「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015」の投票結果と発表会参加 #foy2015
(今回記事は長めです。スミマセン...)
毎年恒例のイベント「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015」の発表会が今年も1月15日に日比谷公会堂で開催されました。WATANKOは駄ブログを開設した2010年以降、毎年投票しておりますが、今年6年目にして初めて発表会に参加してきました。
まずは昨年のトップ10のおさらいであります。
【第1位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
【第2位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
【第3位】セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド
【第4位】結い2101
【第5位】eMAXISバランス(8資産均等型)
【第6位】ひふみ投信
【第7位】世界経済インデックスファンド
【第8位】SMTグローバル株式インデックス・オープン
【第9位】ニッセイ日経225インデックスファンド
【第10位】eMAXIS新興国株式インデックス
さて今年の結果は如何様であったか。
★発表会の内容と様子
発表会のプログラムは以下です。
第1部 あなたが選ぶ!投信できごと オブ・ザ・イヤー(トークショー)
第2部 結果の発表
発表会の内容や会場の様子については相互リンクさせていただいております、すぱいくさんの以下ブログ記事にてとても詳細にわたりレポートされておりますので是非ご覧下さい。
参照記事
1億円を貯めてみよう!Chapter 2
【速報】投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015(第1部 トークセッション) #foy2015
【速報】投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2015(第2部 結果発表) #foy2015
WATANKOとしてひとつだけあげるとすれば、今回のカン・チュンドさんのトーク内容(「下落局面こそ積み立て投資の旨味あり」「投資をするというのは観葉植物を置くようなもの」)など等(詳しくはすぱいくさんの上記記事ご参照)が自分自身のインデックス投資観にとてもよくフィットしました。
カン・チュンドさんのお話を生で聞けただけでも日比谷公会堂にやってきた甲斐がありました。
★今年の結果発表-ジンクスはゆるがず
そして今年のトップ10は次のファンドでした。
名称の後の( )は昨年からの順位変動です。
【第1位】<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(変わらず)
【第2位】三井住友・DC全海外株式インデックスファンド(初登場)
【第3位】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)(▼1)
【第4位】セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド(▼1)
【第5位】ひふみ投信(△1)
【第6位】eMAXISバランス(8資産均等型)(▼1)
【第7位】結い2101(▼3)
【第8位】世界経済インデックスファンド(▼1)
【第9位】ひふみプラス(△7)
【第10位】iシェアーズ MSCI日本株最少分散ETF(初登場)
このアワードは初年度の2007年を除き海外株式クラスのインデックスファンドが第1位を獲得するジンクスがあります。さらにはその年に信託報酬の最安値を更新したファンドがはやはり第1位になる傾向があります。
今年2015年もふたを開けてみれば同じ結果でありました。ただローコストな海外株式ファンドが支持を集めること自体は例年同様でしたが、今年は第1部の「あなたが選ぶ!投信できごと オブ・ザ・イヤー」のトピックスで第1位(多数)を占めた「投信にコスト革命」が背景として注目されました。
例年では特定の運用会社が既存のコスト水準をブレークスルーしたローコストな新規ファンドを打ち出して、これが支持を集めていました。一言で言えば単発ショットです。
これに対して2015年は確定拠出年金(DC)専用投信を一般販売する、これに対抗して既存の公募投信のコストを下げる、また新規シリーズを立ち上げて参入してくるなど等、複数の運用会社が数か月の間に競うように自社ファンドのローコスト化を進めるというムーブメントが起きました。
★信託報酬0.2%台でないと受賞できない
さて当アワードで過去に第1位を獲得した先進国株式インデックスファンドの顔ぶれと当時の信託報酬を列記してみます。
このアワードで過去に第1位を獲得した先進国株式(MSCI-KOKUSAI連動)のインデックス投信の顔ぶれと当時の信託報酬は次のとおりでした。
2008年 STAM外国株式インデックス・オープン(0.74%)
2010年 STAM外国株式インデックス・オープン(0.60%)
2011年 CMAM外国株式インデックスe(0.50%)
