積み立て投資、2年もたてば毎月の購入価額の高低にジタバタしなくなる
さて恒例の万年素人個人投資家ぶりの記事を今回も1本いってみたいと思います。
積み立て投資について語られる時、毎月購入する商品の基準価額の高低を気にする人は少なくないかもしれません。
-高値掴みが続けば、ひとたび暴落が発生すれば保有資産全体の評価損益がたちまち赤字に転落する。
-眼前の相場はちょっと高そうだ。できるだけ安値買いをしたいので、今月は積み立て投資を控えてみようか。
などなどです。
それでは毎月、単月分の積み立て投資額が保有資産総額に与えるインパクトはどのように推移していくものでしょうか。
「積み立て投資を続けることによって保有資産総額は増加していくのだから、毎月の積み立て投資額が一定であるならば、保有資産総額に対する影響度合いは減っていく。」と瞬時に判断した貴方。貴方は正しい。ここから先はひょっとしたら駄ブログ記事を読む必要はないかもしれません。
しかしWATANKOのような市井の個人投資家は、その影響度合いの推移は如何様であるのか数字で把握してみたいと考えましたので、ごく簡単に以下試算してみました。
<ケースA>
毎月10万円を積み立て投資して、60ヶ月(5年)経過したケースを想定しました。まず投資元本の積み上がりに対して、単月の積み立て投資が占める割合の推移は以下のとおりです。
(黄色:積み立て投資額累計、赤:積み立て投資額累計に対する単月投資額が占める割合。単位は万円。)
当たり前ではありますが単月の投資額が積み立て投資額に占める割合(以降、インパクト)は半分、1/3、1/4、1/5とみるみる減少していき、21カ月で5%未満、さらに34ヶ月では3%未満を切ることになります。
<ケースB>
次に相場下落や円高などにより、前月末時点の保有資産総額が3割減少した場合、インパクトはどうなるか。
(黄色:前月末時点の保有資産総額が3割減少した金額。赤:3割減した保有資産総額に対する単月投資額が占める割合。単位は万円。)
インパクトは30カ月で5%未満、50カ月で3%未満と、投資元本据え置きの場合に比べて、減少するペースが後ろ倒しになっています。
なお試算は省きますがケースBの逆のケースとして相場が高騰し、前月末時点の保有資産総額が上昇した場合、インパクトはケースA、Bよりも減少するペースが前倒しになるでしょう。
そしていずれのケースであっても、積み立て投資におけるインパクトは開始直後からみるみる減少し、おおまかにいって2年もたてば5%±1%といった水準になります。
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積み立て投資をやっていると平均購入単価を下げたいがために、安価で買えるタイミングをつい求めてしまいがちな時があります。WATANKOもかつて、そして現在も時折そんなことを考えてしまいます。
しかしある程度、積み立て投資総額が多額になれば、目の前の単月の積み立て分が多少高く買おうが、安く買おうが、それが総額に与える影響は軽微であります。
それが頭に入っていれば、積み立て投資を始めた個人投資家は一定の年月(2年程度か)を過ぎたあたりから単月の積み立て時の基準価額の高低にジタバタすることなく、安定的に長期投資モードに自身を切り替えることができるでありましょう。
最後にWATANKO自身のケースを紹介しておきます。
2008年3月からインデックス投信を積み立て開始したWATANKOですが、毎月の積み立て投資額は変動しております。推移は以下のとおりです。
(青字:毎月の積み立て投資額、赤字:元本の売却分。単位は千円。)
積み立て投資額の変動以外にも海外ETFのドカ買い、長らく評価損だった商品が損益トントンまで回復したところで売却する「やれやれ売り」、証券優遇税制の終了時に軽減税率のメリットを享受すべくクロス取引などを紆余曲折、右往左往してきました。(今となっては反省すべき点もあります。)
上記の投資額の推移を踏まえた単月投資の額のインパクトは次のとおりです。
(青字:元本に対するインパクト、赤字:評価額に対するインパクト。ただし2010年2月以前は評価額の記録ないため割愛。単位は千円。)
なんだかんだ言ってここ1年の単月投資額のインパクトは1%未満であります。上述のとおり「今月は安く買いたいなあ。安く買えたかなあ」と欲を出しても、上記のグラフを眺めてしょせんはせんなきこと、小事であると自分に言い聞かせています。
(あとがきにかえて)
WATANKO妻「今月も妻への愛情積み立て投資を怠らないようにね。」
WATANKO「結婚以前のお付き合い時代から起算してだいたい300ヶ月近い積み立て元本があるでしょ。それにくらべたら単月分の影響はごくわずかであります。」
WATANKO妻「何言っているの。積み立て元本分は評価額ベースでもう10分の1くらいに激減しているわよ。」
WATANKO「!!!」
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
確かに、積立てを長く続け資産増額が増えると毎月の積立が及ぼすインパクトは小さくなりますよね。
臨時収入による手動買付けのタイミングを計っていたのが・・・
投稿: おひげ☆ぼーぼー | 2015年12月24日 (木) 23時45分
おひげ☆ぼーぼーさん
コメントありがとうございます。
>臨時収入による手動買付けのタイミングを計っていたのが・・・
総資産に対する臨時収入の額次第ですね。でもおひげ☆ぼーぼーさんがそれでもって長期投資のモチベーションが上がるにであれば、よいのではないですか。
投稿: WATANKO | 2015年12月25日 (金) 00時13分