと今後(2019.09.07)
- マイカー、かく買い替えり―④芋づる式な候補車のリストアップ(続々)(2019.09.05)
- マイカー、かく買い替えり―③芋づる式な候補車のリストアップ(続)(2019.09.03)
- マイカー、かく買い替えり―②芋づる式な候補車のリストアップ(2019.08.31)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
まさにザ・レンタカーのような商品ですね(苦笑)。
クルマを単なる移動手段(バスや電車のような・・)と考える人たちにはいいかも。
大きな違いは、運転していて楽しいかどうか?コーナーリングの旋回性は?操れる楽しみがあるか?・・・。
日産に限らず、流れはエコ・エコ・エコ。
最近のクルマのラインナップには、ほとんど食指が動きません。
※尚、180SXは今でも好きなクルマです。
350SXとか250SXの復活はないのかな。。
投稿: 預金王 | 2015年10月16日 (金) 03時58分
預金王さん
コメントありがとうございます。
いや、これはひょっとしたら日産のスポーツカー復活の遠大なるティーザー広告なのかもしれません。もしそうだとしたら日産の広報の深謀に脱帽であります(笑)
投稿: WATANKO | 2015年10月16日 (金) 06時36分
180SXは最初の愛車です。
なんだかなーと思っていましたが、ネット上でも話題です。
いま、ホンダと日産はなるべくして低迷してますね。
投稿: SHIN | 2015年10月16日 (金) 23時44分
SHINさん
コメントありがとうございます。
今の日産やホンダには買いたいと思わせるモデルがほとんどありませんね。特に日産のニューモデルはいつ出るやら
投稿: WATANKO | 2015年10月17日 (土) 08時25分
トヨタやホンダといった大メーカーがEVに後ろ向きなので、EVの進化は停滞気味ですね。
とはいえ、燃料代(電気代)やインフラ整備を考えると、水素自動車の未来は暗いと思います。
うかうかしていると、トヨタが凋落してしまうのではないかと危惧しています。
投稿: AKI | 2015年10月18日 (日) 22時12分
AKIさん
コメントありがとうございます。
日本のメーカーでEV普及を進めているのは日産のみであるところから、ビデオ規格でVHSに敗れたベータを彷彿します。最近商業施設でも駐車場に充電設備を見かけることが多くなりましたが、EV自体の性能はまだまだ不十分です。
投稿: WATANKO | 2015年10月19日 (月) 06時22分