2014年 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(0.39%)
2015年 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(0.24%)
Notes)
・名称と信託報酬(税抜)は当時のもの
・上記以外の第1位は以下。
2007年:セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド
2008年・2012年・2013年:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
年を重ねるごとに信託報酬の最安値を更新してきたファンドが支持を集めたことがよくわかります。第1位を獲得した先進国株式インデックス投信の信託報酬はこの7年間の間におよそ3分の1にまで減りました。
個人的にも上記の期間はWATANKOがインデックス投資をつづけてきた期間とピッタリ重なり合っており感慨深いです。上記の中ではインデックスeが発売開始された2010年頃でも十分安いなあと思っていましたが、今やその当時の半分の水準になりました。
昨今においては先進国株式アセットクラスのインデックスファンドが個人投資家の関心を得るためには信託報酬0.2%台が必須の水準でありましょう。
一方で、このアワードが始まってから以降、ほとんどの毎年TOP10入りしていた常連インデックス投信のニッセイ日経225インデックスファンド、SMTグローバル株式インデックス・オープン、eMAXIS新興国株式インデックスの各株式アセットクラスの商品は初登場のファンドに押し出される格好で軒並みTOP10圏外でした。
とくに昨年第9位であったニッセイ日経225インデックスファンドは今年第20位と大幅ダウン。WATANKOも昨年は持ち点5点を全てこの投信に投じておりましたので、この大幅な順位下げに驚きです。
★バランスファンドの利便性はやはり強み
コスト革命が進む中にあってコスト面では高めになりがちなバランスファンドは不利だったかもしれませんが、セゾン・バンガード・グローバル・バランスファンド、eMAXISバランス(8資産均等型)、世界経済インデックスファンド(WATANKOはバランスファンド御三家と勝手に命名しています。)は今年もTOP10入りしました。
やはり「これ1本でOK。安心してください。リバランスもやりますから。」という利便性は、ローコストと並んで大いなる強みです。またNISA向けに選ばれている向きもあるでしょうか。
さてこの御三家に続くバランスファンドとしては新顔の<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)があります。今回は19位にとどまりましたが、信託報酬0.34%(税抜)というローコストであるため今後の伸長が期待されます。
しかしながら外債不要論を支持していたり、日本債券は別途国債をたんまりと購入している個人投資家の場合であれば、それぞれを25%ずつ含んでいるこの投信には食指が動かないかもしれません。
★日本株式クラスに直販アクティブ投信の支持がひろがるか
受賞の表彰時に色々と注目を浴びる発言をされた藤野社長が率いるひふみBros.(ひふみ投信、ひふみプラスをまとめた表現としてWATANKOが勝手に命名)がダブルTOP10入りしました。また同じく直販アクティブ投信の中で当アワードの常連である結い2101もまた今年しっかりとTOP10入りしています。
一方でそのあおりをくらって?か前述のとおり同じ日本株式クラスのニッセイ日経225インデックスファンドが大きく順位を落としています。
このアワードに投票する個人投資家群の間ではひそかに“日本株式クラスにおける信頼がおけそうな直販アクティブ投信”への支持がじわりと広がっているのでしょうか。
なお2016年からは日経225インデックスe(信託報酬0.19%)が発売されています。ニッセイ日経225インデックスファンドよりもさらにローコストな投信であり、WATANKOも積み立てしますが、はたしてひふみBros.とどちらが支持を集めるかちょっと注目しています。
(あとがきにかえて)
さて世界で一番早い「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2016」予想です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの前人未到の3連覇の前にたちはだかる現時点の有力な候補は「たわらノーロード先進国株式」でしょう。
「ニッセイVSたわら」に注目です。
(・・・昭和40年代の東宝怪獣映画みたいになりました。)
また新顔であるたわらシリーズは2016年にはどのような商品展開を進めるでしょうか。アセットクラスの追加や複数のアセットを組み合わせた“たわらバランス”などを企画中であることは想像に難くありません。
さらに三井住友アセットマネジメントに続いて他社によるDC専用投信の一般販売化はおこるのか。三菱UFJ国際投信や三井住友「トラスト」アセットマネジメントは2016年も死んだふりをしているのか。
さて2015年一番のムーブメントでした「投信にコスト革命」が2016年も続くことを期待しています。
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